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家事分担問題にストーリーポイントで立ち向かう

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こんにちは。SmartHR に8月に入社しました、エンジニアの森住です。SmartHR の開発をやりつつ、スクラムマスターもやっています。

この記事の背景

僕は同棲生活を始めて、かれこれ6年ほど経つのですが、その間に一度、家事の分担に関して喧嘩をしたことがあります。

家事というのは明確なコミットメントがない場合、お互いに「自分はやっている」と思い込んでしまう傾向があると僕は思っています。

互いの家事のゴールに対する認識の違いや、自分は外部労働で忙しいから多少任せてもいい(と思い込んでいる)、など齟齬の発生原因は様々でしょう。

また、あくまで僕の観測ベースですが、同棲をしている人や夫婦で同居している人は、家事分担で揉めるケースが多いように見受けられます。

そこで今回は、そんな家事分担問題に頭を悩ませる方々の一助になればと思い、アジャイル開発でよく用いられるストーリーポイントを使って我が家の家事分担問題に立ち向かいましたよ、という内容の記事をお届けいたします。

はじめに

家事の分担をはじめるにあたって、まずすべきことは「家事」の定義です。家事の範囲が明確でなければ分担することはできませんからね。

それでは家事を洗い出してみましょう。

ここでのポイントは、とりあえず全部書き出してみるということです。これはわざわざ書き出すほどでもないかな、などと遠慮する必要はありません。このとき書き出さずに、あとになって文句を言うことの方がよっぽど問題です。

参考までに、我が家では以下のような家事がリストされました。

  • 掃除
  • 洗濯物(洗う方)
  • 洗濯物(畳む方)
  • 料理
  • 皿洗い
  • ゴミ捨て
  • 日用品の買い足し(ティッシュなど)
  • 亀の世話

家事の定義について合意する

一通り家事を洗い出せたら、次は家事の定義について合意を取りましょう。

まず必要なのは、これらの家事を二人で分担することについて異論はありませんね? という合意です。

参考までに我が家の場合、前述のリストから「亀の世話」を除いたリストが家事の定義となりました。

次に必要なのは、家事の「完了の定義」です。

例えば「洗濯物(畳む方)」というのを例にあげましたが、これは洗濯物をリビングに畳んで置いたら終わりなのでしょうか? それとも畳んだ上で適切な場所に収納するまでを指すのでしょうか?

その認識がズレていると、いざ家事を行ってみた段階で「全然できてない」などと揉めることになります。

どこまでやったら家事を「完了」としてよいのか、しっかり合意しましょう。

家事のストーリーポイントを決める

では次にリストした家事を分担する前段階として「大きさ」について定義しましょう。ストーリーポイントというのは要するに、あるものの「相対的な大きさ」です。

例えば「ゴミ捨て」を3ポイントとしたとき、「トイレ掃除」は何ポイントでしょうか? 数字が大きければ大変なタスク、小さければ簡単なタスクである、とします。

ちょっと考えてみてください。

…………。

はい、考えましたか?

ちなみに僕は5ポイントだな、と思いました。皆さんは何ポイントだと思いましたか? 5ポイントから大きくズレた人、近かった人、色々だと思いますが、ここで理解していただきたいのは「ストーリーポイントのズレは認識のズレである」ということです。

「トイレ掃除」が5ポイントより大きいと思った人は、なんらかの理由で僕よりもトイレ掃除が(「ゴミ捨て」に比べて)大変だと思っているのでしょうし、小さい人はその逆です。

そしてストーリーポイントがズレる、という現象には様々な要因が考えられます。例えば僕が見落としているトイレ掃除の工程が存在するとか、僕の知らない楽なトイレ掃除の方法があるとか、そのようなことですね。

ストーリーポイントを出しあっている段階では、ズレていたらいけないとか、そういうものではありません。むしろズレていることがわかったことを喜びましょう。そうした認識のズレを一つずつ潰していくことが円満な家事分担への第一歩となります。

ストーリーポイント実践編

それではストーリーポイントがどんなものかわかったところで、実際に家事に対してストーリーポイントを振っていきましょう。

これはテクニカルな話になるのですが、ストーリーポイントはフィボナッチ数列を利用し、かつ13ポイントを超えたら家事を分割できないか考えるようにしましょう。

フィボナッチ数列とは 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21 のような数列を指します。家事分担で使用する際には1〜13の範囲で十分だと思います。

フィボナッチ数列を使用することには、「過度に厳密さを追求しないようにする」という意図があります。実際にストーリーポイントをつける際も、過度な厳密さは追い求めないようにしましょう。

