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SmartHRのRubyKaigi 2024の舞台裏

こんにちは、DevRelのinaoです。
RubyKaigiの会期中は、着替えのTシャツを1枚しか持って行ってなかった、名刺入れをポケットに入れたまま洗濯して名刺が四散した、熱々の沖縄そばを自分にぶっかけたなど、衣服まわりのトラブルに見舞われ続けました。どれも、原因が自分にしかないことがかなしいです。

この記事では、SmartHRがRubyKaigi 2024で行ったことの舞台裏をまとめます。

那覇文化芸術劇場なはーとの外観写真
RubyKaigi 2024の会場となった那覇文化芸術劇場なはーと

テーマ:「沖縄で握手!」

今年のSmartHRは、交流促進をテーマにRubyKaigiに臨みました。合言葉は「沖縄で握手!」。
交流促進には、次の2つの目的を込めています。

  • 沖縄でRubyistどうしが握手!
  • 沖縄でSmartHRと握手!

「沖縄で握手!」なので、各種デザインも必然的に沖縄を基調としたものになりました。

行った施策

上記の目的を達成するために、今回のRubyKaigiでSmartHRはさまざまなことを行いました。
SmartHRのRubyKaigiプロジェクトの中のサブプロジェクトには、主に次のものがあります。

上から4つ目までは、SmartHRとして初めての試みです。

体制

上記のサブプロジェクトには、オーナーシップを持った担当者にそれぞれ就いていただきました。

  • 事前勉強会(pndcatさん)
  • 事後勉強会(同上)
  • ドリンクアップ(alpaca_tcさん)
  • 利きブルーシール(nansekiさん)
  • スポンサーブース(同上)
  • スケジュールアプリ(eminemさん)

DevRelの私からもアイデアなどは積極的に出しつつも、最終のご判断はオーナーシップを持って進めてくださっている方のご意見を尊重し、お好きにやっていただければなーと。それで結果的に成功しても失敗しても、みんなでわかちあって次の機会に向かえればよいかなと。たとえるならそれは、著作権を持った著者さんと編集者みたいな関係でしょうか。

このようにして個々のサブプロジェクトはできるだけ担当者の好きなように独立して進めてもらいつつも、SmartHRのRubyKaigiプロジェクト全体としては、まとまりや関連を持たせることができればとも考えていました。たとえるならそれは、各著者さんによる独立した記事が並びつつも、全体としては一冊のまとまりを持つ雑誌みたいな関係でしょうか。

ただ、私個人はRubyKaigiに企業側の運営担当者として携わるのは今回が初めてで、どのようにして実際に全体としてまとまりを持たせるのか、関連付けるのかについてはよくわからなかったので、進めながら後付けで行うことにしました。 以降では、主にその模様を紹介します。

初参加者の方にも楽しんでいただきたい!

交流を促進するにあたっては、特に初参加の方を重視しました。 初参加の方は、RubyKaigiがどんなものかわからず不安かもしれませんし、楽しみ方がわからなかったり、お知り合いが少なかったりするためです。

そこで、事前勉強会には「初参加でもこれで安心!」という副題を付け、RubyKaigiチーフオーガナイザーの松田明さんによる「初心者のためのRubyKaigi入門」など、初参加者向けの情報をお届けしました。

また、交流促進を目的に今回初開催することにしたドリンクアップには「RubyKaigi初参加者限定枠」を設けました。加えて、開催告知から実際の募集開始までに2週間の周知期間を設けて、RubyKaigi慣れしていない方でも参加しやすくなるよう工夫しました。

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実際の参加者層はどうだった?

それぞれの初参加者の割合は、以下の通りでした。
比較のため、事後勉強会の割合も記載します。

  • 事前勉強会:32%
  • ドリンクアップ:46%
  • 事後勉強会:17%

後述するように幅広い参加者層を狙った事後勉強会の17%と比べ、事前勉強会は32%、ドリンクアップは46%と、初参加者の方の割合がとても多いですね。

余談ですが、出席率は、ドリンクアップと事後勉強会は95%、事前勉強会は83%と、いずれも高い数字でした。

事前勉強会のアイキャッチ。シーサーをあしらいました

事後勉強会のアイキャッチ。同じくシーサーをあしらいましたが、後夜祭的な感じでこちらは夜に

ドリンクアップのアイキャッチ。シーサーに、ビールとルビーをあしらいました

名札でつながる ── 事前勉強会とドリンクアップ

韓国で出会った二人がニューヨークで再会する物語を描いた映画『パスト ライブス/再会』を観たことをきっかけに、東京の事前勉強会に参加した方々が、沖縄のRubyKaigiで会う約束をしたり、RubyKaigiでばったり再会したりしていただけたら、素敵だと思いました。これを促進するには、事前勉強会に参加してくださった方にRubyKaigiの名札に貼るステッカーをお配りしておけば、目印となってよさそうです。

