こんにちは。ESP・情シス開発本部の@ydahです。
この記事では、2025 年 12 月 19 日に開催した第 14 回 SmartHR LT 大会の模様を、a-know さん、Tacto さんと共にお届けします。
今回は、年末の恒例行事である忘年会も兼ねての開催となりました。発表内容もさまざまで、笑いあり、学びありの楽しい LT 大会となりましたので、その様子をレポートします!

SmartHR LT 大会とは
SmartHR LT 大会は、有志のプロダクトエンジニアが DevRel とともに隔月で企画・運営している社内イベントです。プロダクトエンジニアの中から 11 名の登壇者を募り、5 分間のLightning Talks(LT)を行います。
登壇者はプロダクトエンジニアに限定していますが、当日は職種によらず社員であれば聴講可能です。配信もしており、現地参加が難しい社員もリモートで楽しめるイベントとなっています。
参加者情報
今回の参加者数です。
- 現地参加者:113 名(うち登壇者:11 名)
- オンライン参加者:32 名
- 懇親会参加者:103 名
現地参加はこれまでで最多となり、盛況のうちに開催できました。前回に引き続き、プロダクトエンジニア以外の社員も多く参加しており、非常に活気のあるイベントとなりました。
発表レポート
当日は 11 名の登壇者による、バラエティに富んだ発表が行われました。 それでは順にご紹介します。
個人開発してる Web サービスの売上を維持するために取り組んでいる、たった一つのこと

1 人目は a-know さんの「個人開発してる Web サービスの売上を維持するために取り組んでいる、たった一つのこと」についての発表でした。
a-know さんは個人開発している Pixela という Web サービスについて紹介しました。Pixela は日本国内外のユーザーに多く利用されている REST 風 API 形式の Web サービスで、Go 言語と Google App Engine で運用されています。
売上を維持するために取り組んでいる「たった一つのこと」は、コミュニティエンゲージメントを重視することです。Patreon での開発動向の定期配信(3〜4 ヶ月ごと)により、無料ユーザーから有料登録への転換ケースも確認されています。
今後は、Pixela を技術の素振り場所としてだけでなく、利用促進や売上向上などのレベニュー活動の実験場として活用していく予定とのことです。
Slack スタンプはバリュー・カルチャーを加速させているかもしれない

2 人目は sawashu さんの「Slack スタンプはバリュー・カルチャーを加速させているかもしれない」についての発表でした。
sawashu さんは 26 卒の内定者インターンとして勤務しています。SmartHR のオープンでフラットな遊び心を持つカルチャーが、8 ヶ月間の勤務を通じて非常に強く浸透していると実感されています。
社内の Slack スタンプには、お守りとしての役割と行動指針としての役割があると説明しました。お守りとしての役割では、スタンプを付けることで発言者の心理的安全性を高め、特に新卒インターンとして言いづらい時や無神経な言動と捉えられないか心配な時に「プロダクトを良くするために考えた」という背景を付与してくれます。行動指針としての役割では、社内の発表会で「光」スタンプや「偉業」スタンプがつくことで、何が評価されるのかを言葉ではなく行動で学べる具体例をリアルタイムで見せてくれます。
Slack スタンプは、全社的にメンバーに求められている行動や文化としてのバリューやカルチャーを普段の業務内にカジュアルに持ち込み、日常的に働きかけてくれるツールとして機能していると紹介しました。
「レビュー早いね」の正体

3 人目は goiso さんの「レビュー早いね」の正体についての発表でした。
コードレビューのリードタイムを劇的に短縮するための秘訣として、レビューを即座に完了させることではなく、「着手の早さ」と「即判断」が重要であると話していました。 依頼が来たら瞬時に「10 分以内で終わるか」を判断し、軽いものはその場で対応、重いものは「見ました(あとでやります)」とリアクションだけ返すことで、ボールが浮いている状態を回避しているそうです。
これにより、依頼者の待ち時間を減らしてチームの開発フローを止めないだけでなく、レビュアー自身のやる気や記憶の揮発も防げるというメリットが紹介されていました。
機械学習界隈の職種の分類 〜個人的な観測記録〜

