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エンジニアからPMに異動してみて実際どうですか? 〜異動からみえるSmartHRにおけるPMの役割〜

はじめに

みなさんこんにちは。SmartHR 採用担当の 日永 (@hina)です!

この記事では、2018年12月にSmartHRにエンジニアとして入社し、2022年1月にプロダクトマネージャー(以下PM)に異動した疋田さんについてご紹介します。

プロダクトの開発に携わる職種は様々ありますが、その職種間で異動をした疋田さんのお話をきっかけに、SmartHR の開発体制やその中でのPMの役割の実際についてお伝えできればと思います。 また、「エンジニアからPM」など、異職種への転換について気になっている方に向けても、少しでも参考になれば幸いです!

では、ここからは疋田さんへのインタビューです。

疋田 駿(@h1kita): これまで、SIerやスタートアップでエンジニアとして複数のプロダクト開発を経験。 2018年にSmartHRにプロダクトエンジニアとして入社し文書配付機能の開発を担当。その後、PM兼エンジニアとして従業員サーベイ、人事評価の立ち上げを行い、2022年1月からはPMグループに異動。 現在は人材マネジメント領域全体のPMを担当している。

SmartHRに入社してから、エンジニアとしての役割

日永:今日はよろしくお願いします!

疋田:よろしくお願いします!

インタビューはZoomで実施しました(PMはフルリモート勤務が可能です!)

日永:今回のインタビューでは、疋田さんがエンジニアからPMに異動をされた経緯や、異動したその後について色々とお伺いさせてください! まず最初に、異動前、エンジニアとしてはどのような開発に関わっていたのか教えてもらえますか?

疋田:はい。私は2018年12月に入社しSmartHRに在籍して約3年4ヶ月ほど経つのですが、異動するまでにどういったプロダクトにどういった役割で携わってきたかについて説明しますね。

最初は、オンライン雇用契約・文書配付を開発しているチームにエンジニアとして参加しました。 そこでは、スクラムチームのメンバーとして機能開発や運用、途中からは開発チーフという形でメンバーのマネジメントも行っていました。仕様やロードマップなどはチームで議論する文化もあり、エンジニアも積極的に参加するような環境でした。

その後、会社として従業員サーベイというプロダクトの立ち上げを行うことになったのですが、当時CTOで私の上長だった芹澤さん(現CEO)の推薦で、エンジニア兼PMとして関わらせてもらいました。これが私のキャリアの中で、初めてPMとして携わったプロダクトでした。従業員サーベイの立ち上げを行った後、人事評価のプロダクトの立ち上げも担当することになり、こちらもエンジニア兼PMとして担当しました。

  • エンジニア兼PM時代のインタビューもぜひお読みください!

tech.smarthr.jp

立ち上げていた2つのプロダクトはいずれも人材マネジメント領域のプロダクトで、その流れもあり、2022年からはPMグループに異動し、人材マネジメントユニットのPMチーフを担当しています。

日永:はじめてPMを兼任し、新規プロダクトの立ち上げを担当されていたということに驚きました!こういった、職種を超えた兼務は他の方でも事例をお伺いすることがあるので、肩書きにとらわれずプロダクトチーム全体で開発に関わっていることを感じます

ということは、疋田さんの場合は、2022年1月にPMグループに異動したのも自然な流れだったのでしょうか?異動したきっかけについて教えてください。

PMへのスペシャルオファー

疋田:プロダクトエンジニアグループからPMグループに異動するきっかけになったのは、こちらも当時私の上長だった芹澤さんからの提案でした。1on1のときに突然「疋田さんにスペシャルオファーがあります」って言われて、PMグループに異動して人材マネジメントユニットのチーフをやってみないかというお話をいただいたのがきっかけでした。その後、VPoPの安達さんとお話する機会もいただきました。

人材マネジメント領域について少し補足しておくと、SmartHRには現在、労務領域、人材マネジメント領域、プラットフォーム領域の大きくわけて3つの領域があり、それぞれの領域の中に複数のプロダクトが存在しています。SmartHRは祖業である労務領域から始まり、そこを育てていく中で企業における人事データベースとしての基盤ができてきました。その人事データベースを人事領域にまで拡張し、活用できるようにすることで、従業員が働きやすく、ポテンシャルを発揮できるような組織づくりを支援するのが人材マネジメント領域になります。

人事データベースにありがちな三大疾病 (= ばらばら・ぐちゃぐちゃ・まちまち )も、SmartHRを導入することで基盤が整い、スムーズに活用・人材マネジメントの促進を実現できる様にプロダクト開発を行っています
(参照元:SmartHRで始める人材マネジメント

日永:ありがとうございます。SmartHRをさらに広げていく領域のひとつである、人材マネジメントを担当するPMのチーフとしてのスペシャルオファーがあったんですね! その時、疋田さんはどう受け取りましたか?

