こんにちは。SmartHRで配置シミュレーションを開発している新奥です。
先日、第2回SmartHR LT大会が開催されました。どのようなイベントだったのかを紹介します。
SmartHR LT大会について
DevRel主導の元で、有志のプロダクトエンジニアが集まって企画・運営している社内イベントです。 プロダクトエンジニアの中から11名の登壇者を集い5分間のLightning Talksを行います。登壇者はプロダクトエンジニアに限定していますが、当日は職種に依らず社員であれば聴講可能です。リモートでの配信もしており、現地での参加が難しい社員でも楽しめるようなイベントとなっています。
詳しくは第1回の開催レポートにも記載があるので読んでいただけると嬉しいです!
第2回から始めたこと・意識したこと
配信クオリティの向上
第1回の時には、Web配信のノウハウが蓄積されていなかったこともあり、「画角があまり見やすくない」「タイムアップを知らせるドラの音が聴こえなかった」など、リモート参加の人と現地リアル参加の人で体験にやや差が出てしまう、ということもありました。そこで今回は、社内の動画・配信のチームにも協力を仰ぎ、本格的な中継環境を用意してもらう運びとなりました。
これにより、そもそもの音質・画質が向上するのはもちろんのこと、「メイン画面に登壇資料を移しつつ、右下のワイプに登壇者を移す」というテレビ中継さながらの配信が可能になり、リモート参加の人の体験をリアル参加の体験に近付けることができました。
第1回の勢いをキープして恒例行事化する
前回は記念すべき初回だったこともあり、11名の登壇枠に対して35名が登壇を希望し、全エンジニア約130名に対し現地でのリアル参加者が50名を超えるなど大盛況のイベントとなりました。「ぜひともこの勢いをキープしたい、社内でも認知度の高い恒例行事化したい」という思いで
- エンジニアが集まる週次の定例会議で参加&登壇募集を早めにアナウンスする
- 登壇者の交代&スライドの切替がスムーズになるように発表用のスライドを1つにマージする
- ノンアル派も快適に過ごせるように懇親会で提供するソフトドリンクの本数を増やす
- 気軽に参加できるようにGoogle Apps Scriptで当日の受付を効率化する
- 会場の一体感を演出するために、客席マイクを用意して、1発表につき1人からコメントをもらうようにする
などの細部にこだわった改善も行いました。
結果として、登壇希望者24名・現地でのリアル参加者も前回同様に45名ということで、第1回からは少し減ってしまったものの、第1回の勢いを上手く引き継いで、プロダクトエンジニアの恒例行事としての定番化の第一歩を踏み出せたように思えます。
当日の様子
会場は東京オフィス8Fのイベントスペースです。外部イベントの会場としても使用していることもあり、大型スクリーンにスライドを投影して中央で登壇者が発表する様子は迫力がありました。
普段はリモートでしか会わないエンジニアの同僚たちが一堂に会するのはなんだか新鮮です。
発表内容
オープニングLT
inao さんによる開会LTです。当日のアジェンダとイベントの趣旨、第1回との変更点の説明がされ、いよいよ第2回 SmartHR LT 大会が開幕します。
SOC2をざっくり知るために最短距離を行こう!
kekke さんによる発表です。SmartHR プロダクトが内部統制の体制を保証する SOC2 Type2報告書を取得していることによるビジネス的なメリットと、それを維持していくために開発チームとして必要な心構えを語ってくれました。
【令和最新版】VS Codeを使ったデバッグ方法
kawa さんによる発表です。今すぐに使いたくなる VS Code の拡張機能を利用した効率的なデバッグ方法を、バックエンド・フロントエンドの両方で紹介してくれました。弊社では開発時のエディタの指定が特にないので、VS Code 派・RubyMine 派・Vim 派・Emacs 派などのエディタ戦争がよく勃発するのですが、これには VS Code 以外の派閥のメンバーも「やるじゃん」と認めざるを得ない様子でした。
3rd Party Cookie と Storage Access API
nabeliwo さんによる発表です。フロントエンドエンジニアの視点から、3rd Party Cookie 廃止によるプロダクトへの影響と、Storage Access API での解決策を模索している現状を紹介してくれました。ブラウザごとに差異があったり、ユーザーにプロンプトを許可してもらうためにはどのようにすればいいかなどの問題もわかりやすく説明してくれたのが印象的でした。
絶対にミスをする私が45分で再発防止をした話
yuriko さんによる発表です。入社後初のリリース作業でヒヤリハットがあったことを受け、そのヒヤリハットの45分後には再発防止のための改善策を書いた社内ドキュメントを公開するという、SmartHRのバリューの1つである「早いほうがカッコイイ」を体現するスピード感に会場は大盛りあがりでした。
Google Cloud 認定資格をいくつか取得した話
