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【イベントレポート】元PMの社長と現PMがプロダクトについてしゃべる会_SmartHR 公開雑談 Vol.1

挨拶

こんにちは!プロダクトマネージャーの稲垣です。 みなさん、先日のイベント「元PMの社長と現PMがプロダクトについてしゃべる会_SmartHR 公開雑談 Vol.1」はご覧いただけましたか? 本記事では、当日のトーク内容とあわせ、参加者にいただいたアンケート結果も一部ご紹介いたします。

今回のイベントでは、『社内での立ち話』をイメージワードに、SmartHRのリアルな姿を知ってもらうことを目指し「ラフに、楽しく」話すため、お酒を交えて赤裸々な話が繰り広げられました。

せっかく飲むなら!とSmartHRのお客様の商品を取り揃え、参加者の方から「飯テロ」の声も挙がる一幕も。 今回ご用意したお料理・飲み物はこちらのお客様の商品です。

  • 銀のさら(ライドオンエクスプレスホールディングス様)
  • すき家の牛皿(ゼンショーホールディングス様)
  • よなよなエール、水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング様)
  • DEAN & DELUCA(ウェルカム様)
  • ヤクルト様

参加者紹介

  • 宮田(代表)
    • WEBディレクターを経て起業。
    • SmartHRでは早期からPMを権限委譲
    • 自分はマーケに強いPMだと思ってたけど、安達さんのドキュメントを見て「自分はPMというよりPMMだったなと思った」とのこと。
  • 高橋(PMM)
    • WEBディレクター
    • SmartHRではCSを経てPMMに
    • 自分はシステムに強いPMだと思ってたけど、安達さんのドキュメントを見て同じく「自分はPMというよりPMMだったなと思った」とのこと。
  • 安達(PM)
    • SIから起業を経て改めてPMになり、SmartHRへ。
    • 当時はまだPMポジションがなかった社内に「必要です」と道を拓いたPMリーダー。
  • 瀧田(採用)
    • エンジニア/デザイナー/PM等、プロダクトサイド採用担当
    • 「PMとPMMを採用したい」とのこと。

まずは結果のご紹介

なんと、アンケート回答者の満足度は100%!回答率は約20%となりますが、高い満足度が伺えます。

アンケートに寄せられた感想の中でも、

アジェンダ+αの濃い内容でざっくばらんにプロダクトやPM /PMMの業務について良い面・悪い面をお伺いでき、大変ためになる「雑談」でした。 社員の皆さんがお互いに敬意を持たれていることや仲の良さなど雰囲気の良さもわかり、とても魅力的な職場だと感じました。 (会社紹介資料やオープン社内報などを拝見した印象と若干違ってたりするかもと思っていたのですが、良い意味でギャップがなくて驚きました…!)

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もちろん面白い話を伺うことが出来たこと (内容) もありますが、何よりも雑談形式いうことで、社長含め、SmartHRで働く方々の人柄、会社の雰囲気、カルチャー、人と人との関係性等がよく見えたことがよかったと思います。そこはまさに外からみていてSmartHRの強みの部分だと思うので、よい企画だと思います。

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宮田さんが見るからに顔赤くなっていたことも含め、緩い雰囲気がすごい見心地が良かった

などなど、素敵なコメントが盛りだくさん。 Twitterでも、こんなTweetがたくさんみかけられ、

目指していた雑談らしいオープンさ、カジュアルさとともに、社内の雰囲気が伝わったようでとても嬉しいです。

では、どんな内容だったのか、たっぷりのエピソードトークを御覧ください。ところどころ、当日寄せられたリアルタイムのTweetも交えてお送りします。

安達さんは一度採用で落ちている!?

瀧田:安達さん、一回SmartHRの落ちてますよね?

宮田・高橋:いや〜、落ちたっていうんじゃないんです…!

