SmartHR Tech Blog

SmartHR 開発者ブログ

新しくVPoEに就任した森住さんってどんな人?今までのキャリアは?なにをするの?

こんにちは。エンジニアマネージャの 吉成 です。

本記事では 2022年1月に VPoE に就任された森住さんについて、同時期に CTO から CEO になった芹澤さんと一緒にアレコレ深堀りした様子をお届けしたいと思います。

森住さんの今までのキャリアやSmartHRでやってきたこと、そしてプロダクトエンジニアグループのこれからについて伺いました。

SmartHR に入るまで

吉成: 今日はよろしくお願いします。

一同: お願いします。

吉成: まず最初に、SmartHRに入るまでの簡単な経歴をお願いします。

森住: はい。キャリアのスタートはウェブ系の受託開発の会社で、当時はいわゆるLAMP環境で開発していました。最初の会社は大体3年ぐらい在籍して、ずっとウェブの開発ですね。 そのあと転職して、マーケティングオートメーションツールを作っている会社に入り、そこもほぼLAMP環境で3年間ほど。 そのあと半年ほど無職をして、またウェブの受託の開発会社でRailsの開発を半年ほどやって、次にSmartHRですね。

吉成: なるほど。ちなみになぜエンジニアになったのですか?

森住: なぜ、そうですね…。法学部出身だったこともあって、新卒のときはまず営業職で考えていたんですけど、説明会とかに行っているうちに、ものを売るとかよりは作るほうが興味あるなというのがわかりました。もともと絵を描いたりするのが好きで、文化祭の門とか描いたこともあるんですよ。

吉成: へー意外。

芹澤: 意外。

吉成: SmartHRを選んだ理由はなんだったんですか?

森住: 1つは、前職でSmartHRを使っていたことですね。そこで年末調整をやって、めっちゃ便利なサービスがあるんだなと印象に残っていました。もう1つは、アジャイルな、継続的な開発がしたいなと思って、SaaSの会社を中心に探していたんですが、そこも合致したからですね。

1年ごとにプレイヤーからマネジメントに

吉成: SmartHR入社後はどんな感じのキャリアパスになるんですか?

森住: 入って1年ぐらいはSmartHR本体のバックエンドの開発をしていました。 それと当時VPoEだった芹澤さんに「今のペインってなんですか?」みたいな質問をして、「じゃあここはこう変えましょうか」という流れでスクラムイベントをいじったりしていました。ただ、当時はとにかく開発が忙しかったので、あくまで片手間という感じでしたね。

吉成: なるほど。その後はどういう流れでマネジメントに移っていったんですかね。

森住: プレイングマネージャーの役割でチーフというものがあり、最初はそれになりました。組織の状況的にチーフを増やさないと芹澤さんがやばい、という状況になって。

芹澤: 当時僕がめちゃくちゃ評価者を抱えていて、それでチーフを2人足したんですよね。

吉成: そのとき森住さんの名前が上がったのってどういう流れからだったんですか?

芹澤: 当時はマネジメント適正みたいなのって自分たちも分かっていなかったし、“とにかくリーダーシップがある人”みたいなところで声をかけた気はしますね。何かしらの形でリーダーシップを発揮している人。

吉成: そうなんですね。チーフになってみてどうでしたか?

森住: スクラムマスターとしてやりたいことと、近いところがあるなって感じはしましたね。SmartHRのチーフって、別にトップダウンで仕事を割り振るみたいなやり方ではないんですよね。現場を支えて自律的に動けるようにして、チームをどんどんよくしていくみたいな。そういうサーバントリーダーシップみたいなところはわりとスクラムマスターと共通するところはあるなっていう感じはしたので、思ったより楽しかったですね。

吉成: そこからチーフがしばらく続くんでしたっけ?

森住: そこから1年ぐらいチーフですかね。プレイヤー1年、チーフ1年、マネージャー1年です。 (※ SmartHRにおけるマネージャーは複数のチームを管掌範囲とし、チーフを通して間接的にチームのマネジメントを行う役割)

吉成: なるほど。1年ごとにロールが変わっていっているんですね。マネージャーのときは、何名かいるチーフの中から森住さんを指名したのはどういった感じだったんですか?

芹澤: やっぱり適性があるなとは思いました。チーフ歴が相対的に長かったというのもありましたが、チーフの中でもきちんとリーダーシップを発揮されているし、キャリアの志向的にも合ってるんじゃないかなというのは感じていました。

吉成: 確かにチーフの中でもリーダーシップみたいなのはありましたね。森住さんはチーフからマネージャーになっての違いとかはありましたか?

森住: 全然違いますね、チーフとマネージャーは。チーフってプレイヤーのエンジニアと同じチームで働いているので、成果が出るまでのタイムスパンがまだ短いんですよね。 順番でいうと、エンジニアってわりと成果が出るまでのタイムスパンが短いと思っていて、コード書いたら成果出るみたいな。 チーフになるとちょっと変わってきて、コード書くのもあるけどチームビルディングとかプロセス改善みたいなものが入ってきて、そこがちょっと時間かかるんですよね。ただ、とはいえ四半期以内には成果は出るみたいな感じ。 これがマネージャーになるともう…半年後とか1年後にならないとあんまり成果として実感できるものは得られないんですよね。

吉成: ロールが変わるごとにだんだん長くなってくるというか。

森住: ですね。対象となる領域が増えれば増えるほど、動きが出るのも時間がかかるんだなって感じですかね。

ひとつ上のレイヤーの課題も目についたら解決したくなる

吉成: それを1年ぐらい続けて、いよいよVPoEに就任されるわけですね。

森住: ですね。

吉成: 芹澤さんからパスってわけじゃないですけど切り替わるみたいなのって、どういった理由で? マネージャーは2人いたわけですが、森住さんを選んだのってどういうところなんですかね。

芹澤: VPoEは長いこと不在だったんですけど、僕がCTOからCEOになると流石にそこを埋めなきゃいけないなというのが前提としてありました。 VPになると影響力の範囲が広くなるというか、自分のグループだけじゃなくてほかのグループも巻き込んだりとか、より経営的な目線・視座でのマネジメントみたいなのが求められてくるんですね。そういうところをきちっとこなしていただけるのは森住さんだなと思い、任命に至りました。

吉成: 森住さんが意識していたことってあるんですか? マネージャーをやっているときとか。

森住: マネージャーとか特に関係なく、常に次の役割の仕事もちょっとやっていこうみたいなのはありました。

プレイヤーだった頃は、チームをどうするかとかプロセスをどうするかみたいなところを考えるという、ちょっとチーフっぽいことをやっていました。 チーフになったあとは、チーフを横で見たときにどういうことを考えたり、やったりした方がいいのかみたいなこととか。採用みたいに組織全体に影響しそうなこともちょっとやっていたり。 マネージャーになったら、その一歩先は結構難しいんですけど、プロダクトエンジニアグループ全体とか他グループとの連携、あとは人事制度への提言とかですかね。全社に影響しそうな意見も言うとか、次の役割でやりそうなことをちょっとやっておくみたいなことは意識していましたね。

吉成: それが実ったというと変ですけど、繋がってきた感じになるんですかね。いろいろ。

森住: 結果としては、繋がってきたとも言えますね。

吉成: ちょっと先をやってみようみたいなのって、どういう思想というか考えでやっていたんですか? 今まで。

森住: 思想というか、シンプルにひとつ上のレイヤーの課題も目についたら解決したくなるから、というのはあると思います。SmartHRだと「100の問題を100人で1問ずつ解く」という組織を目指していて、オーナーシップを広く持って課題を見つける、解決するというのが推奨されてるんですよね。その辺の影響もある気はしますね。

吉成: そのあたりの動きや意識は芹澤さんも感じていましたか?

芹澤: 常に視野を広げようとしているのはありましたね。

情報処理能力が高い組織にしたい

吉成: VPoEとなった森住さんに対して、芹澤さんから期待していることをお伺いしたいんですが、どうですか?

芹澤: 僕らみたいなソフトウェア会社って、組織運営の考え方自体がもうアジャイルなんですよね。どうやって持続可能な組織を作るかとか、透明性を作るとか継続的に改善していくとか。プロダクトサイドって普段の業務でそういった開発をしていると思うんですが、その延長に組織のことがあるのかなと。

森住さんはアジャイルに関する思いや、伝道師としての能力がすごいと思うので、そういうのをもっと広めていって、ゆくゆくは全社的なこともやってほしいなと思いますね。

森住: それはそうですね。やりたいことでいうと、情報処理能力が高い組織にしたいとは思っています。組織全体として外から情報をちゃんと取り込んで、それが中で変に歪むことなく伝わって、ちゃんとプロダクトに反映されて。そのサイクルを組織がスケールしていってもうまく回るようにはしていきたいですね。

吉成: 情報処理能力の高い組織。今はどうですか? 森住さんの目指すところに対して組織がどんな状態かみたいなのってあったりします?

森住: 基本的にSmartHRっていいプロダクトを作れていると思いますし、ビジネスサイドとプロダクトサイドの連携みたいなところもわりとよくできているとは思います。

一方で、今後スケールしていってもそれが維持できるかとか、よりよくできるところがないかっていうと全然そんなことはなくて。もっとセールスの現場とかカスタマーサクセスの現場とかサポートの現場とか、そういうところからインプットできることはまだまだあるかなと思っています。 そのインプットされた情報をちゃんとプロダクトに反映させるフローを文化として定着させる。もっと自然に、意識してがんばらなくてもできます、みたいな状況にしていく必要はあるんじゃないかなと思うんですね。

多分今って意識してイベント的にやらないとできないんですけど、それだとスケールしていくときに難しいと思うんですよね。それを知っていて意識できる人がいないとできなくなってくると思うので、文化として当たり前にやるよねっていう状況にしていく必要があるのかなと思っています。

吉成: 具体的になにか考えていることはありますか?

森住: 僕が具体的に、っていうのはあまりないかもしれないですね。方針を示して現場の人に考えてもらって、状況に応じて動いてもらうみたいな感じなので。この方向に向かっていくよ、っていうのは打ち出していかないとなって感じです。

吉成: 芹澤さんは過去VPoEとCTOという立場でエンジニアのマネジメントをやってきたと思うんですけど、多分チームとか会社の規模とか、全然状況が異なりますよね。そのへんの違いというか、違うからこそ気をつけてほしいことってありますか?

芹澤: 規模の違いで変わってくることが2つあって。まず、人数が多くなるほど自分が全部見れなくなるんですね。なのでレポートラインをうまく作って、いろいろな情報を吸い上げて、かつ自分からはうまく直属のレポートラインにいるマネージャーたちとコミュニケーションして組織をよくしていく。どんどん階層が増えていくので、そこのコツを掴むまではちょっと時間と経験が必要かなっていうのはあります。どんどんアンコントローラブルな領域が増えていくんですよね。 もう1つは通意性ですね。自分のメッセージをいかにして人に伝えるかというのは、対象人数が増えれば増えるほど難しくなるという実感があります。

吉成: 森住さんはマネージャーまでやってきてその辺を感じたことってあります?

森住: そうですね。通意性に関してはやっぱりめっちゃ思いますね。前の期のプロダクトサイドスローガンは「最短距離を行こう」だったんですけど、あれは結構人によって解釈が割れていることがあったなって反省があります。スローガンや方針は分かりやすく伝えないといけないし、かつ繰り返し伝えていかなきゃいけないのかなっていうのは思っていますね。

顧客の要求をちゃんと捉えてプロダクトに反映し、すばやく顧客に届ける

吉成: 組織的な視点で見ると、森住さんがVPoEになったことで、組織として変わりそうなことはありますか?

森住: 組織としては、CTOがいなくなり、プロダクトサイドに関しては3人のVPがフラットな関係になります。CTOの芹澤さんがいたときって、CTOがいるがゆえに逆にマネジメント間の意思疎通が芹澤さんを経由してべつのマネージャーにいくみたいなのはあったんですね。フラットになるのを利用して、うまく横の連携を作っていけるといいかなと思っています。

吉成: なるほど。VPとかマネージャー同士の横の繋がりを強めていくみたいな感じなんですね。実際CTOを通してのやりとりって合ったんですか?

芹澤: わりとありましたね。

吉成: じゃあ今回これを機にいい感じにできるとよさそうですね。逆にこれはあまり変えたくないなみたいな文化、やり方はありますか?

森住: これは変えたくないでいうと、基本的に今の文化はそんなに変えたくないですね。

吉成: プロダクトサイド特有の文化とかってありますよね。

森住: インターネットノリが強いと思うんですよね。

吉成: 人が増えていくとそのへんの文化ってちょっと変わっていきそうで、やはり不安があると思うんですけど、何か考えている対策はありますか?

森住: 引き続きやっぱり採用のときにカルチャーマッチを重視していくというのはありますし、こういうことを大切にしているんですよっていう発信を定期的にやっていく必要はあるんだろうなと思いつつ、そんなに心配はしていないですかね。

吉成: なるほど。ではそろそろまとめっぽい話をしようかなと思うんですが、最後にVPoEとしての意気込みをお願いします。

森住: 意気込み。

吉成: 意気込み。

森住: そうですねえ。いいプロダクトを作るにはいい組織が必要、みたいなことをよく言われると思うんですけど、あれって本当にそうだなと思っていて。 僕も元々いちエンジニアなので、根っこにあるのはいいプロダクトを作りたい、ということなんですよね。そのために、すばやく仮説検証できる組織を作るにはどうしたらいいのか、みたいなことを考えて、取り組んで、気づいたらマネジメントをやっていたという感じで。 なので、顧客の要求をちゃんと捉えて、それをプロダクトに反映して、すばやく顧客に届けて、という一見すると当たり前のことを高水準にできる組織作り、というところをしっかりやっていきたいなと思いますね。

吉成: ありがとうございます。

最後に

いかがでしたか?今回は森住さんに関するアレコレとプロダクトエンジニアグループの今後ということで色々とお話を伺いしました。 SmartHR はまだまだ価値を届けられる市場も大きく、プロダクトの完成度も上げていかなければいけない状況です。 新VPoEと共にイチエンジニアとして、そして組織としてすばやい仮説検証と価値の提供を続けていきたいですね。

そんなSmartHRでは一緒にプロダクトを作っていくメンバーをまだまだ募集しておりますので、もし少しでも興味を持たれた方やもっと森住さんについて詳しく聞いてみたい方がいましたら、まずはカジュアル面談で気軽にお話してみませんか?

六本木一丁目で森住さんと握手!1

hello-world.smarthr.co.jp


  1. 現在すべての面談・面接はリモートで行われております。実際に握手を希望される方は別途ご相談ください。