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エンジニアのキャリアについて【SmartHRの場合】

こんにちは! エンジニアマネージャーの森住(@t_morizumi)です。

現在 SmartHR は saiyo-tasukete プロジェクトの名の下、エンジニアの採用ブランディングと再び向き合っている真っ只中にあります。

「普段取り組んでいることをきちんとテックブログで発信する」という、ぐうの音も出ないほど当たり前のことが大切であることに CTO が気づいてしまったため、僕もこうして筆を取っている次第です。

さて、今回はエンジニアのキャリアについてということで、SmartHR がエンジニアのキャリアアップにどのように取り組んでいるのかをご紹介したいと思います。

SmartHR のエンジニア組織について

まずは大前提として、SmartHR のエンジニア組織は以下のような構造になっています。

(※ 組織構造の概略をお伝えすることが目的のため簡略化しています)

CTO がマネージャーを支え、マネージャーはチーフを支え、そしてチーフはメンバーを支える、といった構造です。

(※ チーフは SmartHR 内部の呼び方で、いわゆるプレイングマネージャーの役割を指します)

図の青色はマネジメントロールの人たちで、黄色はいわゆるメンバーの人たちです。

上記のような構造になっていますが、メンバーの人たちはマネジメントロールにならないとキャリアパスが詰まってしまうのかといえば、決してそんなことはありません

SmartHR の等級制度について

SmartHR には等級制度というものが存在し、それぞれに以下のような給与レンジが設定されています。

(※ 図には反映されていませんが、2020年9月16日以降に入社した方には2021年より半期ごとに給与1ヶ月分程度の成果給が支給されます。なお、給与レンジや成果給の情報は SmartHR の採用資料にて公開されています。)

(※ 6等級は CxO や VP といった役割との関連が強いため、それ以外の役割だと現状5等級が上限となっています。5等級には Skill Add On という制度があり、それが適用されると給与テーブルの上限は関係なくなります。なお、役割との関連が強い6等級の扱いについては現在見直しも含め検討中で、今後変わっていく可能性があります)

それぞれの等級は以下のように人材イメージとマッピングされています。

図の黄色は「スペシャリストコース」のキャリアを歩む人たちで、青色は「マネジメントコース」のキャリアを歩む人たちです。

先ほどメンバーの人たちはマネジメントロールにならなくてもキャリアパスが詰まってしまうことはない、と書きましたが、4-5等級がスペシャリストコースとマネジメントコースに分かれていることがその大きな理由となっています。

マネジメントにはそれほど興味がなく、自身の手を動かす形でプロダクト開発を突き詰めていきたい、といった方はスペシャリストコースを歩むことができますし、反対にメンバーの人たちを支える方にリソースを割きたいという、といった方はマネジメントコースを歩むことができます。

また、一度マネジメントコースに進んだらスペシャリストコースへの移動ができなくなるかといえばそんなことはなく、チーフであれば半期に一度のタイミングでメンバーに戻ることができます

マネジメントをやってみたものの、ちょっと違ったなあということは当然あるでしょうし、そうなったときに転職するしかない、という状況になってしまうのは会社にとっても社員にとっても不幸です。一度選ぶと戻れないとなると、マネジメントロールに挑戦する際の心理的ハードルも大きくなってしまいます。

そういった弊害を防ぐため、SmartHR ではチーフになっても他社員の給与情報には触れられないようになっていたり、チーフ手当てのようなものを付与しないようにしていたり、いつでもメンバーに戻りやすい環境作りをしています。

(※ マネージャーの場合は給与情報に触れる場面もあるため、かなり戻りづらくはなります。そのため、任命の際は戻りづらくなるという共通認識を必ず作るようにしています)

