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アジャイルに関する知見や悩みを共有する場を設けて早2年半

この記事は SmartHR Advent Calendar 2022 の11日目です。

日曜日をいかがお過ごしでしょうか。プロダクトマネージャの岸(@kissy)です。人生で初めてのアドベントカレンダー参加です。

私はプロダクトマネージャ業に勤しむ傍ら、「アジャイル推進室」でも活動しています。「アジャイル推進室」とは、「SmartHRをよりアジャイルな組織にしていきたいぞい!」という想いを持った有志のメンバーで運営しているコミュニティです。

tech.smarthr.jp

そんなアジャイル推進室は週に一度、「アジャイルに関する知見や悩みを共有する場」、通称「アジャイルやっていきの集い」を開催しています。この集いを開催し始めてから早2年半、参加してくれているメンバーのおかげもあって、これまで話されたトピックはなんと222件!(2022年12月現在)

有志でコミュニティを運営し、定期的に情報交換の場を設けている企業・組織も多いかと思います。そこで本記事では、SmartHRの「アジャイルやっていきの集い」とは具体的にどういう場なのか、どのように運営し、どういうことを話しているのかについてさらっと紹介します。

こんな人に読んで欲しい

  • 社内で何かしらのコミュニティを運営している方
  • アジャイル、スクラムに興味のある方

「アジャイルやっていきの集い」とは

前提として、SmartHRは顧客向けにはひとつのプロダクトに見えますが、内部では複数のプロダクトに分かれており、いわゆるマルチプロダクトの体制になっています。プロダクトごとにチームが別れ、多くのチームがスクラムを採用しています*1。そのような状況なので、「プロダクト横断でアジャイルやスクラムに関する知見や悩みを共有する場を設けて、そこで互いに学びあえたらいいよね」という考えのもと「アジャイルやっていきの集い」という場が作られました。

  • 会の名前:アジャイルやっていきの集い
  • 開催日時:毎週木曜14:00〜14:30
  • ファシリテーション:アジャイル推進室メンバーでローテ
  • 参加者:誰でもOK
  • 会の進め方:トピック(誰でも持ち込み可)をもとにわいわい話す

アジャイル推進室メンバーも含めて大体15人〜30人程度の方が参加しています。参加人数にはバラツキがあるのは、興味のあるトピックのときのみ参加するメンバーもいるためです(そういう方もウェルカム!)

こんな感じで会が始まる前に当日のトピックを周知しています。

どんなことを話しているのか

  • さらっとした共有・雑談
  • お困りごと相談コーナー
  • 今週の業務トピック

という大きく3つのジャンルから毎週トピックを募集しています。

トピックの粒度や内容は様々で、例えば、どのように日々スクラムを行っているのかを情報交換をしたり悩みを共有するものもあれば、ツール類のTipsを共有したり、カンファレンスで発表されていた資料を使って感想戦をやったり、チームで取り組んでいるプロセス改善やチーム自慢を共有したり。

これまでに話されたトピックタイトル抜粋すると、

- 受入条件ってどんな感じで書いていますか?
- スプリントゴールってみんなどうしてる?
- ベロシティについてモヤモヤしていたこと
- 色んなチームのスプリントレビューのやり方を知りたいぞい
- スプリント外のタスクは、どうやって管理していますか?
- Jira で子タスクが動いたら親タスクの status を変更するようにしてみました
- とあるお客さまのプロダクトの使い方の解像度を高める会をやったので共有するよ
- プロダクトエンジニア中心に、チーム全員でユーザビリティテストのシナリオを作ったら最高だった
- 1週間MTGとチームタスクやらずに開発だけしてみた結果についての考察
- フィーチャー開発とヘルプページ作成を同時並行で進めている話
- オンボ動画見るのおもれ〜
- やろうよ Working Out Loud

よく盛り上がるのがスクラムの具体的な進め方に関する議論です。チームごとにやり方がかなり異なるので、新たな気付きを得ることができ、会の終わりにさっそくチームに持ち帰っているのをよく見かけます(いい話)。

直近12/8(木)に開催した集いでは、@ryuzee さんのプロダクトバックログ DeevDiveの感想戦を実施しました。

運営Tips

情報交換やスキルアップを目的とした場は、悲しいかな、油断をすると開催自体スキップされがちで、結果、なし崩し的に消滅してしまうことは少なくありません。「あってもいいけどなくてもいいもの」であり、目の前の業務のほうが優先だからです。

「アジャイル推進室」としても頭を悩ませつつ毎週運営しているのですが、現在やっている取り組みの中で「これは役に立っていそう」という小ネタを最後に紹介したいと思います。「こういうやり方もオススメだよ!」っていうものがあればぜひ教えて頂けると幸いです。

Slackスタンプでトピックを収集する

「アジャイルやっていきの集い」でぜひ共有して欲しい投稿を見つけたら「ア集で」スタンプを押すことで、専用チャンネルに通知が飛ぶようにしています。

決して共有を強制するものではなく、トピックとして持ち込むかは当事者次第なのですが、この仕組みがきっかけで「せっかくだからアジャイルやっていきの集いで話してみようかな?」と思ってくれた人がいるとかいないとか。

実際の発表の有無によらず、日々各チームで行われる良い取り組みを受動的に知れるだけでもありがたいですね。感謝。

会の模様はSlackに実況してもらう

オンラインミーティングで話す際にもどかしいのが、聞いている人からの反応が分からりづらいこと。会の途中からでも興味ある内容であれば参加しやすくするのも兼ねて、今話していることやリアクションはSlackに実況してもらうようにしています。Slackが盛り上がりすぎて「肝心の話を聞いてないのでは?」ということがしばしば。

最後に

「アジャイル推進室」の他にも、SmartHRにはプロダクト横断で行っている交流の場がいくつもあります。組織の規模は拡大の一途をたどりますが、普段密に関わっている自分のチームだけでなく、隣のチームがどんなことをし、どんなことに悩んでいるのかを知っているだけでも見える景色が違うと思うので、自律駆動で成り立っているこのようなコミュニティはこれからも大事にしていきたいですね。おわり。

明日の SmartHR Advent Calendar 2022 は同期の @aguringo です! そして、いつもの。

open.talentio.com

*1:どのように開発を進めるかもチームに委ねられており、プロダクトの性質やチームのフェーズなどを鑑みて、スクラムを採用していないチームももちろんいます。