k_miyashita さんによる発表です。Google Cloud 認定試験の試験対策の勉強が結果的に実務にも活きた事例を、プロフェッショナル資格に合格すると貰えるパーカーを着て紹介してくれました。発表を聞いて「自分も試験を受けてみよう」という気持ちになったメンバーも多くいたみたいです。
My Top Topics 2023
cidermitaina さんによる発表です。配置シミュレーションの開発チームでの1年間を振り返り、チームで多くの障害を乗り越えたエピソードを語ってくれました。プロダクトのリリースから、外部環境の変化や厄介なバグへの対応にチーム一丸となって立ち向かっていく話は5分間の LT なのに1本の感動的な映画をみているような気分になりました。
FFIで境界を越えよう2024
akht さんによる発表です。FFI(Foreign function interface)という異なるプログラミング言語間で関数の呼び出しなどができる機構を使って、Rust の実装をRuby で呼び出すことで処理速度の高速化を試みた話でした。高速化は達成できたものの、複雑性とのトレードオフを考慮してプロダクトへの採用は今回は見送ることとなったそうなのですが、「言語の境界を超える日を夢みて心の道具箱にしまっておく」という締めの言葉に今後の SmartHR の可能性を感じました。
やっていく自律駆動
zoshigayan さんによる発表です。実はピンチヒッターとして当日に登壇が決まったのですが、それを感じさせない落ち着きと、自律駆動とはすなわち日々のプログラミング作業と本質的には同じなのではという鋭い着眼点に共感の嵐が生まれていました。
What can Emacs be?
gongo さんによる発表です。こちらも1つ前の zoshigayan さんと同様に当日のピンチヒッターとしての登壇でした。「 Emacs はただのテキストエディタではない、その先を見に行こう」という言葉で始まり、 Emacs で動く純度 Emacs Lisp 100% のファミリーコンピュータのエミュレータを開発した話をしてくれました。あまりの壮大さに今度は Emacs 以外のテキストエディタ派閥のメンバーが息を飲む番となりました。SmartHR 内のエディタ戦争はしばらく続きそうですね。
こちらの LT は以前に行った発表内容を社内向けに調整したものということで、オリジナルの発表資料については公開もしておりますのでご興味のある方はぜひ御覧ください! speakerdeck.com
メンテモードをカスタムヘッダーで回避しよう!
kazukun さんによる発表です。一般ユーザーにはメンテナンス画面を見せているような状況でも作業のために社内アクセスからは動作確認を行えるような仕組みを terraformで構築する仕組みを紹介してくれました。 業務に直結するような知見共有がされていて、他プロダクトの開発チームから「ありがたい!」という声が多数とんでいました。
令和のテクノロジーRaycastを布教したいLT
ceris さんによる発表です。macOS向けのランチャーアプリである Raycastを導入して日々の開発生産性を上げるためのTipsをたくさん紹介してくれました。あまりの便利さに、5分のLT中にインストールするメンバー多数でした。みんなでRaycastを使いこなして2024年はさらに多くの新機能をリリースしていきたいですね。
懇親会
LTが終了したあとは懇親会! 前回の食事はお寿司とビッグな唐揚げが中心だったのですが、今回はピザ・ニョッキ・カプレーゼなど、また趣の違った食事が用意されました。「参加者が飽きないように」という細やかな配慮が嬉しいですね。
フルリモートで勤務していると「Zoom越しでしか会話したことがない」「Slackのやりとりしかしたことない」という方も多くいたりするのですが、そういった方とはじめましてをする良い機会にもなって、横のつながりを強くできる良いイベントだなとしみじみと思いました。
LTの登壇者に5分間では話し切れなかったことを深堀りしたり、「〇〇さん今度あのネタで話してよ!」と早くも次のLT大会の話をしたり、開発の知見をシェアしあったり、業務以外の共通の趣味が思いがけず一致していて盛り上がったりと、LT大会とはまた違った熱気に溢れる良い時間となりました。
今後について
以上が第2回SmartHR LT大会の様子でした。今後も月イチのペースで社内の恒例行事として定着させていきます! 今後も多くのプロダクトエンジニアが登壇したいと思ってくれるようなイベントに育てていきたいですね。
今回、本格的な中継環境を用意してもらったことによって「このクオリティなら外部公開なんかもできるんじゃないか?」というまた違った夢も広がるような第2回となりました。
We Are Hiring!
SmartHR では一緒に SmartHR を作りあげていく仲間を募集中です!
本記事で紹介した SmartHR LT大会のように、チームの垣根を越えてプロダクトエンジニア同士交流する場も豊富で、横のつながりにも力を入れています!
少しでも興味を持っていただけたら、カジュアル面談でざっくばらんにお話ししましょう!
撮影:sako