開発グループのメンバーとマネジメントロールの比率に着目すると、それぞれ以下のようになっています。

5等級に絞ると、以下のような比率になります。

全体の比率に比べて、5等級に絞ると少しマネジメント側の方が多くなっていますね。

上の図の5等級のマネジメントにはチーフも含まれています。

SmartHR のチーフはプレイヤーとしての側面も比較的強く、スペシャリストコースとマネジメントコースのちょうど中間に位置するような役割です。

プレイヤーとして評価されて5等級になった方が現在はチーフを務めている、といったこともあるので、おおよそスペシャリストコース / マネジメントコースのどちらを選んでも5等級には昇格できている、と言えるのではないかと思います。

スペシャリストコースとマネジメントコースを設けている理由

組織として SaaS のプロダクト開発を行っていく上では、様々な専門性が必要になります。

Rails を用いた多様な開発経験、React を用いた SPA の構築経験、パフォーマンスチューニングに関する深い知識、アジャイルなチームを構築できるスキル、ピープルマネジメントに関する豊富な知見、セキュリティを意識してインフラを構築できるスキル、etc...

そういった専門性を有する多様な人々に SmartHR で活躍してほしい。

そして活躍が正当に評価され、報酬が得られる制度としたい。

スペシャリストコースとマネジメントコースを設けている背景にはそのような思いがあります。

特定の専門性を突き詰めることでプロダクトに貢献したい方にはそのようなキャリアパス(スペシャリストコース)を、人を支えるといった面でプロダクトに貢献したい方にはそのようなキャリアパス(マネジメントコース)を。

そんな風に、多様なキャリアパスが提供できる環境を用意したいという考えが背景にあります。

実際に SmartHR に入社いただいてからの流れ

SmartHR にご縁があって入社いただいた場合、仮にマネジメント志向が強い方であっても、最初はいちメンバーとして開発に携わっていただいています。 これは、将来的にマネジメントを行うとしても、まずは SmartHR の開発スタイルや文化、実際にプロダクトを作っている人を深く知る必要があると考えているためです。

入社後はチーフとの 1on1 が組まれるため、その場を通じてキャリアプランについてすり合わせを行っていきます。SmartHR でやりたいことがある程度はっきりしてきたら、半期の目標を設定します。

目標が設定できたら、以降はその目標の達成に向け、プロダクトへの貢献を続けていただきます。その過程で定期的に(多くの場合2週に1度)チーフとの 1on1 を行い、目標達成への進捗を確認したり、妨げになっていることについて話し合います。

キャリアプランについては適宜チーフとの 1on1 の場などで相談できるため、志向に応じてスペシャリストコースを歩むのかマネジメントコースを歩むのか、検討を進めていきます。

その後(人によって期間は千差万別ですが)、一定程度の経験・実績を積んだら、ひとつ上の等級への昇格が視野に入ってきます。

その等級になるためにはこういったことができている必要がありますよ、という要件を定義した「等級要件」がスペシャリストコース / マネジメントコースのそれぞれに用意されているため、それに照らして、チーフと相談しつつご自身の現状と等級要件との差分を確認します。

昇格を検討する必要があるとチーフが判断したら、チーフの推薦により昇格候補となります。

期初に昇格の条件となる目標をチーフと設定することになり、その目標が期末に問題なく達成できていれば、マネージャー陣の協議を経て承認の上、晴れて昇格となります。

そして、新しい期がはじまったら、再び目標設定を行い、新しい目標の達成に向けて動き出します。

ざっくりではありますが、以上が SmartHR における基本的なキャリアの進め方です。

実際、昇格の実績 / 等級分布ってどうなってるの?

キャリアの進め方について書いてきましたが、気になるのは、じゃあ実際どれくらいの昇格が行われていて、エンジニアの等級分布はどうなっているのか? ということですよね。

まず昇格について、こちらは開発グループに絞ったデータで、直近の昇格実績は以下の通りとなっています。

2020年だけで、4等級 / 5等級にそれぞれ6名ずつが昇格しています。

次にエンジニアの等級分布についてですが、2021年4月時点での各等級ごとの人数は以下の通りです。

給与テーブルと併せて見てみると、どの給与レンジにどれくらいの人数が属しているのか、おわかりいただけるかと思います。

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