こんにちは!PM(プロダクトマネージャー)のgackeyです。
新機能を公開する前のレビューやドッグフーディング、もっとうまくやりたいな〜と悩んだこと、ありませんか。SmartHRは、人事労務の方々に日々使っていただく業務システムなので、A/Bテストを気軽に行うことができません。また、うっかり使いづらい状態で出してしまっても、気軽にやり直しはできないプロダクトです。
スプリントレビューの工夫はもちろん、バザー形式のスプリントレビューを開催した話のように、全社に向けた公開レビューイベントを開催するなど、より多くのフィードバックを受ける方法を試行錯誤しています。
前回以降、全社レビューイベント(通称バザール)はオンライン開催へと形を変え、「ござるよね〜🐒」の絵文字とともに愛されるイベントとして定着してきました。社内の人事担当・労務担当者にスプリントレビューに参加してもらい、業務観点のフィードバックを得る習慣もカイゼンを続けています。
でもやっぱり、いちばん欲しいのは実際のユーザーの声。 そこで!ついに!念願だった、未公開機能のレビューにユーザーを招くイベントを開催しました🎉
世の中が全体的にリモートワークな今だからこそ、ユーザーにもオンラインで参加してもらいやすい状況下。他の企業でも実践する機運につながるのでは!と思い、具体的にどのようにやってみたのかをしたためてみました。 具体的には、実際に行ったイベントの準備・内容と、そこから得られた次への学びをお伝えします。
どんな風にやったの?
概要
- 参加者
- 社内:開発チーム + カスタマーサクセスチーム
- 社外:SmartHR Senseiユーザー(※以下Sensei)(※1)
- 場所:Zoomのブレイクアウトルーム
- 時間:合計約2時間
※1 SmartHR Sensei ユーザーとは、SmartHRの開発への期待を込め、ヒアリングなどに積極的に協力する意思表明をいただいているユーザー様です。
人事労務の現場での実際の業務についてや、SmartHRの活用や機能へのご意見・ご要望など、さまざまな観点で教えていただく方々なので、弊社ではSensei(=先生)と呼んでいます。
事前準備
- 参加ユーザーの募集
- 特別ノベルティの作成・お届け
- 各チームごとに、機能紹介資料とレビュー用環境の準備
- 各チームごとに、当日の役割分担
- Zoomの環境設定
- 議事録用ボード(Miro)の作成
- リハーサル
イベントを盛り上げ、ユーザーに楽しんでレビューに参加してもらえるよう、コミュニケーションデザインチームと協力して特別なノベルティを作成しました!
声がかぶると話しづらい状況になるZoomでの開催だったため、「ここまでの説明・内容はOK!」「気になることがある・質問したい!」をうちわの面で教えてもらえる便利アイテムです。
また、Senseiにどんどん使ってもらうため、開発チームのZoom背景にはこちらをセット。どんな風に使うの?どんなときに・どっちを向けるの?を全面にアピールです。笑
リハーサルでは、Zoomの設定うまく動かない!ホスト設定失敗してない!?レビュー用のシナリオとサンプルファイルがずれてる、これじゃうまく操作できない!などさまざまな気付きがありました。やっぱり、リハーサルは大切ですね…。
当日の役割分担
タイムテーブル
当日は、計6つの機能・プロダクトがレビュー用の環境を用意して大集合。
機能ごとのブレイクアウトルームと、25分 × 3回レビュー枠を用意しました。Senseiの事前アンケートでの「見てみたい機能」へのご要望をもとに、それぞれの機能へのレビューに参加してもらいました!
- 15min:ご挨拶・全体説明
- 25min:レビュータイム1
- 05min:休憩
- 25min:レビュータイム2
- 05min:休憩
- 25min:レビュータイム3
- 05min:最後のご挨拶+写真撮影
当日の様子
各チーム、まずは簡単な機能紹介からスタートです。
続いて、いよいよドキドキのレビュータイム。ユーザーに、実装中の新機能を実際に操作してもらい、気になる点や使いづらい点、より良くするための要望をどんどんと寄せていただきました。口頭、チャットともに、挙がった声がどんどんと議事録のMiroに書き留められていきます。
社内でのレビューでは受けづらい、実際に運用しているからこその気付きや使い方が見られたようです。
おや、こちらのチームは、未実装の機能のデザインのフロー図をMiroで作成し、説明しながらレビューを受けているようですね👀
未実装のタイミングでフィードバックを受けることで、ベストな状態により早くたどり着くヒントが得られたようです! 一方、見てもらうためのフロー図準備が比較的大変だった、という気づきも挙がりました。
最後は、メインルームに大集合して全員で記念撮影📸
Senseiのみなさま、ご参加ありがとうございました!🙌
挙がった声の振り返り
終わった後は、それぞれのチームで振り返りを行いました。質問が多く集まった部分に対し、どうしたら迷わず使ってもらえるか。使いづらさが見て取れた点は、どのように変更したら良いのか。カイゼンが求められた点を、リリーススコープ内に含めるべきか。
各チームで議論が行われ、さっそく開発ボードに挙げられていきました。
実際、やってみてどうだった?