宮田:安達さんが面接に来た2017年当時、PMっていうポジションがまだなかったんです。それで「安達さんめっちゃ良さそうだけど今ポジションないのでごめんなさい」とお断りしちゃったんですよね。

安達:スカウトから社長面接までトントン拍子にいってたので、体よく断られたのかな、って思ってました。笑

宮田:当時はまだPOはいてもPMはいなくて、エンジニアが仕様を考えていたし、それをエンジニア採用のウリにしていたんですよね。当時つくっていたのは電卓に近いイメージで、操作と結果が考えやすかったので、PMは要らないと思っていたんです。でも3ヵ月ぐらい経ったら「あれ…?俺たちは電卓をつくってたつもりだったけど、いつのまにかPCをつくってる…?PM必要なんじゃない?」と思い始めた。
やりたいことが複雑化してきて、エンジニアもコード書くより仕様考える時間の方が長くなってきていて。「なんであのとき安達さん採らなかったんだ!」と思いました。あ、チャットで副島さん(当時PO・現在は労務)が「ディレクター欲しかった!」って言ってます。

安達:やっぱり、欲しかったのはPMじゃなくてディレクターだったんですね。

高橋:そう。ただそれは、自分たちが知ってるPM像に当てはめて、判断を誤っていたなって思う。

宮田:実際入社してもらい、ドキュメントを見て「本当に凄いな」と感じた。1つは、ビジネス側の人たちが見て、『わかりやすい』だけじゃなくて内容を見てワクワクしたり、面白がれるものだったこと。
あれを見たとき、「僕たちPMを名乗るのやめよう」って思ったよね。

高橋:そう、あれは本当にすごい。自分がその後書くドキュメントに対しても、『読んだ人がワクワクするかどうか』っていう観点が入るようになりましたね。

Q:ドキュメントに対する安達さんのこだわりを教えてください

安達:ドキュメントにそこまで大きなこだわりないかも。強いて挙げるとするなら、PRD(Product Requirement Documents)の半分以上が、『何をつくるか』ではなく『なぜつくるか』や『どんな業務なのか』といった背景に割かれるようにしています。ビジネス側にもその背景がちゃんと伝わるし、いちばん大事なのはユーザーの実態が見えることだと思うんで。

瀧田:カジュアル面談に来ていただけたらPRDをお見せできます!

安達:褒めてもらえるのは嬉しいんですが、正直自分が昔書いたドキュメントって恥ずかしくて見られたくないんですよね。笑

PMMとの分業、ぶっちゃけどうなの?

Q:PMとPMMの分業、実際やってみてどうですか?また、どんなことをしていますか?

高橋:一部ではうまくいっていて、一部ではうまくいっていないな、と正直思います。SmartHRって、本体とサブアプリケーションでチームが分かれてますよね。
サブアプリケーションは、直接営業に関わったりすることも多い分PMMがユーザーニーズをつかみやすいし、企画をPMMが立ち上げることが多い。新規なら、スタートアップ・創業期に近い感じだと思います。つくるモノにもコメントするし、FBももらう。バックオフィス以外なんでもやる感じですね。
一方、本体側はどうしてもチームが大きくなる。その分、PMMがPjM側のスキルを求められることが多いのかなと。
まだ曖昧なところがあるので、もっともっと、PMMのやることの明文化をしていかないといけないな、と思っています。

安達:既存(本体)と新規(サブアプリケーション)で、コンビネーションややることがぜんぜん違いますよね。人の組み合わせによってもうまくいっていること・改善できることがあるなと思っています。

高橋:オプション機能群は実際に訪問して売りに行ったり、サクセス用のオンボーディングスクリプトを一緒に作ったりもしてますね。

安達:そう、売り方とかサクセスの方法みたいなコミュニケーションはとても重要で、そこをPMMが担ってくれているのはめちゃ大きいなと思います。

宮田:社内の(プロダクトや新機能に関する)勉強会、面白いですよね。

高橋:あれもどんどん工夫を進めていて、挙がってくる声を元にTier別のシナリオを考え、ディスカッションしながら営業スクリプトをつくったりもしています。

尺度に悩むPMの評価

Q:PO、PM、PMMの評価ってどうしていますか?

