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もっと仲間を増やしたい!SmartHRの女性エンジニアが抱える切実な思いとは

SmartHRでプロダクト開発に携わっているエンジニアは104人(※2023年8月1日時点)。そのうち女性は10人しかいません。スクラムチームは15以上あるため、女性エンジニアはチームに1人いるかいないかという状況。

そこで今回、チームの垣根を越えて女性同士で語り合ってみよう!ということで、女性エンジニア座談会を開催しました。

日頃の悩み、開発組織の課題…赤裸々にトークするなかでわかったのは「みんな同じことを思っていたんだ…!」ということ。本記事ではそのトーク内容の一部を公開します。

談笑する参加メンバーたち
談笑する参加メンバーたち

参加メンバー紹介

cidermitaina
2019年9月入社。SmartHRオプション機能の開発を担当。音楽と紅茶とポメラニアンが好き。

16bit_idol
2019年12月入社。SmartHR基本機能の開発を担当。SEGA好きで、特にメガドライブが大好き! 子育てのため時短勤務中。

aaasa
2021年7月入社。SmartHR基本機能の開発を担当。インテリアが好きで休日にはDIYすることも。

10moe
2022年9月入社。SmartHRオプション機能の開発を担当。声優とゲームと服が好き。

聞き手:kondo
2023年4月入社。UXライターとしてSmartHR基本機能のUI文言の作成や、ヘルプページの制作などを担当。

少しずつだけど、女性が増えてきているのはうれしい

――女性比率10%未満。そもそもエンジニアになる女性が少ない日本の現状があるとはいえ、もう少し改善したいところですよね。実際に現場で働いている皆さんには、どう見えていますか?

16bit_idol 私がエンジニアになった約15年前、女性は超レアな存在でした。だから、実はこれでも、今が一番女性が多い環境にいるなと感じています(苦笑)。

cidermitaina 私ももっと女性が少ない会社にいることが多かったので、SmartHRには女性エンジニアがいて、しかも少しずつ増えてきているのは率直にうれしいです。

aaasa なるほど…私はジュニア層が多い会社でキャリアをスタートしたこともあり、女性もそこそこいたので、今は逆に少なく感じています。ただ、最初の会社にいたころから、シニア層はほぼ全員男性。16bit_idolさんのような先輩がいるのはSmartHRの良いところだなと思っています。

10moe わかります! 私もaaasaさんと同じく若手が多い会社に5年くらいいたので、女性が増えてきていることも感じつつ、上の立場になるほど女性がいないなと思っていました…

cidermitaina SmartHRのプロダクトエンジニアグループも、マネジメント層に女性がいないんですよね。これは本当に大きな課題だと思っています。

「相談しづらさ」は意外と根深い

――マネジメント層に女性が少ないのは業界全体の課題でもありそうです。これまでのキャリアにおいて、そのことが原因で困った経験はありますか?

10moe 私の前職は取引先に派遣されて常駐する形だったので、毎月のように来る体調の波を、他社の男性にわかってもらうのは難しいなと感じていました。

aaasa 体調面を相談しづらいの、わかる〜。別の会社の人となると、なおさらですよね。

10moe 心理的安全性は低かったと思います。今のチームには安心して相談できる雰囲気があるので、「今週ダメかも〜」って自分から言えるようになり、“言えない不安”が減りましたね。

16bit_idol 私は病気の治療でホルモンを抑える薬を飲むようになったことで、ホルモンバランスの変化がメンタル面にも影響することを実感しました。女性は常に揺らいでいる。その感覚、男性には理解しきれない部分かも…

aaasa メンタル面って自分の根本に関わる問題じゃないですか。感情の揺れ動きも含めて自分らしさだとして、それが理解されないとツラいですよね。そして、その一番大事な部分でコミュニケーションがうまく取れないと、男女関係ない相談すら言いづらくなることもある気がしています。

