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労務の知識ゼロでSmartHRに入社したエンジニアはどうなってしまうのか?

こんにちは! SmartHRでWebアプリケーションエンジニアをしている藤井です。

弊社では「クラウド人事労務ソフト」の名の通り、人事労務に関わるプロダクトを開発・提供しています。 そんなSmartHRでは事業を拡大させるためエンジニアを積極的に採用しています

採用活動をしていると、カジュアル面談などの場で、「労務って入社・退社とかですよね、まったくその分野について知らないのですが…」といった声を聞くことがあります。

すべての従業員に関わってくる「労務」ですが、多くのエンジニアにとっては馴染みが薄く、イメージがつきにくいのだろうなと思います。

入社時点で労務の知識を持っていた人はほぼいません

まずは、プロダクト開発のエンジニア向けにこんなアンケートをとってみました。
「SmartHR に入社する前に労務の実務経験や労務に関するプロダクトに関わった経験がありますか?」

結果は「労務に関するプロダクトに関わったことがある」人が2名のみでした。 つまり「入社時点で労務の知識を持っていた人はほぼいない」ということです。

ここからは、SmartHRの中でも特に労務に関わるプロダクトに携わっている佐藤さんと小林さんに話を聞いていきます。2人ともこの1年以内に入社したエンジニアです。このインタビューを通して、どのように労務のプロダクトを開発しているのかイメージしやすくなると良いな!と思います。

バックグラウンドについて

藤井:まずは入社時期と、前職での経験を教えてください。
佐藤:2020年9月入社です。前職はSIerで主にクラウドやミドルウェアの開発職をしていました。
小林:2021年の2月に入社しました。前職は飲食店向けのBtoBプラットフォームを運営するWeb系のスタートアップでエンジニアをしていました。その前はECサイトを専門としたSIerでECサイトの開発をしていたので、どちらも労務とは関係のないドメインを扱っていましたね。

藤井: おふたりが現在どのような仕事をしているのかを教えてください。
佐藤:2人とも届出書類を作るプロダクトを担当しています。これは企業の労務担当者の方が、行政機関へ電子申請を行うためのものです。例えば、入社した方の健康保険の申請なんかが行なえます。ちなみに、行政機関への電子申請にはSmartHRが開発しているオープンソース(kiji,kirico)を使っています!

労務知識について

藤井:特に労務とは無関係の仕事をされていたようですが、入社前に不安はありませんでしたか?
小林:これまでの仕事でももともとドメイン知識を持っていたわけではなく、開発しながら覚えるという感じだったので、入社したあとにキャッチアップしていけると思っていました。なので、そこまで不安はなかったですね。それと、カジュアル面談でPRD(Product Requirements Document・プロダクト要求仕様書)を見せてもらったのですが、実装の背景からゴール、ストーリー、仕様などが詳細に書かれていたので、自分だけががんばってキャッチアップしないといけないような環境ではないことがわかり、安心した記憶があります。
佐藤:あまり不安はなかったのですが、入ったあとの勉強は大変そうだなとは思っていました。
藤井: なるほど。では、実際に入社してみて労務知識でつまずくこともあったのではないかと思いますが、そのような場合はどうしていますか?
小林:私たちのチームでは、基本的にずっとZoomで画面共有をしながらモブプログラミングをしていて、わからないことが出てきたら他の開発者にその場で聞くことができています。
佐藤:開発者の誰もわからないような問題もでてくるのですが、その場合はドメインエキスパートと呼ばれる労務の専門家の方に相談しています。

労務のプロダクト開発ならではの大変さ

藤井:労務のプロダクト開発ならではの大変さはありますか?
小林:労務にあまり詳しくないというユーザーにも伝わりやすいように実装するという点でしょうか。紙の書類をそのままWeb上で再現するのではなく、よりわかりやすくなるようにフォームを工夫したり、注釈やエラーメッセージを丁寧に書くなど、考えることが多いです。エンジニアも実際に労務担当者がどのようにSmartHRを使っているかについては詳しくないので、社内の労務担当者と話し合って、これで本当に使いやすいのか?意図が伝わるのか?ということを頻繁に確認しています。
佐藤:一般公開前に本番環境でリリースする機能の動作を確認することにしているのですが、実はこれがとても大変です。本番環境では本物の電子申請を提出することになるので、実施できる機会が限られます。例えば、退職に関わる電子申請の動作確認をするために、実際にSmartHRから退職者が出るのを待ったこともあります。
小林:他には、書類のフォーマットが毎年のように変わるので、一度実装したものを再度実装し直す必要がある点も、労務ならではの大変なポイントだと感じています。書類に必要な項目が変わることもあるため、それに合わせて既存の書類や電子申請を改修する必要があるのですが、ユーザーが既に作成した過去の書類には影響を与えずに、新しいフォーマットに対応しなければいけません。また、書類のフォーマットが変わるときは移行期間が定められているので、その期間内に実装を完了させる必要があるのも大変な点だと感じています。
藤井:書類のフォーマットが変わるということですが、更新されたという情報はどのようにキャッチアップしていますか?
佐藤:ドメインエキスパートの方が日々情報を追っており、改修が必要となる情報があった場合に共有してくれます。

やりがいについて

藤井:SmartHRでの開発のどのようなところにやりがいを感じますか?
小林:私は作業の効率化が好きなんですが、書類をSmartHRで作れるようになることで、行政手続きの非効率な部分を減らすことができるという点にやりがいを感じますね。 紙とペンで書類を書くのってそもそも面倒ですし、更には間違えたときの労力が大きいので、すべての紙の手続きがWebでできるようになって欲しいと思っています。なので、そのような問題を解決するためのプロダクト開発に取り組めているというのは、とても嬉しく思っています。
佐藤:だいたい同じ感じですね、エンジニアは面倒くさがりな人が多いですし、同じところに魅力を感じているメンバーは多そうですね。

We are Hiring!

SmartHRでは今回触れた内容だけでなく、多くの人事労務分野の面倒な作業の解消に努めています。 この記事を読んで弊社のエンジニアから話を聞いてみたいと思った方は、ぜひカジュアル面談にご応募いただければと思います!

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