Senseiのみなさまの声 💌
参加者へ依頼した事後アンケートの満足度は88%。「また参加したい」という回答はなんと、100%!フリーコメントでは、このような声をいただきました。
- 1つの機能に絞ったセッションだったので、より詳しい具体の話ができてよかったです。 新機能のリリースの話だけではなく、現状の機能に関する質問や要望もお話ができました。 他社の方が話す用途や質問から、自社でもこんな使い方ができそうという気付きもあり、有意義でした。
- 中の方々とお話ができて、今回の改善だけでなく、今後の改善予定を知ることができたのはとても有益でした。
- 今回参加させていただいて一番収穫だったことが(主旨と少しずれてしまうのですが)、他の企業様が抱えている悩みや、こんな機能がほしかった、といったことを伺えたことでした。ある意味その悩みは弊社の業務改善のカギであったりするのではと感じてメモをとったりしておりました。 どこのROOMだか失念してしまったのですが、「この機能について、他社ではこんな使い方をしているというのをランキング形式で出せないか」というアイディアの意見を出されていた方がいらっしゃいました。これは一例ですが、このような形でなにか共有できるツールや場があればありがたいなと感じました。貴重な機会をいただきましてありがとうございました。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
- 本当は全機能聞きたかったから3にした。
Sensei同士でもお互いの運用や操作について発見が生まれていたことが感じられますね。どんな風に受け止められるのか、ドキドキしながら開催したため、とてもホッとするコメントが集まりました!
良かったこと 🤩
- 実際のユーザーならではの使い方や気付きを知ることができた
- 未実装・未公開機能を事前に多くのユーザーに見てもらうことで、より早いタイミングでのフィードバックループが生まれた
- 当初想定していた以上にたくさんのユーザーに参加してもらえた(計32名!)
- 開発チームがたくさんのSenseiと会えたことが嬉しい!
気付いた課題 🤔
- 当日にZoomの設定がうまくいかず、開始前に手間取った
- ブレイクアウトルームがホストにしか見えない問題が発生
- 原因:ルームの開放ができていなかった
- 解決:「すべてのルームを開ける」ボタンを発見、参加者にブレイクアウトルームを開放
- ブレイクアウトルームがホストにしか見えない問題が発生
- 充分なフィードバックを得るには、1枠25分のレビュー時間は短すぎた
- 自己紹介など、コミュニケーションを取りやすくする余白が欲しい
- 機能操作してもらうのに精一杯、もっと自由に触ってもらう余裕が欲しい
- たくさんのユーザーに参加してもらえたが、レビュー対象の機能への興味・関心の濃淡が大きく、深いフィードバックが受けにくい回があった
- ユーザー自身の情報(どんな使い方をしているか、等)をもっと知る機会が欲しかった
- ユーザー自身のZoom慣れが事前にわからないので、画面共有などに手間取ることがあった
課題も多く見つかりましたが、どれもまずはやってみなければ分からなかったこと。とても有意義な結果となりました。
プロダクトの成長に積極的に協力してくださるSenseiのみなさまは、プロダクトにとってかけがえのない存在です。そもそも、これだけ多くのSenseiにレビューに参加していただけるのも、普段カスタマーサクセスチームがユーザーと深い信頼関係を築いてくれているからこそ、ということも強く実感しました。
今後は、より深いフィードバックを受けるための取り組みと、Sensei同士がSmartHRの機能活用を学び合うための取り組みで目的を分け、さらに進化したレビュー方法に取り組んで行きたいと考えています。
We are hiring!!
SmartHRでは、ユーザーファーストのプロダクト開発を大切にしています。SaaSって、ユーザーと接点持ちづらいんじゃないの?と思ったそこのあなた、もっともっとユーザー接点を増やし、プロダクトフィードバックを回していく仕組みを一緒に作っていきましょう! ユーザーとともにあるプロダクトづくりをしたい方、ぜひご応募ください!!
◆エンジニア採用HP
◆PdM採用HP