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40歳を超えてからあたらしい領域にチャレンジすることの意味

はじめに

こんにちは。SmartHR プロダクトマネージャーの山根(@sayama)です。
この記事は 「SmartHRのプロダクトマネージャー全員でブログ書く2024」 への参加記事です。
25人が持ち回りで毎週記事を投稿します。ぜひご覧ください!

今回は自分がなぜSmartHRに入社したのか、その気持ちの変遷を振り返ってみようと思います。

自分の市場価値ってなに?

SmartHRに入社するまでは、製造業での機械設計を経て、技術者向け情報管理システムの構築以降、自然言語系AIの黎明期からプロジェクトマネージャー・プロダクトマネージャーを経験してきました。業務DXのためのシステム導入や既存プロダクトへのAI機能の付加価値を考えたり、それをグローバルに展開するのも非常に刺激的で、ワクワクしながら推進してきたことをよく覚えています。

キャリアの変遷

改めて自分のキャリアを振り返ると、客観的には「PM ✕ AI」「PM ✕ グローバル」が強みになりそうです。AI技術自体への好奇心や言語スキルの向上がキャリアチェンジのモチベーションでした。時代は折よく生成AI真っ盛り。グローバル人材の募集も活発で、これまでのキャリアは比較的市場に受け入れられやすそうです。
一方で、40代以降の転職ではいろいろな要素を考慮する必要がでてきます。自分のキャリアのみならず家族や住環境・報酬諸々の変化を天秤にかけ、残された社会人生活の時間から逆算をしながら、キャリアのゴール像を具体的にイメージして、次の一歩を慎重に決めないといけません。
「キャリアアップ」というよりは、どこか「キャリアの終活」のような気持ちで振り返っていたときに、もっと自分自身に深く飛び込んで向き合う必要性を感じました。

自分がやってきたことってなに?

振り返ると、これまでは技術ドリブンでキャリアを選択してきました。新しい技術がどのような価値を提供できるのか、新しい技術を用いた体験は顧客を惹きつけることができるのか、仮説検証の根底にあったのは技術への探究心とこれから訪れるであろう近未来への好奇心でした。
それは結果として自分に市場価値を提供してくれましたが、同時に自分はWhatやHowでキャリアを選択してきて、価値提供先のイメージをしていなかったことに気づきました。つまり私のキャリアにおいて、「誰に」価値を届けたいかの軸が定まっていなかったのです。

気づいた価値

思い返すと20年ほどの社会人生活を送り、働くということに多くの時間を割いてきました。幸運にもさまざまな人との出会いに恵まれ、助け助けられ、たまにはともに苦しみ、気づけば若い世代を育成しながら刺激を享受する年代となっていました。
働く行為そのものが自分を成長させる糧になっていたのだとしたら、それは世界中の働く人々すべてにとっても同じような価値があるかもしれない。そんな振り返りをしているときに出会ったのが、「well-working」をコーポレートミッションに掲げるSmartHRでした。働く人たちそれぞれがその人らしくあるように価値を届ける、ようやくキャリアのWhyが見えてきて心が晴れやかになりました。

市場が求める自分の価値と自分がやりたいことが必ずしも合致するわけではありません。私が「PM ✕ AI」「PM ✕ グローバル」という経験から「AI」や「グローバル」を取り払い、領域をピボットするキャリアを選択したのは、年をとってようやく働くこと自体の価値に気づいたからかもしれません。

労務という未知の領域へのダイブ

とはいえ、労務領域について自分自身の知識はゼロ。恥ずかしながら、税金や制度と耳にするだけで考えることを避けてきて、年末調整ですら制度の内容を正しく理解できていない状況でした。美談のごとく自分のやりたいことができると信じて飛び込んだはいいものの、内心はPMとして役割をまっとうできるのか不安で仕方ありません。
正しさを求められる業務という特性もまたこれまでのAI経験とは違うベクトルで興味深い点です。AIの推論の確からしさは数学的な帰結であり、誤差を許容したうえでプロダクトを設計していきますが、労務業務ではそうはいきません。働く人たちが安心して制度を活用し、仕事や家庭に向き合うための安全なプロダクトが求められます。

そんな自分の不安を払拭してくれたのが、ドメインエキスパートの方々の存在です。現在3名のドメインエキスパートが担当プロダクトの枠に縛られず、縦横無尽に首を突っ込んでくれます。
正しさが求められるからこそ、対応や仕様を検討する段階で専門家のアドバイスをもらえることは未知の領域への恐怖感を和らげてくれます。わからないことをわからないと言いやすい環境も相まって、自分のやりたかった目標に注力できています。

「ドメインエキスパートはどんなことをしている?」については是非以下をご覧ください。

おわりに

中年の危機と呼ばれる年代に差し掛かり、これからのキャリアを想像したとき、自分らしく生きるって大切だなと至極当然の答えに帰着しました。自分らしく働いてこそ、「その人らしく働ける社会」のためのプロダクトを作っていけますよね!と信じて、労務の奥深さに触れながら日々仕事に向き合っています。

チャレンジに年齢制限はない!

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