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「Yes, and…」で高めよう、チームの心理的安全性

こんにちは!QAエンジニアのtanoです。

SmartHRの品質保証部は2024年7月に大きな組織変更がありました。部のなかにはいくつかのチームがあるのですが、そのチームのメンバー編成もガラリと変わりました。学生時代のクラス替えのような気持ちです。

今回は、そんななかでチームビルディングとしてインプロをやってみたという話を書いてみようと思います。

ちなみに、組織の変更については今後のテックブログで詳しく発信していくと思いますので、ぜひ楽しみにしていていただけると嬉しいです。

インプロとは

インプロ(インプロヴィゼーション)は、台本や事前の準備がない即興で行われる演技の一種です。演者はその場の状況や他の人の発言に即座に反応し、ストーリーや会話を作り上げていきます。インプロの特徴的なポイントは「失敗を恐れない姿勢」と「他者の意見を受け入れて展開する力」です。

インプロの基本原則

  • Yes, and...(イエス・アンド)
    • 他者の発言や行動を受け入れ(Yes)、その上に自分のアイデアを追加(and)して話を進めることで、協力的で創造的な場を作ります。
  • 失敗を歓迎
    • インプロでは、失敗を恐れず、それを学びの機会として受け止めることで自由な発想が生まれ、チーム内の心理的安全性が高まります。

インプロとソフトウェア開発の関係

ChatGPTに聞いてみました。

インプロを通してソフトウェア開発にも役立つ以下のようなスキルや考え方を身につけられます。

  1. アジャイル開発の促進
    • インプロの「Yes, and...」の原則は、アジャイル開発のコア概念と一致します。アジャイル開発では、チームメンバーが互いの意見や提案を受け入れ、そこから改善案を追加することで、柔軟に対応していくことが求められます。この姿勢は、インプロでの即興性と創造性の発揮を通じて養われます。
  2. 問題解決能力の向上
    • インプロのセッションでは、予期しない状況に迅速に対応する必要があります。このスキルは、ソフトウェア開発におけるバグや予期しない障害に対処する際に役立ちます。即興での問題解決能力を高めることで、開発者はより効果的に問題を特定し、解決策を見つけることができるようになります。
  3. クリエイティブな発想
    • インプロは、創造的な思考を促進するためのトレーニングとして有効です。ソフトウェア開発では、革新的なソリューションを考えることが求められます。インプロで養われた創造力や発想力は、プロジェクトの新しいアイデアや機能設計に直結します。
  4. チームワークの強化
    • インプロはチームでの協力を促進し、チームメンバー間のコミュニケーションを強化します。これにより、開発チーム内での協力や情報共有がスムーズになり、プロジェクトの成功に貢献します。特にリモートチームや分散チームにおいて、インプロはチームビルディングの一助となります。
  5. 適応力の向上
    • インプロでは、即興で状況に対応する能力が求められます。これにより、ソフトウェア開発においても変化する要求やユーザーのフィードバックに対して柔軟に対応する力を養うことができます。迅速な適応力は、開発プロセスの効率化に寄与します。

インプロを行うことで即興スキルの向上を始め、問題解決能力の向上、柔軟な発想からクリエイティブな考え方、チームワークの強化など、アジャイル開発にも共通する多くのスキル向上につながります。 チームビルディングを始め、チームのフェーズを問わず活用できるのでオススメのワークです。 最近は多くのテック企業で取り入れられており、GoogleやNetflixなどでも導入されています。

チームでインプロをやってみようと思った理由

品質保証部の体制変更が行われる少し前、プライベートでインプロワークショップに参加し、その体験が非常に良かったためです。ワークショップでは友人1名以外は初対面であり、最初は失敗に対する抵抗がありましたが、ワークを繰り返すうちにその抵抗感がなくなっていくのを実感しました。 当時ちょうどチームビルディングを考えていたところで、自分のチームでも試してみたいと思いました。インプロを企画するのは全くの初心者ですが、失敗も経験の一部と考えてチャレンジすることにしました。

