こんにちは! UXライターの@aguringoです。Tech Blogには、アジャイルコーチの豊田さんのインタビューぶりの登場です。
今回は、SmartHRで一番新しい有料オプション機能「人事評価」のチームで取り入れているテスト、通称「ロープレ」についてご紹介します。(【PR】この開発チームでのUXライターについて、先日noteを公開したので、こちらも読んでいただけるとうれしいです「0→1フェーズのプロダクト開発における、とあるUXライターの働き方」)
ロープレってなに?
ロープレとは、正しくは「ロールプレイテスト」と言います。その名の通り、役割になりきってプロダクトを使用してテストすることです。
人事評価チーム*1では、サービス提供開始前にこのテストを実施しました。
人事評価機能は、評価業務の負担を軽減するアプリケーションです。
ざっくり言うと、
- 人事担当者が、評価に使う評価シートを作る
- 評価対象者や評価者が、従業員ごとの評価シートを使って評価をする
- 人事担当者は、評価に遅延がないか見守る
という使い方をします。
この一連の業務に登場する役割をチームメンバーで分担して、実際にプロダクトを使ってみるのが、ロープレです。
ロープレの目的とは?
人事評価チームには、この取り組みをリードしてくれたQAエンジニア tanoさん謹製の「ロープレの手引き」というドキュメントがあります。
そこには、
目的
実際の評価業務全体を通して、人事評価機能の品質に懸念や問題がないかを確認する。
副次的な効果として、プロダクト理解をより深め、問い合わせ対応をチームの全員ができるようにする
と記されています。
人事評価機能は、業務サイクルが一巡するまでに要する時間が、SmartHRの中では圧倒的に長期に渡るプロダクトです。そのため、ユーザーからのフィードバックの収集も比較的時間がかかるのではないかと想定しています。
そうした観点からも、自らロールプレイをしてユーザーの体験をなぞって確認することは、とても大切でした。
人事評価のリリースに備えたロープレには、これまで幾度となくレビューに参加してくれたSmartHR社の人事、カスタマーサポート、カスタマーサクセスからも、有志が参加してくれました。
ロールプレイテストの進め方
では、実際にロープレの準備と実施について、私たちがやったことを紹介します。
前提として、ロープレをするためのSmartHRを用意し、従業員情報を登録しておきます。
人事評価をするには、従業員がきちんと階層になっている部署に所属していて、上長や部下といった構造がある方がホンモノらしさが出るので、ヘルプセンターのキャプチャ用に作成された架空の会社、株式会社スマート&ヘルプの従業員のみなさん*2をインポートしました。(従業員情報のダウンロードと一括登録使いこなしていますか?)
1. ロープレの準備
- 参加者に役を割り当てる
- SmartHRの従業員情報を、参加者のアカウントに紐づける
- 気づきメモを集める場所を用意
2. ロープレの開始
- 触りながら気づいたことはどんなことでもいいのでメモをする
- 評価業務の準備
- 人事担当者
- 評価シートを作成する
- 評価の進捗を管理する評価プロジェクトを作成し、スケジュールなどを設定する
- 人事担当者
- 評価開始後
- 人事担当者
- 進捗を確認する
- 評価タスクの変更などいろいろ操作してみる
- 従業員(評価対象者・評価者)
- 通知を受け取り、タスクを進めていく
- 評価シートに入力する
- 差し戻ししたり、いろいろ操作してみる
- 人事担当者
3. ロープレの振り返り
- 気づきメモをみんなで見ながら、振り返りをする
- 必要に応じて、改善を起票する
多くの場合、6か月間に渡って進んでいく評価業務を、私たちは1週間で1サイクルを終えるようにスケジュールを設定しました。
リリース前には、立て続けに2回実施しました。
2回目を実施するときには専用のSlackチャンネルも作成。2回目の人事担当者役は、ホンモノのSmartHRの人事(人事評価機能の導入担当)が担当してくれたので、Slackの告知もホンモノ感満載でした。
▲SmartHR社は、2022年上期から人事評価機能を利用します。その導入プロジェクトオーナーのrokumeguさんは、この後、社内の人事チームでも導入前のロープレを実施していました
みんなの感想を聞いてみた
ということで、感想を聞いてみました。
ロープレをやってみてどうでしたか?
pedyさん(PMM):管理者として利用する画面の操作性の課題はロープレ前から気づけていた点もありましたが、評価者を設定したり評価シートを配布した後に、課題に感じる点が手にとるようにわかりました。
ロープレによって気がついた改善点にはどんなものがありましたか?
