SmartHR で給与計算機能の開発を担当しているプロダクトエンジニアの motsat と motty です。
現在、給与計算機能の開発には複数のチームが関わっています。本記事では、そのうちの1つである「給与ベイシスユニット」の役割や取り組みを紹介します。
給与計算機能の特徴と課題
給与計算機能は、SmartHRがクラウド人事給与基幹システムへの進化を目指す中で、重要な役割を担う機能です。
給与計算機能には、以下の特徴と課題があります。
- 計算の複雑さとスケール
- 100種類以上の給与項目を組み合わせた計算を、数千〜数万人規模の従業員に対して実行する
- 従業員数と項目数の掛け算で計算量が増加するため、パフォーマンスへの影響が大きい
- 高い可用性の要求
- 給与計算は月次の限られた期間で完了させる必要があり、システムが停止するとユーザーへの影響が大きい
- 複数システムとのデータ連携
- SmartHRプロダクトの基本機能・勤怠管理機能・年末調整機能からデータを取得して計算に利用する
- 連携元が多いため、データの流れや構成が複雑になりやすい

給与ベイシスユニットとは
給与ベイシスユニットは、上記の課題に取り組むために2026年1月に立ち上がったチームです。「ベイシス」(Basis)は「基盤」を意味し、給与計算機能の基盤部分を担うチームとして命名されました。
給与計算機能は、他のSmartHRプロダクトと比べてパフォーマンスや可用性への要求が厳しく、計算結果の正確性が求められる領域です。そのため、「信頼性」と「透明性」に特化したチームを設けています。
信頼性の面では、パフォーマンスや可用性の改善、権限管理などの統制機能に取り組みます。透明性の面では、監査ログの整備やシステムの状態が把握しやすい画面設計を進めます。直接的な計算ロジックではなく、ユーザーが安心して利用できる基盤の整備を担当しています。
給与ベイシスユニットの面白さ
給与ベイシスユニットには、ユーザーからのフィードバックが得られやすいだけでなく、自分たちが行った改善の効果も実感しやすいという面白さがあります。
パフォーマンス改善では、利用者数や計算量の増加を見越した検証や、計算処理のボトルネック特定と最適化を行います。ユーザーにとっては給与計算の作業時間短縮につながりますし、開発者としても成果が数値ではっきり見えるのが魅力です。実際にバックグラウンド処理の処理時間を大幅に改善したときは、チームで成果を実感できる瞬間でした。
信頼性の向上では、SLO(Service Level Objective:サービスレベル目標)の定義やモニタリングを整備し、異常に素早く気づけるようにします。障害やエラーの減少により、ユーザーは給与計算の締め作業を予定通り完了できます。また、開発者自身も、アラート検知時間の短縮やエラー率の低下など、改善結果を数値で確認できます。
さらに、複数システムから連携されるデータの流れや構成を整理する取り組みも進めています。複雑だった部分がすっきりと見通せるようになることで、ユーザーにとっても開発者にとっても改善を実感できます。
今後の挑戦
給与ベイシスユニットでは、給与計算機能を安心してご利用いただくために、いくつかの挑戦を予定しています。
パフォーマンス面では、バックグラウンド処理の並列化により速度改善を進め、大規模企業にも快適にご利用いただける基盤を整備していきます。
また、ユーザーが「いつ・何をすべきか」を迷わず判断できるよう、操作の目的と影響範囲を明確にする情報設計にも取り組んでいます。
おわりに
今回は、給与ベイシスユニットの役割と取り組みについて紹介しました。 私たちは今後も給与計算機能を利用される顧客にとって、安心してご利用いただけるシステムを目指して、引き続き改善に取り組んでいきます。
給与計算機能の開発に興味のある方は、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう!