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プロダクトエンジニアがPMに挑戦してみた

みなさん、こんにちは。 SmartHRでプロダクトエンジニアをやっています @negiandleek です。

プロダクトマネージャー(PM)に半期ほど(本格的にやり始めたのは10月から)挑戦してみたので、その体験を記します。結論としては、プロダクト作りに対しての理解度が深まりよい経験でした。

背景

私は新しいことにチャレンジしたいと思っていた矢先、23年の7月からPMの手伝いをさせてもらえることになりました。

8月中旬から新しいプロジェクトが始まりましたが、ユーザーの求めている機能への理解がなかなか進まず、チームとしても進捗があまり出ていない状態が続きました。そこで分かっている範囲で機能を分割し、その一部の機能に関して、私がPMとしての役割を担うことになりました。

具体的にはやったことは以下になります。

ロードマップの一部策定

このプロジェクトで24年上期までに実現したい具体的な開発アイテムの整理をしました。それを踏まえて、プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)とプロダクトオーナー(PO)に協力を仰ぎながら、ロードマップの策定も行いました。

その際に、

  • ビジネスインパクトがどれくらいあるか
  • 全社的な戦略に乗っかれているか(コンフリクトしていないか)
  • ユーザーへの提供価値を最大化できているか

といった多角的な視点での検討が求められたので骨が折れました。

一方でこのロードマップの策定を通じて、「なぜこの機能の開発をしているのか」「なにが課題なのか」「ターゲットは誰なのか」といったプロジェクトのコアに対する問いを行えるようになったのは良かったです。

またロードマップは、会社が目指している方向性と合致している必要があります。その際に自分のビジネス理解が甘く判断を保留にしてしまうことが多々ありました。これらに関して知見を深めていくことは今後の課題です。

プロダクト要求仕様書(PRD)や技術仕様の作成

具体的に着手するアイテムが決まったので、次にプロダクト要求仕様書(PRD)を用意しました。そしてそれを満たせるようなソリューション案をチームで考え、技術仕様を固めていきました。 この辺りはエンジニアの経験もあったおかげか比較的スムーズに行えました。 (ここでの技術仕様は実装するにあたり必要な仕様のことを指しています)

また、今回のフィーチャーでは、実用最小限の製品(MVP)を定義し仮説検証フローを回すプロセスを歩んでいます。 しかしこのMVPの線引きには、かなり苦戦しました。

  • 「なぜこの機能を作るのか」といった『Why』
  • 「課題はなにか」 「なにを提供して解決するのか」といった『What』

の理解が甘いと、判断基準がないまま仕様を決めていくことになり、ユーザーへ不利益をもたらしかねません。 また『Why』や『What』を自身が理解し、チームで共通認識がなければ、無駄な機能を作ることに繋がります。

これは、今まで『どのように実装していくか・実現していくか』といったエンジニア的な思考から、『なぜやるのか・なにをやるのか』といったPM的な思考への変革が必要でしたが、未だに悪戦苦闘しています。

しかし、これらの理解が深まると、よりよいプロダクトを作るための足がかりになりそうに思っているので今後もこのスキルを向上させるために努力していきたいと思います。

また、自チームだけで決められないものに関しては、他の部署と密にコミュニケーションを取りながら判断していきました。コミュニケーションについては次で話します。

チームや部署を超えた連携

自チームだけでは決められない部分については、他部署のメンバーに相談をしました。

例えば今回のプロジェクトでは、法律の確認が必要となる仕様があったので、法務の方と密にコミュニケーションを取りました。 他にもPMMやカスタマーサクセス(CS)の方には、提供しようとしている機能で運用に乗りそうか、ターゲットとしているユーザーに使ってもらえそうか、といったユーザー視点での評価をお願いしました。

私はPMとして、自チームと他部署の橋渡し的な役割を担いますが、情報の非対称性に気をつけ、ぬけもれやズレが生まれないように分かりやすく伝える必要がありました。

エンジニアの経験から技術的な仕様については詳しいので、ユーザーフロー図やシーケンス図などを用いながら、技術的な仕様をエンジニア以外の人にもわかりやすく伝えられたと思います。これにはエンジニアとしての経験が活かせました。

ただし関わる人が増えたので、誰がどんな情報を必要としているのかが分からず、意図しない資料を用意したり、不要なMTGを実施したこともありました。 正しい情報を正しい人に伝えられるようになるには、もう少し時間がかかりそうです。

PMにチャレンジしてみた感想

チームメンバーや本業PMの方の協力もあり、新しい領域にチャレンジすることができました。現状維持バイアスに負けてしまいそうなときもありますが、日々楽しく働いています。今までは『どうやって作るか』ということにフォーカスしていましたが、『なぜ作るのか』『何を作るのか』を考え、よりよいプロダクト開発に活かしていきたいと思っています。

終わりに

幸いにもチームメンバーからも理解が得られたので、24年の上期まではPMをやっていく予定です。まだまだ未熟ですが、引き続きチャレンジしていきたいと思います。

最後までありがとうございました。

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