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SmartHR とフルリモートワークと、時々、オフィス

こんにちは!CTO の芹澤です。
今回は SmartHR のプロダクトチームで行われているリモートワークの状況と、今後の働き方に関するお話です。

昨年度よりコロナ禍における暫定対応として採用されていたリモートワークを前提とした働き方について、そろそろ恒久的な方針を決めようということで、先日以下のような社内報が発表されました。 shanaiho.smarthr.co.jp 結論から申しますと、プロダクトチーム1としては今後もリモートワークを継続して、場所にとらわれない働き方を続けていこう、という判断となりました。これにより、通勤圏外からフルリモートで働く、というようなことも可能となっています。
上記記事にもこの結論に至った背景は書かれているのですが、ここではリモート下でのプロダクトチームの働き方の変化を紹介しつつ、もう少し踏み込んだ背景や意図の説明をさせていただければと思います。

私たちは今、どのようにリモートワークをしているのか

2020年4月より全社的にリモートワーク体制へと移行したのですが、それまでは「対面でのコミュニケーション」を重視する文化で、日々オフィスに集まり仕事をしていたので、私たちにとってこれはとても大きな変化となりました。
会議室で行われていたミーティングは Zoom に、ホワイトボードで行われていた作業は Miro に、執務エリアで行われていたカジュアルな会話は Discord にそれぞれ置き換えられ、新しいスタイルでの働き方が始まったのです。
果たしてうまくワークするのだろうか...という不安な気持ちはあったのですが、実際にやってみるとそれは完全に杞憂に終わりました。特に業務上の支障が出なかっただけでなく、慣れてくると、これらのオンラインコラボレーションツールが持つ「物理的な制約にとらわれない」という性質も活用され始め、以下のような変化が起きました。

  • オープンな会議の増加
    • 会議室のキャパシティを考慮しなくて良いので聴講のみの参加も気軽にできるようになり、誰でも参加可能とする会議が増えました
    • Zoom で議論を視聴しつつ、Slack で裏番組的に実況が盛り上がる文化も定着しました
  • 大規模な付箋ワークの増加
    • Miro の1つの Board に複数の作業領域を作り、グループに分かれて作業をする、という付箋ワークが増えました
    • 他のグループの議論が確認しやすかったり、後から一枚絵で成果が確認できたりするので便利です
    • タイムライン振り返りのような広い作業領域を必要とする付箋ワークも、活発に行われるようになりました

社外向けのイベントでも、この変化は起きました。
つい先日、ユーザの方々をお招きしたスプリントレビューが Zoom を使って開催されたのですが、これは「移動時間を気にせず気軽に参加できる」というオンラインの利点が活用された一例と言えます。 tech.smarthr.jp また、オンラインで配信した RubyKaigi の感想戦では、視聴者として参加してくださっていた RubyKaigi の発表者の方が続々と Zoom に飛び入り参加するという、オンライン開催ならではのサプライズもありました。 tech.smarthr.jp リモートワークへの移行当初に懸念されていた新入社員のオンボーディングについても、ドキュメントの整備やモブプロの浸透、オンライン歓迎会・ランチ会の発達により卒なくこなせるようになってきています。
実際どれくらいの人をオンボーディングしているのかというと、2019年8月以降のプロダクトチーム全体の社員数推移が以下の通りで、いまや全体の半数にちかい数のメンバーがリモートワーク移行後に入社していることがわかります。

2019年8月以降のプロダクトチームの社員数推移のグラフ(2019年8月には40人強だったのが2021年6月には120人近くになっている)
プロダクトチーム全体の社員数推移(ラクラク分析レポート機能にて出力)
毎月行われている従業員サーベイ上でも特に大きな懸念点は観測されておらず、オンラインでのオンボーディングがしっかりと機能していることがわかります。

その他、新しいチームの組成や新規プロダクトの立ち上げに関しても実績が解除されている状態で、流石にリモートを始めて1年ちょっと経つと、ほとんどの仕事がオフィスに集まらずとも完結できることが実感されてきました。

私たちにオフィスは不要なのかどうか

では、私たちにオフィスは不要なのでしょうか。
先の説明とは矛盾するようですが、答えは「NO」です。

きちんと証明するのは難しいのですが、前述したようなオンライン施策がうまくいっているのは、オフライン時代に構築されたカルチャーや、オフライン時代に培った信頼の上に成り立っていると感じています。過去の貯蓄を切り崩しながら、オンラインでの関係値を保っている感覚です。
実際、昨年に一時的に緊急事態宣言が解除された際には、多くのチームで「オフィスに集まる日」を調整し、まるでその貯蓄を取り戻すかのように、オフィスでのスクラムイベントや懇親会が実施されていました。

また、SmartHR 社としてもこのようなオフラインでの交流を推進するスタンスを続けるため、福利厚生などの制度はオフィスに出向くことを前提として設計されることもあると思います。

オフィスは今後、ワークスペースとしての機能は薄れるかもしれませんが、関係値構築のためのコミュニケーションスペースとしての機能はむしろ活性化されるのではないでしょうか。

そして、これから

これからの世の中がどうなっていくのかは、誰にもわかりません。
以前のように、都心でのイベントや会食が増えてくるかもしれませんし、オフィスで働くことのメリットが見直されるときが来るかもしれません。
正式にリモートワークを解禁することに不安がないかと言われると、それは嘘になりますが、1つ言えるのは、これだけオンラインで頑張れたのだから、これからも、みんなで「新しい働き方」を模索していきたい、ということです。
良い面も悪い面も出てくるかと思いますが、「そういうものだから」で終わらせず、継続的により良い働き方に変えていける、そんなチームにしていけたらと思います。

We are Hiring!!

さてさて、私のテックブログは大体が採用目的で書かれておりますので、本記事も例の如く採用のメッセージで締めさせていただければと思います。

リモートワークを解禁し「新しい働き方」を模索する一環で、通勤圏外に住む方の応募の受付も開始いたしました。
また、コアタイムもなくなりましたので、育児の都合などで働く時間に制限のある方も、柔軟に働けるようになっています。
「SmartHR で働いてみたいけど、六本木に通うのは難しいな〜」と踏みとどまっていた方がいらっしゃいましたら、この機会にぜひ応募をご検討いただければと思います!

どうぞよろしくお願いします! hello-world.smarthr.co.jp


  1. プロダクトの開発と運用に関わる部署を指し、具体的には PdM・プロダクトデザイナ・プロダクトエンジニア・QA・サポート・ドメインエキスパートの方々が対象となっています。