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SmartHR の CRE チームに興味をお持ちの方へ

この記事は、SmartHR の CRE 領域にご興味をお持ちの方向けに、参考になりそうな情報をまとめたものです。

“CRE” というワードを初めて知った方や、SmartHR の CRE が他社のものとどう違うのかが気になった方、そして現在ご自身のエンジニアとしてのキャリアに悩みや迷いをお持ちの方にもご覧いただけると嬉しいです。

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SmartHR の CRE(Customer Reliability Engineering)について

IT・Web業界において “CRE” というキーワードはちらほら耳にするようになりましたが、「CRE とはこういうもの」というデファクトスタンダードのようなものは未だ確立されきってはおらず、CRE を擁する各社ごとに、その役割や位置づけ、背負っている期待などが異なっているのが現状であるように考えています。

そのため、ここでは「SmartHR は、CRE というものをどのようなものであると考えているか」について記載します。

2025年10月現在、SmartHR の CRE ユニットはプロダクトエンジニア2名(うち1名は CRE ユニットチーフ)という非常に小規模なチームですが、この2名は CRE ユニットの立ち上げメンバーでもあります。

そのうちの一人・現在プロダクトエンジニアであるCRE ユニットチーフは、「約10年のソフトウェアエンジニアとしての職歴」と「約10年のカスタマーフェイシング職種(セールスエンジニアやカスタマーサクセスマネージャーなど)としての職歴」を持つメンバーです。こうした経験から、「技術(エンジニアリング)を用いることで向上させることのできる “信頼性(Reliability)”」には、以下の2つがあると捉えています。

  1. お客様が、プロダクトそのものや私たちの提供するサービスに対して抱く “信頼”
  2. 「私たちが、お客様のことをどれだけ正確に把握しているか?」ということに関する “信頼性”

上記 1. のような信頼性は非常にシンプルでわかりやすく、一般的なものかと思います。お客様が安心して・安全にプロダクトを利用できること。また、プロダクトを取り巻く、お客様のご利用をサポートする様々なサービスに関しても、信頼されるものを提供できているか?という観点です。世の中の多くの CRE 組織も、これをミッションのうちの一つとして持っているのではないでしょうか。

一方で、2. については比較的ユニークな取り組みかもしれません。「私たちが把握している “お客様像”」の信頼性を高めることによって、以下のような活動の実現につながり、ひいては、事業にも大きく貢献できるようになるはずだ、というものです。

  • 「今、お客様はどのような課題を抱えているのか」「興味・関心を一番抱いているのはどのようなことなのか」を正確に把握した状態で、的確な提案活動に臨むことができる
  • 活用しきれていないプロダクトの余地(真価)があることへの気付きを与え、ROI の最大化に貢献する
  • お客様よりも先にエラーやその兆候を察知することで、プロアクティブなサポートの提供が可能になる

SmartHR のような SaaS ビジネスでは “カスタマーサクセス” が重要である、ということはこの記事の読者の方もご存知かもしれません。私たちの目指しているものや考え方は “カスタマーサクセス” と根幹を同じくしています。また、これらを実現するためには、高い技術力を適切に使い、適用していくことが求められることも、想像していただきやすいかと思います。

ソフトウェアエンジニアにカスタマーサクセスを任せたときに起こるもの」の実現を、SmartHR の CRE は目指していきます。

2つのロールの違いについて

SmartHR の CRE ユニットでは、今後その役割を大きく2つに分けて活動をしていきたいと考えています(2025年10月現在のロードマップに基づくものです)。

CRE(プロダクト改善)

上記の2つの “信頼性” のうち、「お客様が、プロダクトそのものや私たちの提供するサービスに対して抱く “信頼”」に貢献することを担うロールです。既存機能の運用・改修を中心として、設計・開発・運用フェーズを中心に、SaaSプロダクト開発と運用をリードする、というのがその概要となりますが、具体的な業務としては以下の通りです。