――「相談しづらい」というとき、女性ならではの事情は誰しも想像つきますが、それをきっかけにもっと深いところまで問題が広がってしまう場合もあるということですね。

cidermitaina 一度ちゃんと聞いてもらえなかったなと思うとすべて言いにくくなる、みたいなことはありますよね。信頼して、言いにくいことを言ってみたときに「そうなんですね〜」と流されたときの悲しさ。

16bit_idol めっちゃわかる…。X(旧twitter)で知り合いの女性エンジニアも同じようなこと言ってた。

SmartHRのオフィス風景

これは男女比率の問題?それとも…

cidermitaina でも、お互いに理解できない部分があったときに、それでも理解しようとしてくれるとうれしくなると思います。私のチームにはそういう人が多いので、働きやすくて。

10moe いい話!

cidermitaina 担当プロダクトの事業領域も関係しているかもしれません。配置シミュレーション機能を作っているので、人材配置を考えるときの企業の視点を知るためにチームでD&Iの勉強をしたのですが、それをきっかけに働きやすくなったと感じています。

16bit_idol 聞く力でいうと、豊田さん(※)ってすごいですよね。今まで働いてきたなかで、この人と働けてよかったと思う人の一人が豊田さん。信頼できるし、話しやすくて相談しやすい。

cidermitaina 話の引き出し方が上手くて、言いにくいことも豊田さんには言ってよかったなって毎回思えますよね。

※豊田 聡:2020年9月にSmartHRへジョイン。開発組織におけるスクラム/LeSSの導入支援をはじめ、ピープルマネジメントや組織開発の支援、組織全体のマネジメント力向上施策などに力を入れている。過去のインタビュー記事はこちら↓

tech.smarthr.jp

――豊田さんは男性ですよね。となると「相談しづらさ」は女性が少ないことより、マネジメントスキルに起因しているという可能性も?

cidermitaina たしかに、相談しやすさに性別は関係しないかもしれません。私のチームのチーフ(※)は男性ですが、話すと悩みごとがクリアになって仕事がしやすい。個々人との相性や対話力、傾聴力なども関係していそうです。

※ 各スクラムチームのエンジニアを束ねるプレイングマネージャーのこと

aaasa 男女に限った話ではないけれど、私は何かうまくいかないときに自衛として「女性がいないから」と思っている節があるかも。男性ってそういうとこあるよね、と思うことで自分が傷つかないようにする、みたいな。

cidermitaina 女性の立場になって話を聞いてほしいということかもしれませんね。私のこと男性と思って話しているのかな?と感じる場面って、ある気がします。うまく言えないんですけど…

――「相談しづらさ」は個々人のスキルによるところが大きいけれど、集団としての「男性」の存在感が大きいことで「個」の特性が見えづらくなっているということでしょうか。

aaasa たしかに、普通に男女半々だったら、これは女性が少ないせい?って考える必要もなくなりますね。

cidermitaina 先ほどお話しした私のチームは、実はエンジニア以外の職種に女性が多いんです。それが今の働きやすさに繋がっているようにも感じているので、女性の比率が増えることで、マインドが変わることもあるのかなと想像しています。

女性リーダー誕生のために何が必要?

――それでは、SmartHRの開発組織はどうすればもっとよくなっていくでしょうか。

16bit_idol やっぱり女性のチーフが爆誕することかなあ…1人でもまずは!

cidermitaina ただ、もしチャンスがあったとして自分が手を挙げられるかというと…周りのチーフ陣が男性ばかりだと思うと手を挙げにくいかもしれません。私の場合、自分だけマイノリティだと、自己肯定感が勝手に下がってくるんですよね。「女性だから…」みたいな気持ちになってしまう。

一同 わかる〜〜。

16bit_idol 私も自己肯定感はめっちゃ低い人間。Smart相談室で月に1回カウンセラーさんとお話しして、考え方のコーチングをしてもらってなんとか生き延びています。

10moe 私も自己肯定感めっちゃ低い…考え方のコーチング、気になります!

