こんにちは!プロダクトエンジニアの mktakuya です。
みなさんゴールデンウィークはいかがでしたか?私はカレンダー通りでしたが、来週いっぱいお休みをいただいてシン・ゴールデンウィークをやる予定です。
2025年4月、SmartHRに新卒0期生が入社してくれました。
入社してくれたのはプロダクトエンジニア5名・プロダクトデザイナー3名の合計8名でした。
とても嬉しいことに、私が所属するチームに新卒プロダクトエンジニアが配属されました。
そして、私は彼のメンターを担当させていただくことになりました。
この記事では SmartHR において新卒エンジニアの受け入れがどのように行われているのか、メンターの視点からお伝えしたいと思います。
これから新入社員のメンターを担当される方や SmartHR への応募を検討されている新卒エンジニアの方々にとって参考になれば幸いです。
従業員ポータル開発チームについて
まずは私の所属する従業員ポータル開発チームについて説明させてください。
従業員ポータル開発チームでは、「すべての従業員へあらゆる業務の入口とタイムリーな情報共有を」をスローガンにホーム画面やお知らせ機能を開発しています。
私達のチームは、3月までチーフとメンバー2人の3人体制でした。4月から新卒メンバーが加わった4人体制になりました。
利用技術は React / Ruby on Rails と、 SmartHR では鉄板の構成です。
スクラムといった特定の開発フレームワークは導入しておらず、カンバンベースのタスク管理と毎日の朝会、週一度のチーム定例をベースにプロダクト開発を進めています。
メンター業について
私がメンターに指名されたのは3月半ば。チーフから伝えられたメンターの期待値は下記の通りでした。
- 心理的安全性の確保
- 新入社員が質問しやすい環境を作る
- 「失敗しても大丈夫」という文化を伝え、挑戦しやすい状態を作る
- 定期的な1on1で悩みや困りごとを聞いて支えになる
- 成長のサポート
- 短期・中期的な成長目標を一緒に考える
- 振り返りや1on1を通じてフィードバックを行い、改善のサイクルを回せるようにする
- 新しい技術や学習リソースを紹介したり、自律的な学習を促す
- 技術面でのサポート
- コードレビューを通じて技術的なフィードバックを行う
- 開発環境のセットアップや業務で使うツールの使い方を教える
- チームのコーディング規約や設計方針を伝える
- 疑問や詰まったときに相談に乗り、適切な情報を提供する
- 業務の進め方のサポート
- プロジェクト・ユニットの理解をサポートする
- タスクの進め方やツールの使い方を教える
- スプリントや振り返りなどの開発プロセスを理解してもらう
- 「何を優先すべきか」や「どこまでやるべきか」の判断基準を伝える
- 会社・チーム文化の共有・サポート
- チームの価値観や行動指針を伝える
- 他のメンバーとの関わり方やコミュニケーションのコツを教える
- 業務上必要な関係者との関係性を構築するためのサポートをする
- 社内の情報共有の方法(同期・非同期コミュニケーション、ドキュメント管理)を教え、支援する
成長のサポートなど一部の期待役割はチーフと被る部分もあります。新卒メンバーにとっては心強い体制であり、またメンターにとっても他人の成長の責任の一端を担う良いチャンスだと思っています。
チームへの受け入れでやったこと・工夫したこと
新卒メンバーは入社初日からチームに配属され、人材育成チームによる研修と並行して配属チームでの業務も開始します。(大変!)