  • 問い合わせ対応
    • 仕様確認、不具合調査など、お客様やCS・セールスメンバーからの技術的な問い合わせに対応します
  • プロダクト改善
    • 業務を通じて得られた気づきなどをプロダクトに還元することで、同じ問題の再発防止を図ります
    • また、これを達成するために、設計・実装・テスト・レビュー・検証・リリースなど、通常のプロダクト開発に必要なことを横断的に行います
  • 自動化・効率化
    • SRE(Site Reliability Engineering)の文脈で言うところの "トイル" がプロダクト運用面でも散在しており、これの削減に取り組みます
  • 他部署連携
    • SmartHR のお客様にとっての最良は何か・そもそもどうあるべきか?を念頭に、CREユニットの一員として他部署とも積極的に連携していきます

このロールに関する詳細については、以下の求人票もご確認ください。

open.talentio.com

CRE(Observability)

上記の2つの “信頼性” のうち、「私たちが、お客様のことをどれだけ正確に把握しているか?」ということに関する “信頼性”」(Customer Observability)に貢献することを担うロールです。「SmartHR が把握している顧客像」に対する信頼性の獲得と向上を主眼に、データの収集と活用の推進をリードする、というのがその概要となりますが、具体的な業務としては以下の通りです。

  • 顧客関連データの収集と活用の推進
    • 現状では BigQuery や CRM ツール(Salesforce など)に各種顧客関連データが蓄積され、Looker や Redash などで利用・集計をしている状態です。この現状分析と活用の促進、あるべき姿の検討を Customer Obervability の観点で全社横断的に行います
    • プロダクトの活用状況や各種メトリクスのモニタリングにより、顧客に対してプロアクティブに働きかけを行うことを、その仕組み作りから取り組みます
  • AI活用促進
    • データ基盤に蓄積されたデータをAIを通じて活用しやすくするために、その仕組みの構築やそれに先駆けてのメタデータの整備などを行います
  • 他部署連携
    • カスタマーフェイシング部署の業務の状況を把握し、エンジニアリング視点で最適な支援が何かを検討し、提供します

このロールに関する詳細については、下記の求人票もご確認ください。

open.talentio.com

SmartHR の CRE の魅力とは?

ほかでもない、SmartHR の CRE に取り組むことの魅力には大きく2つあると考えています。

“CRE” という技術の確立に挑戦できる

前述したように “CRE” という専門性に関するデファクトスタンダードはまだこの業界で確立されきっていないなか、SmartHR の CRE はそのロールモデルとなるべく、社内外に向けての活動を深めていこうとしています。

“SmartHR の CRE” が、ゆくゆくは「CRE とはこういうものである」と認知されるに至る、その立ち上げフェーズに関わっていただけることは非常に魅力的なチャレンジであると考えており、またそのように感じられる方にこそ、一緒にこの挑戦をしていただきたいと思っています。

本当にそんなことができるのか?実現不可能なのではないか? そう思われる方もいるかもしれませんが、数少ない日本のユニコーン企業の一つであり、非常に大きな顧客基盤を持つ SmartHR というフィールドでこれに挑戦し、成果を上げることができれば、これは十分に実現可能なゴールであると考えています。

“大AI時代” における有力なキャリアの選択肢の一つである

AI/LLMに関する何らかのリリース情報は、文字通り毎日のように見聞きしているかと思います。これはきっと今後もしばらく続くでしょう。これによってソフトウェアエンジニアという働き方がどのように変わっていくかについては私たちにもわかりませんが、ここまで書いてきたような “CRE” という考え方やそれを実践するという役割は、AI/LLM のパワフルな先進性に助けられることこそあれど、完全に置き換わることは不可能な、間違いなく輝きを増していくキャリアになっていくと考えています。

上述のとおり、SmartHR の CRE ユニットチーフは、“エンジニアリング” と “カスタマーサクセス”、ないしは “セールス” という複数の異なるキャリアの掛け合わせにより価値を発揮してきました。

これからのキャリアについて悩みや迷いがある人、何らかのブレークスルーを求めている人にとって、SmartHR の CRE が有力な選択肢の一つになれば幸いです。

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