4 人目は kubotaka さんによる、機械学習界隈の職種分類についての発表でした。
機械学習に関連する職種を、従来の「データサイエンティスト」からさらに「研究系・分析系・モデル開発系」に細分化し、加えて「ML エンジニア」「LLM エンジニア」「データエンジニア」という計 6 つの役割に整理して定義して説明されており、機械学習に関する職種理解の助けになる内容でした。 とくに、ChatGPT 以降に登場した「LLM エンジニア」を、学習工程を飛ばして API で爆速プロトタイピングを行う「発明家」のような立ち位置として紹介していて、なるほどと思わされました。
この分類はあくまで対話のきっかけ作りであり、ラベルにとらわれず個人の多様なスキルセットを理解することの重要性も強調していました。
SmartHR における パスキー導入の設計観点
5 人目は utakaha さんによる、SmartHR におけるパスキー導入の設計観点についての発表でした。
昨年の 12 月 15 日に、SmartHR では「パスキー」への対応を開始し、以下のようなプレスリリースもいたしました。
LT 大会での発表内容は、その舞台裏、というかんじで、SmartHR にパスキーを導入するにあたっての設計観点についてのお話(題名の通りですね)でしたが、パスキーに馴染みがない参加者にも向けた説明も含めていただいていて、さながら「5 分でわかるパスキー」、というかんじでした。私自身も、一部曖昧だった理解を正せたかんじがして、とてもありがたい発表内容でした!
Figma テストケースの迷路から脱出せよ!

6 人目は Tacto さんによる、テストケース管理の方法に関する発表でした。発表のテーマとしては、これまでテストケースの管理に figma を使っていたが、それを Notion に変更をしてみた、というものです。
その理由・モチベーションとしては、「figma は発散をするには良いツールだが、テストケース管理という観点で考えると、観点の漏れや進捗がわかりにくかったり、他の情報と分断されてしまう」「Notion にはデータベースという形で情報を持つことができるので、観点漏れのチェックもしやすく、AI も備わっている。また、全社のナレッジベースにも Notion を使っている」というもので、聞いていて非常に納得感のある内容でした。
LT 内では、Notion AI を使ってテスト観点を自動作成させるデモもあり、これは非常に圧巻でした。その様子を読者の皆様にお見せできないのが悔やまれるくらいに...!(笑)
しかも、この便利な仕組みを他のチームでも使いやすいような形に標準化・マニュアルまで作成されていたのがとても素晴らしかったです!2026 年の SmartHR のテストケース管理に関するペインは、きっと大幅に減っていくはず......と思える発表内容でした!
桃太郎で始める Rego 入門 —— 今日から使える Rego の基本編

7 人目は bmf-san さんによる、Rego 入門の発表でした。
Open Policy Agent で使われる言語「Rego」の基本構文を、桃太郎が鬼退治に行くストーリーになぞらえて解説したユニークな入門セッションでした。
桃の選別(大きいか・腐ってないか)や、お供の採用基準(従順で真面目か)といった条件分岐を Rego の記述例で示すことで、AND/OR 条件や否定(NOT)、配列処理などのロジックが直感的に理解できるよう工夫されていました。また、画像も多用されており、視覚的にも楽しめる内容となっていました。
最終的には、データとロジックを分離して記述する Rego の特徴を、きびだんごを全員食べたか確認する「鬼退治資格判定ポリシー」を通して楽しく学べる内容でした。
長期的な開発生産性を低下させるアンチパターン

8 人目は Eita さんによる、長期的な開発生産性を低下させるアンチパターンについての発表でした。
開発生産性を高めようとするあまり、長期的に見ると逆に生産性を下げてしまう 4 つのアンチパターン(短期的なリリースへの集中、指標の過度な追求、個人のタスク消化の強制、長時間労働)について警鐘を鳴らされていた発表でした。
たとえば、4Keys(デプロイ頻度、変更のリードタイム、変更障害率、サービス復元時間の4つの開発生産性指標)などの指標自体が目的化するとハック(Gaming)が始まってしまったり、個人の効率を追い求めるとチーム全体のフロー効率や助け合いが損なわれたりすると指摘していました。 一時的なアウトプットの増加ではなく、持続可能な開発スピードと品質を維持することの重要性が語っていました。
情シスプロダクト開発部について話したい!!!