ninomiyaさん(PdM):評価シートの入力必須設定と閲覧・編集権限設定は、もともと大変だろうとは考えていましたが、想像以上でした。ロープレで評価開始後にシートの設定ミスが発覚し評価を中断するという出来事をきっかけに、必須項目と閲覧編集権限設定のバリデーションを入れられたのは良かったです
ykarakitaさん(PdE):評価者として評価対象従業員一覧に表示する情報を追加もしましたね。
hikitaさん(PdE):そうそう、評価対象者一覧に担当者の名前が表示されていないと、今、自分がやるんだっけがわかりにくかった。
▲「わかるようにしたい」と言って、15分後には改善してみている「早いほうがカッコいい」を体現するhikitaさん。
今回、気づいたことをSlackで発言するとその日のうちに誰かが改善を実装しているという爆速サイクルも生まれましたよね。
tanoさん:リリース日という圧力はありましたよね。でも、それができたのは普段から小回りのきく爆速開発に意識して取り組めていたことが大きかったと思います。
pedyさん:Employee First. にまだまだ遠い!という衝撃??
ykarakitaさん:プロダクト愛ですね。
開発時に触っているのと、ロープレで得られる使用感との違いは?
ykarakitaさん:開発中は、作成するデータなどがどうしても実際とは異なるので、ロープレ用に整備された環境を触るとまた違った見え方になりました。評価シートの項目が多いと見えづらいし、エラーが出たらそのフォームの場所を探すのが難しいんだなということにも気づきました。
hikitaさん:動作確認は、機能するかという目線で、機能単位での動作を見てるんですよね。
ロープレだと具体的に何かしらの業務目標を達成しようとして触るので、全体的な体験を感じることができたり、足りない機能や情報も意識できました。
ロープレで大変だったことはありますか?
tanoさん:当初はみんなに触ってもらう時間を1日あたり15分〜30分程度にしたいと思っていたけど、無理でした… 想像以上に時間がかかりました。
ninomiyaさん:管理者役をやったのが想像以上に大変でした。評価テンプレートの作成も大変でしたが、従業員からしっかり評価を回収しなければならない。機能としてリマインドは用意していますが、担当者さんの気持ちがわかりました。
tanoさん:業務体験以外だと、発見が大盛でそれを整理するのも大変でしたね。結局、PdMに任せきりになってしまったのは反省です。
「ロープレやろうぜ!」と言ってくれたのはtanoさんでしたが、どういう狙いがあったんですか?
tanoさん:普段は仮説や検証の結果から作られたペルソナを意識してテストなどをしていますが、ロープレは参加者各々のメンタルモデルに基づいて実施することで、より細かい部分にまで目が行き届くのではないかと考えていました。
ペルソナによるテストがある程度終わった段階でロープレをやることで、プロダクトをもうひと磨きできそうと思って取り組みました。
各自が手応えを感じたロープレ。今後は、どんな風に取り入れていきたいですか?
pedyさん:リリース1ヶ月くらい前にはロープレ&振り返り→爆速改善→ロープレ&振り返り→爆速改善に専念したい!
uさん(プロダクトデザイナー):簡易ユーザビリティテスト以上ユーザービリティテスト未満。ユーザーリサーチ推進室に頼む前に、まずはチームでロープレしたい。
ykarakitaさん:大きく機能が変わるときや、新しいメンバーが入るタイミングなどでできるといいかも。
tanoさん:ひとつは、大きなフィーチャーを検討するプランニング前や実装後のテストのタイミングで実施していきたいです。ロープレの形式にはこだわらず、適宜形を変えてやってもいいと思っています。例えばプランニング前にやるケースだと、評価計算をスプシとかで実際にみんなで作ってみたりすると仕様レビューの解像度が上がると思います。
あとは、ロープレのもう一つの効果として、プロダクト理解が深まるということがあると思うので、お客様とやりとりするセールスやカスタマーサポートのメンバーにも活用してもらえたらうれしいですね。
メンタルモデルを想像するより、なりきるのが早い
「ユーザーのメンタルモデルを想像してプロダクトを作る」
これは、UXライターの私は日頃から強く意識をしているのですが、メンタルモデルは、それぞれが持っている"思い込み”、"自分にとって都合が良い願望"のような無意識から作られるものなので、口で言う以上に、ユーザーのメンタルモデルを想像するのは難しいです。
私は日頃、ヘルプページ作成業務で操作手順を文章にする機会を意識の切り替えに利用していますが、仲間を巻き込んで「ごっこ」をしながら視点の切り替えが自然とできてしまうロープレには、「その手があったか!」と衝撃を受けました。
しかも、開発チーム全員が同じ時間軸で同じ体験をしているので、ロープレ中に起きた使いにくさが、チームのイシューになりやすく、改善案も実装スピードもより良い状態になっていたという印象があります。
人事評価チームは、ロープレ実施後に新しいPdEが仲間入りし、改めてチームビルディングも進めています。ちょうど今、新メンバーのプロダクト理解の助けになればと、ロープレを実施中です。
これからも、こうしたチームでの取り組みを重ねて、よりよいプロダクトづくりをしていきたいと思います!
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