PMへの異動に対する期待・不安

疋田:最初はびっくりしましたし、実はけっこう悩みました。 ただ、これまでPMをちゃんとできているか不安を抱えながらやってきていたので、純粋に嬉しい気持ちもありました。

これまでPMを兼務する形でやってきて、すごく楽しさややりがいを感じていましたし、人材マネジメント領域にはこれまで全体を専任で見るPMが不在だったこともあり、そこを担うことで、もっと総合的にユーザーの体験を考えて価値を届けられるようになりそうと思いワクワクもしました

一方、これまでずっとエンジニアという肩書でやってきていて、それがキャリアとして一度なくなるということと、自分が本当にできるのかという不安がありました

ただ、数日考えてみて、受けない理由を探すと不安がほとんどで、やってみたい気持ちがあることに対して、そういった理由で断ったらきっと後悔するだろうなと思い、最終的には悩んでもしょうがない将来のことは、将来考えようと思い、思い切ってやらせてもらうことにしました。

あと、これまで従業員サーベイや人事評価を一緒に立ち上げてきたPMMの重松さんが、先にPMMとして人材マネジメント領域全体を見ていたのも、後押しになりました。

思い返してみると、初めて転職するときも、初めてPMという役割を任されたときも、似たような感情だったと思うので、私は新しいことを始めるときは毎回似たような感情になるような気がしますね。いつも始めるときは、最終的には、まあ考えててもわからないし、やってみてから考えようって思うことが多いです。

日永:そうだったんですね。ずっとエンジニアという肩書きでやってきたものの、異動することでそれが無くなってしまうのでは、という不安はとても分かります。 他の職種でも同じですよね。 実際に異動して数ヶ月経った今、この不安についてはどうですか? 将来的に、もしもエンジニアに戻りたいなと思った時に、戻れるイメージはありますか?

疋田:もちろん不安になるときはあるのですが、決めた以上、あとはもうやってみるしかないので今は前向きに取り組めています!

将来的にエンジニアに戻れるかというと私もわからないのですが、もちろん選択肢の1つとしてはありますし、その時は戻れるといいなと思います。

PMもエンジニアもあくまでプロダクトづくりにおける役割の違いだと思いますし、私はどちらも楽しいと感じているので、できることならどちらもやっていたい気持ちはあります

ただ、どちらも中途半端な状態になってしまうと、それぞれ専門職がいる環境においては、あまり価値が出しにくい人材になってしまうと思うので、どちらに対しても専門性を持てるくらいに取り組みたいなとは思ってます。 プロダクトや組織の規模、フェーズによって違うとは思うので一概には言えませんが、複数の専門性を持てるようになることで、スピーディーに意思決定して物事を進めたり、両方を深い視点で捉えて最適解を出すことができるようになってくるんじゃないかなとは思っています。

日永:ありがとうございます。元からPMを兼任されていたということで、自然な流れで異動されたのかなと想像していましたが、異動されるにあたって不安に思われたことや悩まれた点、それを踏まえて覚悟をもって決められたことが伝わってきました。

それでは次に、異動後のことをお伺いしたいのですが、エンジニアの時とどれくらい・どのように変わりましたか?

PMに異動して変わったこと・変わらないこと

疋田:どれくらいと言われるとちょっと難しいですね。もちろん責任範囲や取り組む内容に変わった部分はありましたが、ガラッと変わったわけではなかったかなという印象です。

SmartHRではPMもエンジニアも開発チームとして協働し、ユーザーにプロダクトを通して価値を届けるという活動を行っているのですが、そのプロセスにおける責任範囲や専門性が役割によって異なります。ざっくりいうと、PMは何を作るのか、なぜ作るのかということに責任や専門性を持っていますし、エンジニアはどうやって実現するかや実際にプロダクトとして届けることに責任や専門性を持っています。