16bit_idol なんで私たち、こんなに自信がないんだろ。いやほんと…なんで??

aaasa 女性は自身を過小評価しやすいというデータがあるそうですね。同じ仕事をしていても、男性のほうが自己肯定感が高い。自分にあてはめて納得したことがあります。

10moe そして「自己肯定感低いよね」って言われるときが一番コミュニケーションのズレを感じる。

cidermitaina それ、めちゃくちゃあります。「もう少し自信を持てるといいね」みたいなことをいつも言われるけど…

16bit_idol 「いや持てたら苦労しねーよ!」って思いながら聞くよね(笑)。

cidermitaina みんな一緒だった〜。

――誰かがトップバッターでチーフにならないと始まらないけど、誰にもその自信がない。苦しい状況ですね。

aaasa 何かになろうと思うかどうかって、自分にもできそうと思えるかどうかだと思うんですよね。今のチーフを見ていると、自分にはできないと思うから、やっぱり自分に近い属性の人がチーフをやっている姿を見たい。堂々めぐりですが…

10moe チーフの前に、そもそも女性エンジニアが何人かいるチームがほしくないですか? もし自分がチーフになるとして、チームメンバーに男性しかいない状況を想像したらハードル高いなと。男女それぞれ2、3人のチームだったら、チャレンジしてみようと思えるかもしれない。

16bit_idol たしかに、メンバー全員男性だったらきついかも…

aaasa チームメンバーに自分と似た属性の人がいないとやりづらいですよね。

10moe もしこの座談会メンバーが一つのチームで、チーフを決めましょうとなったら「自信ないね、わかるわかる〜」って言い合いながら、一緒に頑張れそう。そういう状況が求められているのかも。

一同 (激しくうなずく)

SmartHRのオフィス風景

本音を言える環境、大事にしたい

――いま必要なのはマネジメント層に女性を増やしていくことだけど、そのためにも女性エンジニアの総数を増やしたい、というのが今日の結論になりそうです。

cidermitaina でも女性エンジニアってレアなので、何かしらSmartHR社の魅力を伝えていかないと増えないですよね。

――では、その魅力とは?

一同 ふふふ。

cidermitaina 魅力か…

10moe 働きやすい会社ではありますよね。フルリモート・フルフレックスで、休暇も取りやすい。

16bit_idol そう、悪い会社じゃないですよね決して! でも、なんでだろう…ここまで話したとおりの状況なので、女性エンジニアがめっちゃ活躍しやすいと胸を張って言うことはまだ難しいかも。

cidermitaina 今、自分でも驚いています。考えこんでしまっていることに…

aaasa こんなふうに語り始めたことは第一歩だと思うので、第2回もめっちゃやりたいですね。女性同士で力を合わせていることが、新しく入ってくる方にとっても安心材料になるといいな。

cidermitaina 決めました。私はさっそく自分のチームで「女性エンジニアにとっての魅力を聞かれたけど何も言えなかったです」って言ってみます。

一同 いい〜〜!

16bit_idol それを素直に言える環境があるのは、すごく大事なことだと思う。

cidermitaina その点は本当にありがたいです。今の組織でもっと女性がいきいきと働けるように、できることからやっていきたいですね。

***

共感の嵐だった今回の座談会。終了後も、ジェンダーに関連する記事をslackで共有し合ったり、次のアクションを考えたりと、参加メンバーたちは熱気に包まれています。

課題を改めて実感しながらも、未来につながる有意義な会となりました。

We Are Hiring!

SmartHRでは引き続き、エンジニアを大募集しています。

特に女性の皆さんにご応募いただけたら、本記事に登場した4名が泣いて喜びます! まだ道なかばの私たちに、ぜひあなたの力を貸してください。

たくさんのご応募をお待ちしています。

hello-world.smarthr.co.jp