チームでやってみた

私の所属するチームは、3人の小さなチームです。話したことはあるものの、ほとんど一緒に仕事をしたことがない関係性です。「インプロやってみませんか?」と提案したところ、2人は快く「やってみましょう」と返事をくれたので、スムーズに機会を得ることができました。

ゲームの選定

まずは3人でできるゲームを選びました。たくさんのゲームがある中から、以下の条件で選びました。

  • ルールがシンプルであること
  • 3名の少人数でもできること
  • オンライン参加とオフライン参加が混ざってもできること

3人で話し合いながら、以下の3つのゲームをやってみることにしました。

  1. 斜に構える・斜に構えない
    • プレイヤーは「斜に構える」と「斜に構えない」の2つのスタンスを取ります。「斜に構える」とは、どこか不真面目で投げやりな態度で演じることを指します。例えば、話を軽く流すような感じです。「斜に構えない」とは、真剣で誠実な態度で演じることを指します。例えば、熱心に問題を解決しようとする姿勢です。プレイヤーはその指示に従ってキャラクターを演じ、対話や状況に応じて態度を変えながら進めます。
  2. ワンワード
    • プレイヤーは順番に一言ずつ言っていきます。各プレイヤーは前の人が言った言葉を基にして、自分の言葉を追加します。最終的には、言葉をつなげて意味のある短いストーリーや対話を作り上げます。
  3. あいうえお
    • プレイヤーは「あ」「い」「う」「え」「お」の順に、各音で始まる言葉を使って対話を進めます。例えば、最初のプレイヤーが「ありがとう」と言った場合、次のプレイヤーは「いえいえ」と続けるといった具合です。対話が続けられる限り、プレイヤーはそれぞれの音で始まる言葉を使い続けます。

ゲームの開催

インプロの基本原則を意識しながら進めました。

まずは「斜に構える・斜に構えない」から。会議室にいる2人は会議室にあるものに対して、自宅からオンライン参加の1人はデスク周りにあるものに対して、斜に構えたり構えなかったりしながら会話していきました。仕事中に斜に構えた発言を聞くことはあまりなかったので、そのギャップが面白かったです。

次に「ワンワード」。これは3人で順番に一言ずつ発言してひとつのストーリーを作ります。考えずにすぐ発言するので、突拍子もないストーリーになります。今見ても意味がわからない部分があり、面白いです。

最後に「あいうえお」。ちょっとアレンジしてあいうえお作文風にやってみました。これは少し難しかったです。うまくいかないことを前提としていると思いますが、わりと整ってしまい、少々物足りなさを感じました。(想像力が豊かだったということにしたいと思います!)

実際にゲームをしたときのメモ書き

やってみて

1時間ほどで3つのゲームを試しました。途中で戸惑うこともありましたが、3人で話し合いながらゲームをアレンジし、軌道修正できたのが良かったと思います。やったことは付箋でメモくらいにしか残りませんでしたが、録画や録音をしてAIに要約させたら面白かったかもしれません。

新チームができてから3ヶ月近く経ちますが、チームの心理的安全性はとても高く保たれているように思います。また、失敗を恐れずにまずやってみるという行動に対して、チームが「Yes, and...」できています。会社のバリューの体現にもつながりそうです。

インプロゲームがすべてをもたらしたとは思いませんが、少なからず効果はあったように感じています。

さいごに、一緒にインプロゲームをしたメンバーの声を紹介します。

参加者の声

参加者A

即興・アドリブで何かを作るワークは初めての経験でした。緊張も少しありましたがいざ始まると楽しみながら実践できました。緊張していたらテンポについていけないので楽しみつつも脳内フル回転です。 日頃見れない参加者の一面もみれて、チームに「同じ袋のポテチを箸でつつく程度の絆」を形成できたと思います。

参加者B

インプロは初心者でしたが基本原則の下、自分の想像の斜め上をいく結果になり笑いが絶えず楽しく実施できました。最初は緊張したものの、やっていくにつれてどうやったら面白い流れにできるかを集中して考えていました。ルールも難しくないので、新しくチームを組んだ際のワークには特におすすめです!

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