SmartHR全体・技術統括本部全体のオンボーディングのあと、どのような受け入れを行うかは配属チームに任されています。ここでは、私達のチームへの受け入れでやったことの一部をご紹介します。
- オンボーディングドキュメント(TODOリスト・開発ガイドなど)の共有
- メンター1on1の実施(毎週)
- ショート1on1の実施(毎日)
- チームメンバーとの交流1on1の実施
- オンボーディングタスクへのアサイン
- ペアプログラミングの実施
全体的に、コミュニケーション頻度・密度を高くして、一人で悩ませない環境づくりを心がけました。
メンター・メンティー間の1on1について、毎週30分の時間とは別に、毎朝15分のショート1on1を設定しました。 いずれも目的はメンティーの成長角度を最大化することですが、ざっくり下記のような違いを設定していたつもりです。
- メンター1on1(毎週)
- 30分実施
- アイスブレイクと1週間の振り返り
- 中長期の目標や理想について話す
- コーチング主体
- ショート1on1(毎日)
- 15分実施
- 昨日の振り返りと今日やることを話す
- 困っていることがあればその解決方法へのポインタ(知ってそうな人やドキュメントなど)を示す
- どちらかというとティーチング寄り
また、オンボーディングタスクのうちの最初の1〜2個はペアプログラミングで実施しました。
ペアプログラミングを通じて、従業員ポータルのコードベースの歩き方や Pull Request を出すまでの作法を身につけていただければという意図です。
SmartHR のプロダクト開発組織は基本的にフルリモート前提で業務が回っていますが、一部の研修は東京オフィスへの出社が必須なものもありました。この日に合わせて私も出社し、オフラインでのペアプログラミングやちょっとした雑談の時間もとるようにしました。
1か月のふりかえり
まだ始まって1か月ですが、メンター・メンティー間での関係性について2人で振り返りを行いました。
結果のサマリを下記に記載します。
Good: 同期的なコミュニケーションを利用して受け入れの効率を上げられたこと
朝会前のショート1on1やペアプログラミングといった同期的なコミュニケーションの機会を多くつくったことについて良いフィードバックをいただけました。早期に信頼関係を構築し会社やチームに適応していく速度の向上に貢献できたのではと思っています。
また、ある程度慣れてきた段階で非同期・テキストベースでのコミュニケーションをしていくようなコーチングも行ってみました。入社初期の「誰に何をどう聞いていいかわからない」状態のサポートは同期的に行うことによって、結果的に非同期コミュニケーションの質を高められるのではないかと思っています。
Good: メンティーだけでなく、まわりのメンバーも良い刺激を受けられたこと
新卒メンバーに限らずですが、新メンバーが会社やチームに適応しアウトプットをつくっていく姿からはとても良い刺激をもらえます。
特に私のメンティーの方は研修での学びやタスクをこなす中での振り返りをいかに自身やチームの改善につなげていくかという意識がとても高いです。1on1の主役はメンティーですが、メンターであるこちらも良い学びを得られ、モチベーションが上がっています。
More: チケットや開発ガイドなど、ドキュメンテーション面での準備不足があったこと
同期的なコミュニケーションをうまく活用しオンボーディングの効率を上げられたと思う一方で、チケットや開発ガイドなどドキュメンテーション面での不備も目立ちました。
最悪だったのは、オンボーディングタスクとしておまかせしたバグチケットが既に別のフィーチャーのチケットで修正済みだったことです。幸い、他のメンバーの協力もあり代替のチケットをお渡しできましたが、「あれ、このバグ再現しないぞ……?」と余計な心配をかけてしまいました。
また、Pull Requestのタイトルのフォーマットやレビュワーアサイン時のルールなど、既存メンバーは従っているがドキュメントに記載のないルールの存在も浮き彫りになりました。
コミュニケーションの質と量を上げるのも大事ですが、ドキュメンテーションの質も上げていかないと不必要な躓きをつくってしまうのだなという反省がありました。
More: チームが追っているロードマップに紐づくタスクをアサインして良かったかもしれないこと
オンボーディングタスクとして用意したタスクは、いずれもロードマップ外かつ締切のない改善系の施策でした。研修との兼ね合いを考えてそういったタスクをお渡ししましたが、当初の想定よりも研修以外の時間が多く取れたため、1〜2個のオンボーディングタスクをこなしたあとはロードマップに紐づくタスクをお任せしてみても良かったかもしれません。
その方が、より早期に立ち上がりビジネスに貢献している、という実感が湧きそうです。
おわりに
ここまで、新卒メンバーのメンターとして1か月を過ごして感じたことをお伝えしてきました。
通常の開発業務に加えてのメンター業なので両立が大変なときもありますが、それ以上に得られるものが大きいと感じています。もう自分に染み付いてしまったコードの書き方や開発プロセスなどを言語化する必要があり、自身の理解も深まります。また、メンティーから新しい視点や考え方をもらうことも多く、良い刺激になっています。
これは誰ともすり合わせていない完全に個人の感想ですが、このまま26卒、27卒、28卒...と新卒採用が続いていって、3〜4年目のメンバーが新卒メンバーのメンター業をするというループが回っていくとステキなんじゃないかなと思っています。
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