こんにちは。プロダクト基盤開発本部の@ydahです。
2026年4月22日(水)〜24日(金)に、北海道・函館で RubyKaigi 2026 が開催されました。参加された皆さん、登壇された皆さん、運営の皆さん、本当におつかれさまでした!
SmartHRは RubyKaigi 2026 を盛り上げるべく、本編翌日の4月25日(土)に、少し変わった関連イベントを開催しました。その名も、「Lightning Talks on Hakodate Tram at RubyKaigi 2026」(以下、市電LT)です。LT(Lightning Talks)は1人あたり数分の持ち時間で次々と発表していく、技術コミュニティで親しまれている発表形式です。
函館市電1両を貸し切ったLT大会
市電LTは、函館市内を走る路面電車・函館市電を1両まるごと貸し切り、走行中の車内でLTを行うイベントです。
RubyKaigi本編を終えた翌朝、参加者の皆さんには函館市電「駒場車庫前」停留場に集まっていただきました。

当日は多くの方にご参加・ご登壇いただきました。ありがとうございました!
当日の流れ
当日のタイムテーブルは以下の通りです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 9:30〜9:50 | 受付 |
| 9:50〜10:00 | 主催者挨拶・出発 |
| 10:00〜 | 各停留場間でLT発表 |
| 途中 | 谷地頭停留場付近で小休止 |
| 12:00 | 駒場車庫前にて解散 |
通常のLT大会では1人5分のように時間で区切ることが多いですが、今回の市電LTでは時間ではなく、2〜3区間を1枠として進行しました。発表の区切りを示すのは、時計ではなく指定の停留場です。
信号や停車時間によって発表時間が少し伸び縮みすることもあり、発表者は車内放送や停留場への到着タイミングを意識しながら話します。通常のLightning Talksでは味わえないライブ感がありました。

市電という発表環境の魅力
函館市電の車内には、カンファレンス会場のようなプロジェクターや大きなスクリーンはありません。
そのため、発表スタイルもさまざまでした。大きめの文字で作られたスライドをタブレットで見せる方、紙芝居のように資料をめくりながら話す方、手元のデバイスを見せながら話す方。限られた環境だからこそ、発表者それぞれの工夫が見えるLT大会になりました。こうした工夫が見えるのも、電車の中でLTをする面白さの一つです。




車内は揺れ、外の音が聞こえ、信号待ちもあります。こうした要素を含めて、市電の中でLTをするという体験が成り立っています。
発表はもちろん、車窓から見える景色、車内の揺れ。その全部がイベントの一部になっており、実際に体験してみないとわからない魅力があります。
RubyKaigi Day 4らしいLTの数々
RubyKaigi本編の翌日ということもあり、LTの内容はとてもRubyKaigi Day 4らしいものになりました。
RubyKaigiのセッションをきっかけに試してみたこと、函館での体験、Rubyや周辺技術の話、mrubyから派生した組込み向けRuby処理系であるPicoRubyや登壇にあたって作ったデバイスについての話、まつもとゆきひろ氏が開発するRuby AOTコンパイラSpinelの話、Ruby以外の言語とつないでみた話など、バラエティ豊かなLTが続きました。
RubyKaigiで得た刺激を、まだ熱いうちに聞けるのはとてもよい体験でした。RubyKaigiの余韻を楽しめるLT大会になったと感じています。
函館市電LTの系譜
今回の市電LTは、突然思いついた企画ではありません。技術コミュニティがいつもの会議室やホールを飛び出して、交通機関そのものを会場にしてきた流れの先にあるイベントです。
技術イベントと鉄道の組み合わせという意味では、2013年に都電荒川線を貸し切って、Googleが開発するプログラミング言語Goのハッカソンを行う「電車でGo! 都電荒川線編」という企画がありました。
「電車でGo! 都電荒川線編」はLT大会ではありませんが、技術コミュニティが貸切電車をイベント会場として使う先行例として、とても印象的な企画です。
今回のイベントに直接つながる電車内LTという文脈で大きな起点になったのは、函館で開催されている技術カンファレンスMariners' Conferenceの「函館市電LT大会」です。
函館市電を貸し切り、走行中の車内でLTを行う。単に時間を計るだけでなく、停留場や区間を意識して進行する。 そして、車内の限られた設備を前提に、登壇者がそれぞれ工夫を凝らす。こうした文化は、今の電車LTにも色濃く受け継がれています。
その後、2024年にはYAPC(Yet Another Perl Conference)の函館開催であるYAPC::Hakodate 2024のアフターイベントとして「YAPC函館市電LT」も開催され、函館における電車LTの系譜はさらに広がっていきました。
そして、わたし自身がチーフオーガナイザーを務めた関西Ruby会議08では、アフターパーティーとして京都の叡山電車を貸し切った「叡電LT」を開催しました。叡電LTはまさに、函館で開催されてきた市電LTを大いに参考にして企画したものです。
叡山電車の1両を貸し切り、2〜3区間を1枠として、Rubyistが次々にLTをしていく。 車内放送用マイク、紙資料、iPad、モバイルモニターなどを使いながら進行するLTは、いつものLT会とはまったく違う感覚があり、実際に体験してみないと得られない、とてもよい時間でした。
その体験が本当に素晴らしかったからこそ、RubyKaigi 2026の開催地が函館に決まったとき、「かつて参考にした原点の地で、もう一度やりたい」と強く思いました。
Mariners' ConferenceやYAPCで開催された、函館市電LT。それらを元にして京都で開催した、叡電LT。 そして今回、RubyKaigi 2026 Day 4の函館市電LTとして、ふたたび原点の地・函館へ。
今回の市電LTは、そうした電車LTのバトンを、RubyKaigiで函館に戻すイベントでもありました。 かつて大いに参考にした原点の地に帰り、開催できたことは本当に嬉しく、個人的にも感慨深い時間でした。
参加・登壇いただいた皆さまへ
ご参加いただいた皆さん、LT登壇してくださった皆さん、ありがとうございました。
また、開催にあたってご協力いただいた函館市電の皆さま、RubyKaigi 2026の関係者の皆さま、本当にありがとうございました。 RubyKaigi 2026の3日間を終えた翌朝に、函館市電を貸し切ってRubyistがLTをする。 少し変わった企画でしたが、函館という開催地だからこそできた、RubyKaigiの余韻を楽しむ良いDay 4イベントになったと思います。

函館でお会いした皆さん、本当にありがとうございました。
またどこかの線路の上でお会いしましょう。出発進行〜!
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