ただ、実際には責任や専門性は持ちつつも、活動自体は完全に分離されているわけではなくグラデーションがあり、開発チームが相互に連携し、意見を出し合いながらプロダクトづくりを進めていて、いきなり大きく変わったという印象はありませんでした

SmartHR はフィーチャーチーム体制で開発を行っています。コンポーネントチームとは異なり、専門領域での役割を果たすことを目的としていないため、プロダクト単位でフィーチャーチームが構成され、チーム内で各職種が機能横断的に開発に関わっています。
(参照元:フィーチャーチームについてまとめてみた

とはいえ、仕様を考えて実装、運用するといった時間が減り、ユーザーヒアリングやデータ分析を通して、ユーザーやプロダクトの現状、将来について考え、プロダクトの方向性や次に取り組むものを決めるといったことに費やす時間が増えたかなと思います。

日永:疋田さんの場合は、異動前から兼任をしていたということで、はっきりとした境目があるということではなく、比重が変わった、ということですね。この辺りはフィーチャーチームを取り入れている環境ならではかもしれませんね。 それでは、実際に異動を経験された疋田さんからみて、SmartHRの場合、こんなエンジニアの方はPMにマッチするのでは、という点を教えてください。

SmartHRのPMに求められること

疋田:もちろんPMとしてのスキルはいろいろあると思うのですが、SmartHRのPMにおいて大切なのは、「ユーザーの抱えている課題を理解し、原因や解決方法の仮説を論理立てて考え、地道に検証を積み重ねていけること」と「プロダクトの方向性を示し、それに向けてプロダクトやプロセスを改善していけるチームをつくっていけること」かと思います。

開発チームで協力しながらプロダクトづくりをしていて、ソリューション以外にも、なぜその問題を解こうとしているのか、ユーザーはどういった業務を行っていて、何が根本的、構造的な問題なんだろうということに好奇心を向けられる方、そこにオーナーシップを持って取り組んでいきたいという方はSmartHRのPMも楽しめるんじゃないかなと思います。

日永:スキルはありつつ、志向性や楽しめるか、という点もとても大事であることがよく分りました。

では最後に、今後、疋田さんがPMとしてやっていきたいことを教えてください!

エンジニアとしての経験を活かして今後やっていきたいこと

疋田:今後SmartHRでやっていきたいことは2つあります。

まず1つは、人材マネジメント領域全体でプロダクトが提供できる価値を高めていくことです。ぞれぞれのプロダクトは信頼できるPMが担当しているので、僕はどのチームも担当できていない落ちてしまっているユーザー課題や、プロダクト同士が連携することで出せる価値などを考えつつ、人材マネジメント領域のチームが同じ方向を向き、チームの力を結束して、ユーザーに価値を届けられるような組織やプロダクトをつくっていきたいと思っています。

もう1つは、SmartHRのプロダクトがもっと連携して価値を提供できるように、人事データベースを強化していくことです。現状、各プロダクトに分散してしまっているデータがあったり、構造上扱うのが難しくなってしまっている従業員情報なども存在しています。アーキテクチャや技術的な解決策も踏まえて検討しつつ、SmartHRの成長を止めず、加速できるようなデータ基盤を作っていきたいです。これは、私のこれまでやってきたエンジニアとしてのバックグラウンドが活かせる分野なのかなと感じています。

日永:バックグラウンドであるエンジニアでの経験を活かしていける点は疋田さんならではの強みですね!今日はインタビューにご協力いただきありがとうございました!

疋田:こちらこそありがとうございました!

とっても楽しいインタビューでした〜!

おわりに

SmartHRの開発においては、自分の職種の職務内容だけを担当するだけではなく、各人が専門性・強みを持ち寄りつつも、領域を越えてプロダクト開発に関わっていることや、価値を届けるために最適な体制を作り続けているということが改めて分かりました。

また、職種にこだわらずチームとして開発を行っている環境ではありますが、疋田さんにお話をお伺いすることで、実際に異動するとなった際の不安・悩みもあったということで、領域を広げるためには、環境だけではなく、ご本人の覚悟・努力が必要であることも感じることができました。

どの職種の方にとっても、新しい役割にチャレンジするということは楽しさも不安もどちらもあると思いますが、今回の疋田さんのお話が参考になれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました!

また、SmartHRではPM、エンジニアともに積極採用中です! 少しでもご興味ありましたら、まずはカジュアル面談からでもスタート可能ですので、ぜひお話ししましょう。

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