宮田:これ、悩ましい質問ですね。我々もそんなに「これだ」というものがなくて、総合的に評価しています。

安達:定量で評価は無理だと思う。

宮田: SmartHRの評価制度自体も、7割がシステマチックに決まって、3割は人間が整合性を取る感じなんですけど、でもその7割の部分ですらマネジメントとメンバーでの、お互いの期待値調整がすべてだと思うんです。

安達:挙げるとすれば、『プレイヤーとしてすごいか』というよりも『周りの力をうまく引き出してやっているか』とか、『PMチームとして成長する、組織に貢献するようなこと』を評価しているところはありますね。

高橋:PMMでは半歩先、夢を見させる人が大事なんじゃないかって思ってます。ワクワクさせることができる人は会社にとっても大事なんじゃないかなと。

安達:あと、一緒に働いている人からの評判はとても気にしてます。こういう評価ができるのは、会社としての目線が揃っているから。Salesからと、エンジニアからで評価がそんなに変わらないのって興味深いなと思います。

瀧田:入社して、それびっくりしました。他の職種から評価が来るのは珍しいと思った。

宮田:上流・下流みたいな言い方は好きではないんですがわかりやすさ重視で使います。『上流行程の人の評価は、下流工程の人にやってもらうほうが健全』だと思ってます。例えば、営業がむちゃくちゃな案件獲ってきて後工程の人が苦労する、とか。できるだけ全体でフェアな評価をしていきたいですよね。

定性のtoB、定量のtoB

Q:toCのPMとtoBのPMの違いってどんなことですか?

安達:toCは定量、toBは定性を意識した方が良いと思っています。toBの、特に僕たちみたいなプロダクトってグロースハック要素はあまりないんですよね。あまり数字とにらめっこしない、というのは大きい。
あと、ある程度規模が大きくなってマーケットフィットしてからは、要件定義により正確性を求められるという違いもあると思います。
業務システムはドメイン知識が複雑なんですよ。対比であえて挙げるならECサイトとか。モノの売り買いは想像しやすいし、経験している分、要件定義しやすい。でも労務となると、そもそもどういうものかがわからないし、制度や関係者、必要なものごとがまったく違う。
「ものを買いたい」と「健康保険の資格を取得したい」は同じ土俵で考えられないじゃないですか。
なので、前提知識や業務フローを整理して漏れなく要件に落とし込む力が求められると思います。

SaaSはパクられてあたりまえ?

Q:競合状況どうですか?

高橋:僕たち最近『機能売り』より『ビジョン売り』を意識するようになってきたのは、競合状況が変化してきたからなんですよね。

宮田:数年前から比べると、大手の競合とか、プロダクトにめちゃくちゃ投資する競合が増えてきたなって思ってます。大手がSmartHRをブロックのための機能をつくったりとかして。

安達:めちゃくちゃパクられてるんですよね。

高橋:まあ、その機能をつくった身としては「誉れ」ですよね。承認欲求は満たされます。笑

宮田:承認欲求が満たされる一方で負の感情も起こるし、ビジネス的にはやりにくくなる一方で市場を大きくするためには競争相手がいた方がいいし、いろんな感情が入り混じりますよね。

安達:でも、パクってくる競合はそんなにこわくないんですよね。予想の範囲内っていう意味で。想定外の方がずっと怖い。

Q:SaaSとはいえ、ある程度の個社対応はしていますか?

宮田:僕たち基本的に個社対応はしてないですね。1社ごとへの依存度が低めだからなんですが、そこには2つ理由があって、『お客さんになりうる企業がとても多いこと』と、『単価が低めなこと』。
個社対応って100社中1社には便利でも残りの99社にはめちゃくちゃ不便、みたいなことが起こりうるからプロダクトとしては最悪で、一方で事業観点では麻薬みたいな側面があると思ってます。
なので、入社オリエンでハッキリと「個社対応はしません!」と話したりもしてます。

安達:その点に対してセールスの理解があるのがすごいですよね。ちゃんと真意を汲み取って、お客さんに説明してくれるってすごくありがたい。

高橋:売り切りだとチャーンレートが上がっちゃうんですよね。LTV、チャーンレートを考えてちゃんと受注してくれる体制になってるなって思います。

安達:入社する人たちのマインドに恵まれてますね。

終わりに

いかがでしたか?
盛りだくさんのエピソード、できるだけ削らずにお届けいたしました。
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