ストーリーポイントをつけてみる

実際にストーリーポイントをつけてみましょう。やり方は様々です。

例えば1ポイント、つまり最小の家事を見つけて、それを基準に考えるのか。はたまた、なんとなく中くらいの5ポイントっぽい家事を見つけて、それを基準に考えるのか。

注意点として、ストーリーポイントを表明する際には、お互い相手の数字に引きづられないよう同時に表明するようにしましょう。

ここでのポイントは「認識のズレを小さくしていくこと」です。

例えば最初に「ゴミ捨て」は1ポイントの家事であると二人で合意しました。次に「皿洗い」の見積もりを二人で行うことにしました。

せーの、で「皿洗い」のストーリーポイントを口に出します。

すると自分は3ポイントだったのに相手は5ポイントでした。認識のズレが生じていますね。

そういうときは、互いになぜそのポイントにしたのかを説明しましょう。お互いにそのタスクが(相対的に)大変な理由、簡単な理由を教え合ってください。そうすると、なぜストーリーポイントがズレたのかを理解できるはずです。

極端な例で言うと、相手が食器洗い機の存在を知らなかったとして、それを教えてあげたとしたら、「皿洗い」のストーリーポイントは違ったものになるでしょう。

互いに自分が表明したストーリーポイントの説明を終えたら、再びストーリーポイントを同時に表明してください。今度は自分が5ポイントで相手が3ポイントになるかもしれませんし、3ポイントで揃うかもしれません。

とにかくストーリーポイントが揃うまでは、何度でも「なぜズレたのか」を明らかにしていってください。

このようなすり合わせの作業を繰り返すことで、徐々に認識のズレがなくなっていきます。大事なことは、お互いが家事のストーリーポイントについて「合意する」ということです。

参考までに、我が家では以下のようなストーリーポイントがつきました。

家事 ポイント
掃除 13
洗濯物(洗う方) 5
洗濯物(畳む方) 5
料理 8
皿洗い 5
ゴミ捨て 2
日用品の買い足し 3

大きすぎるタスクは分割する

さて、我が家の例では「掃除」が13ポイントと大きくなり過ぎてしまいました。大きすぎるタスクは分担を考える際に問題となる可能性があるので、できれば分割した上でストーリーポイントをつけておきましょう。

我が家では以下のように分割しました。

家事 ポイント
掃除(部屋) 8
掃除(トイレ) 3
掃除(風呂) 2

家事を分担する

ストーリーポイントを一通りつけ終わったところで、いよいよ家事の分担を行いましょう。

分担の比率については様々な要因が影響すると思うのですが、ここでも重要なのは「合意する」ことです。必ずしも5:5を目指す必要はありません。6:4であっても、7:3であっても、それで当人たちが合意できればそれでよいのです。

参考までに我が家では以下のような分担になりました。

自分の担当する家事とポイント(例)

家事 ポイント
掃除(部屋) 8
掃除(トイレ) 3
洗濯物(畳む方) 3
皿洗い 5

相手の担当する家事とポイント(例)

家事 ポイント
掃除(風呂) 2
洗濯物(洗う方) 5
料理 8
ゴミ捨て 2
日用品の買い足し 3

上記の例だと大体5:5で家事が分担されていることがわかりますね。 また、「掃除」を「掃除(風呂)」に分割していたおかげで分担の調整を可能としていることがうかがえます。

繰り返しになりますが、必ずしも5:5が好ましいという話ではなく、あくまで重要なのは当人たちの「合意」です。

合意した内容をいつでもわかるようにする

互いに担当する家事について合意したら、それをいつでも確認できるようにしましょう。人間は特別な人を除けばすぐに忘れる生き物です。

合意した内容をいつでも確認できることにより「それって俺がやることだっけ?」というような揉めごとに対応しやすくなります。

合意を変更するためのルールに合意する

さて、ストーリーポイントも振り終わったし、分担の合意も済んだし、あとはちゃんと家事をやるだけだなと思うかもしれませんが(それで順調に進めばそれでよいのですが)、実際に家事をやってみると「思ったより大変!」という事態が生じる可能性があります。

そんなときに「いや、この内容で合意したんだから、一切の交渉は受けつけない」という態度を取ったらどうなるでしょう? おそらく関係は破綻しますね。

ルールを決める際にはそれを変更するためのルールも同時に決めておきましょう。

そうしなければルール導入時に豊富な知識を持った人間が大きく得をすることになってしまう可能性があります。また、それを不安視してずっと合意に至れないかもしれません。

参考までに憲法を変更する際のルールは、

  • 国会発議
  • 両院それぞれの総議員のうち賛成が3分の2以上であること
  • 国民投票
  • 投票総数のうち賛成票が2分の1を超えること

となっています。

家事分担の場合はもっと簡単でいいでしょう。

例えば、「どちらか片方が見直しを要求したとき」などですね。

最後に

以上が僕なりの「家事分担問題にストーリーポイントで立ち向かう手法」です。

世の中色々な手法で家事を分担されているかと思いますが、少なくとも我が家では上記手法でこれまで3年以上(少なくとも家事分担においては)喧嘩をしていません。

また、ここまで記事を読んでくださった方はすでにお分かりかと思いますが、家事の分担において重要なのはいかなるツールを使うか、ではなく「お互いに合意できるか」であると僕は考えています。 そしてストーリーポイントをつける作業は、そのためのコミュニケーションを促進するものとして有用だと考えます。

以上、この記事が家事分担問題に悩む皆さまの一助になれば幸いです。

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