こんにちは!プロダクトエンジニアの@ymtdzzzです。普段はSmartHRの各プロダクトから参照される共通データを扱うチーム(共通データ基盤ユニット)で仕事をしています。2024年7月入社で、前職ではGolangとPHPを書いていたのでRails歴はまだ4ヶ月ほどです。
みなさんは2024年10月25日(金)~10月26日(土)に開催された「Kaigi on Rails 2024」には参加しましたか?
私は「モノリスでも使える!OpenTelemetryでRailsアプリのパフォーマンス分析を始めてみよう」というタイトルで登壇させていただきました(資料)。今回が初めてのオフラインイベント参加でしたが、セッションや参加者の方々との交流はとても楽しく、学びの多い時間となりました。
この記事では、初めてプロポーザルを提出し、それが採択されて登壇するまでの経験談を記事にさせていただきます!
なお、SmartHRからは私以外に技術顧問を含む3名が登壇していますので、それぞれの登壇内容についてご興味のある方は是非下記のスライドをご覧ください。
- Sidekiqで実現する長時間非同期処理の中断と再開 (@hypermkt)
- Sidekiq vs Solid Queue (@willnet)
- The One Person Framework 実践編 (@asonas)
プロポーザル提出のきっかけ
SmartHRでは「OSSやっていきの集い」という、有志が集まって社内メンバーのOSS活動やカンファレンスへのプロポーザル提出活動を推進する集いがあります。
私はRails歴が短くプロポーザルの提出経験も無かったのですが、同僚で、OSSやっていきメンバーの一人である@bmf-sanに声をかけてもらい、挑戦してみることにしました。
技術的な興味分野に全振りしたプロポーザルの作成
自身の興味分野として監視・オブザーバビリティ領域のデファクトスタンダードになりつつあるOpenTelemetryがありましたので、そこにRailsを絡めた話ができたら面白いかもということで、OpenTelemetryを中心に分散トレーシングやオブザーバビリティ分野をRailsで始めてみたいと思っていただけるようなプロポーザルを考えました。
また、OpenTelemetryでは無いものの社内でも分散トレーシングを用いたパフォーマンス改善は行っていましたので、社内での利用状況や活用事例についてもヒアリングしプロポーザルの肉付けを行いました。
プロポーザルの社内レビュー会
7月22日(月)に、社内でのプロポーザルレビュー会が開催されました。レビュー会では社内メンバーからのレビューに加え、Kaigi on Railsのチーフオーガナイザーである@okuramasafumiさんもお招きし、フィードバックをいただきました。
当日は各メンバーが持ち寄ったプロポーザルについて大倉さん個人の観点で率直にアドバイスをいただきました。特に、Kaigi on Railsの主旨と照らしつつ、「幅広い層の参加者にとって持ち帰るものがあるか」「他のカンファレンスではなく、Kaigi on Railsで聞きたいと思えるか」といった視点でのレビューは印象的で、学びがありました。
私のプロポーザルについては「最近耳に入ることが増えてきたOpenTelemetryとRailsのコンビネーションは刺さる人がいそうだが、それを15分のShort Sessionで収めるのは難しいのでは」という意見をいただきました。また、それに関連して、プロポーザルの時点で構成とセクション毎の時間配分を記載すると良いというアドバイスも参考になりました。
初めてのプロポーザル活動ということもあってか、無意識的に30分のLong Sessionを避けていた節があったように思います。しかし、アドバイス通り時間配分など詳細を詰めていくにつれ、自分が参加者に伝えたい内容をきちんと伝えきるためにはLong Sessionが適切だと感じ、自分でも納得してプロポーザルを書き切ることができました。
他に、社内メンバーからも様々なフィードバックをもらえてとても助かりましたので、一部ご紹介します。
- OpenTelemetryは気になってたんだけどなかなか手が動かないから、めっちゃ聴きたい
- セッションの中で初心者向けにOpenTelemetryの概要などの説明があれば嬉しいです
- 他のツールと比べてなにが優れているのかという話に興味があります
これらのフィードバックを反映し、最終的に3,000文字弱のプロポーザルを仕上げることができました。
プロポーザル提出と採択
プロポーザル活動のおかげで、社内から10名以上がプロポーザルを提出し、最終的にSmartHRから技術顧問も含め4名が採択されました。ちなみに、SmartHRのCEOもプロポーザル提出を有言実行していました。
サイゼ会で盛り上がって「Kaigi on RailsにCFPだすぜ!」といってしまったので、有言実行しました。どうなるかな〜ドキドキ#kaigionrailshttps://t.co/1NyHeCs4D4
— Masato SERIZAWA | SmartHR CEO (@masato_serizawa) 2024年7月29日
残念ながら採択されなかったメンバーからも「社内メンバーの採択された報告が相次いだので、自分が落ちても嬉しい気持ちになった」といった声があり、みんなでプロポーザルを出すことの良さを感じることができました。
社内発表練習会
デモ用コードと資料の作成後は社内での発表練習会が開催され、登壇内容について貴重なフィードバックをもらいました。調整が必要な点だけでなくポジティブな感想ももらえたため、自信やモチベーションに繋がりました。
また、個人での練習と大人数を前にした発表とでは所要時間のずれが大きくなるため、時間配分の調整の観点でもこの練習会はとても有益でした。おかげで、より本番に近い環境で各セクションの時間調整を行うことができました。なお、発表時の時間管理についてはAC Timerというプレゼンター向けのアプリがとても便利でした。
登壇当日
登壇前はとても緊張しましたが、会場が大きくライティング的にも参加者の皆さんの顔があまり見えなかったからか、登壇中は落ち着いてお話することができました(笑)。皆さん熱心に聞いていただき、デモが成功したときなどリアクションもあり登壇する側として非常に楽しかったです。
また、登壇後に監視・オブザーバビリティ関連で質問してくださった方々もありがとうございました!
社内メンバーの協力のおかげで登壇することができました
プロポーザル活動について右も左もわからない状態でしたが、「OSSやっていきの集い」メンバーを始めとして、ご協力いただいたすべての方に感謝しています。
当日もSmartHRからは20名を超えるメンバーがオフラインで参加し、とても心強かったです!
事後勉強会でお待ちしております!
2024年11月8日(金) 19:00~21:30で、SmartHRにて「Kaigi on Rails 2024事後勉強会」が開催されます。
この会ではKaigi on Rails初参加者からオーガナイザーまで、多種多様なスピーカーによるLTが行われます。また、今回の記事では記載し切れなかったプロポーザル活動についてのLTも予定しています。
私もKaigi on Railsスピーカー枠として、OpenTelemetryの少し実装に寄った内容をお話する予定です。
是非ご参加ください!