9 人目は goro さんの「情シスプロダクト開発部について話したい!!!」についての発表でした。
goro さんは情シスプロダクト開発部のマネージャーとして登壇しました。情シス Slack という 2019 年に有志の情シス担当者で立ち上げられたオンラインコミュニティで行っている 情シスSlack忘年会2025をSmartHRでオフライン開催し、約150 名の参加者と話をして得られた気付きや知見を紹介しました。
企業が直面する ID 管理の課題として、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の弊害として情シス担当者への負担が集中し、「一人情シス」問題や業務の複雑化と属人化によりリスクが増大しているおり、入社・退社・異動などのタイミングで、正しいアカウントと権限を付与できないことがセキュリティリスクになると説明しました。 SmartHRが情シス領域にプロダクトを開発する理由として、SmartHR のソリューションでは組織のマスターデータを持つことが最大の強みであり、従業員のライフサイクルに連動してアカウントの管理を行えること紹介しました。
2023 年 10 月にスタートした情シスプロダクト開発部は、2025 年 6月まで 1 ユニット体制でした。2025 年 7 月から 3 ユニット体制に拡大し、2026 年 1月から「情シスプロダクト開発本部」に改名し、名前に「プロダクト」を追加して明確化します。ID 管理機能というアカウントの可視化・作成・削除など一元管理できる仕組みや認証情報を管理しSmartHRからSSOできるIdP機能を提供しています。今後も ID 管理サービス市場の成長に対応した取り組みを進めています。
サマーインターンを楽しんでもらうために

10 人目は cidermitaina さんによる、2025 年のサマーインターンでの取り組みに関する発表でした。
参加された学生の方にサマーインターンを最大限楽しんでもらうために、「参加者の学び方のタイプを意識する」「積極的にいいところやできたことを褒める」といったことを心がけられ、その結果として、cidermitaina さんが担当された学生の方が SmartHR を第一志望にしていただけた、という、とても尊い内容の発表でした。
上記のような点に気をつけて担当した、と言うのは簡単ですが、それを実践するためには観察眼と感受性の高さといったことも必要そうで、cidermitaina さんだからこそ配慮ができたポイントであり、繋がった結果なのではないかなと感じました。
また、サマーインターンに限らず、なんなら自分自身に対しても「自分がどういうタイプなのか?」を知ることも大事そうだなとも思いました。
グロンギドギギョギョビメガムソゾ

11 人目は ydah さんの「グロンギドギギョギョビメガムソゾ」についての発表でした。
ydah さんはデータ連携ユニットに 2025 年 11に月に入社し、Ruby コミッターとしても活動しています。仮面ライダークウガに登場するグロンギ語をベースにしたプログラミング言語「gromigo」の開発について紹介しました。グロンギ語は日本語の子音を一定の法則に基づいて入れ替えるだけのシンプルな構造で、例として「ありがとう」が「ザジザゼゾ」に変換されることを説明しました。
実装では、レキサー(字句解析器)、パーサー、コードジェネレーターの 3 つのコンポーネントを実装しました。レキサーで gromigo コードをトークンに変換し、パーサーで AST(抽象構文木)に変換、コードジェネレーターで C 言語のソースコードに変換して GCC でコンパイルする流れです。グロンギ語は区別される文字が 39 文字のみという制約があり、トークンとして予約語を決める際に衝突を避けることが課題でした。
パーサーは手書きの再帰下降パーサーを実装し、C 言語の BNF(バッカス・ナウア記法)を参照しながら構文を解析しました。演算子の結合性を考慮して「A + B - C」を正しく「((A + B) - C)」として解析できるように実装しています。コードジェネレーターでは、グロンギ語がカタカナで表現されているため、C 言語の識別子として使えるようローマ字への変換も行っています。
横着できるところは横着して、効率的にプログラミング言語を実装し、架空の言語をベースにした実用的なプログラミング言語の作成に成功したと紹介しました。
記念撮影
すべての発表が終了した後、参加者全員で記念撮影を行いました。

エンジニアの数は年を追うごとに増えており、来年の撮影は写真一枚に収まらないかも?しれませんね。
忘年会
LT 大会の後には、同じ会場で忘年会を開催しました。美味しい料理と飲み物を楽しみながら、参加者同士で交流を深めることができました!



まとめ
第 14 回 SmartHR LT 大会 兼 忘年会は、多くの社員が参加し、盛況のうちに終了しました。多様なテーマの発表が行われ、参加者同士の交流も深まり、非常に有意義なイベントとなりました。
第 15 回は 2026 年 2 月 20 日に開催予定です!今後も SmartHR LT 大会を通じて、社員同士の知識共有と交流を促進していきたいと考えています。
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少しでも興味を持っていただけたら、カジュアル面談でざっくばらんにお話ししましょう!