また、ドリンクアップの受付済みの目印としても、名札に貼るステッカーを用意する予定でした。

そこで、両者に対となるステッカーを作成し、お配りすることにしました。
これにより、名札に両方が貼られていても、どちらかだけ貼られていても、RubyKaigiやドリンクアップの会場で、

  • 「あの事前勉強会に参加なさっていたんですね」
  • 「今夜のドリンクアップに参加なさるんですね」
  • 「うおー、あなたも両方に参加なさっていたんですね!」

と会話のきっかけになって、交流促進の一助となれればと考えました。

なお、RubyKaigiの名札を利用した試みですので、事前にRubyKaigiの運営の方にもご相談し、ご快諾いただきました。

issueのタイトルは、「事前勉強会のご参加者どうしが、沖縄で再会できたら素敵かもしれない」
社内にこの試みを提案したときのGitHubのissue

台紙には、「沖縄で再会しましょう!」という言葉とともに、企画の趣旨が書かれている
事前勉強会でお配りしたステッカー(台紙付き)

ドリンクアップのステッカーにはビールの絵、事前勉強会のステッカーにはルビーの絵が描かれている
ドリンクアップのステッカー(左)と事前勉強会のステッカー(右)。ビールとルビー!

RubyKaigiの名札にドリンクアップのステッカーと事前勉強会のステッカーが貼られている
RubyKaigiの名札に貼った様子

RubyKaigi前後もつながる ── 事前勉強会と事後勉強会

事前勉強会に対応する形で、事後勉強会も開催しました。
事前勉強会は「初参加でもこれで安心!」だったので、事後勉強会は「思い出が止まらない」です。

初参加者の参加に注力した事前勉強会やドリンクアップに対して、事後勉強会は、初参加の方はもちろん、幅広い層の方々にご参加いただきたいと思いました。その理由は、初参加の方もRubyKaigiを経て馴染んだであろうことと、赤(参加者)、青(RubyKaigi 2024スピーカー)、黄(Rubyコミッター)、緑(RubyKaigi 2024運営チーム)という全色のかりゆしを着た方にいらっしゃっていただきたかったからです!

結果は、多くの一般参加者に加え、RubyKaigi 2024スピーカー約15人(うちお二人はキーノートスピーカー)、Rubyコミッター約10人、RubyKaigi 2024運営チーム約10人にご参加いただき、全色のいろとりどりのかりゆしがそろいました!
(RubyKaigi 2024スピーカー兼Rubyコミッターなど、属性が重複する方も含みます)

いろとりどりのかりゆしを着た参加者約85人が写っている
みんなで記念撮影

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ブルーシールアイスでつながる ── 利きブルーシールとブース

例年の自腹で作るグルメマップに代わるものとして、今年はTBSテレビ「ラヴィット!」の企画に憧れて利きブルーシールを行いました。

当初はブログ読者の方に沖縄のブルーシールアイスを知っていただくための独立した企画だったのですが、せっかくなので、Rubyistどうしの交流促進を目的にブースで開催する人労打バトルで総合トップ3の方に、ブルーシールアイスのギフト券をご用意しました。このギフト券には同じRubyKaigiスポンサーのgifteeさんのサービスを利用し、RubyKaigiスポンサーどうしのつながりも持たせました。

目隠しをしている人物や、「ウベ」「沖縄シークヮーサー」などのアイスのフレーバーの札を上げている人物が写っている
利きブルーシールのアイキャッチ。沖縄の植物の柄と色は、みんなで着たアロハシャツと同じ

目隠しをして口にアイスが運ばれるのを待つ人。横では目隠しをした別な人が祈っている
とてもおもしろい記事なので、ぜひ読んでください!

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沖縄のお茶でつながる ── ブースとドリンクアップ

ブースのノベルティとしては、沖縄のさんぴん茶と、それを飲むためのマグカップをご用意しました。
さんぴん茶は、人労打バトルで交流(対戦)してくださった方、あるいは@smarthr_devをフォローしてくださった方にお渡しします。
マグカップは、人労打バトルの勝者にお渡しします。

また、ドリンクアップにいらしてくださった方にもお土産をお渡ししたかったので、お酒を飲む方も多いことですし、沖縄のさんぴん茶に呼応するものとして沖縄のウコン茶をご用意しました。
ウコン茶は、ドリンクアップでSmartHRスタッフと交流(お話)してくださった方にお渡しします。

シーサーをあしらい、色はルビーのピンクとSmartHRのブルーを用いている
さんぴん茶のパッケージ

シーサーをあしらい、色はウコンの黄色とSmartHRのブルーを用いている
ウコン茶のパッケージ

白いシーサーをあしらった黒いマグカップ
SmartHRオリジナルマグ(RubyKaigi 2024エディション)

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ノベルティの配布は難しい

余談です。
ノベルティの配布をいい塩梅で行うのは難しいですね。

  • さんぴん茶
    • 想定:RubyKaigi参加者の大多数にお渡しできるくらいの数を用意していた
    • 結果:人労打バトルに参加などの条件を設けたことで、だいぶ余った
  • ウコン茶
    • 想定:ドリンクアップの場で、複数人のSmartHRスタッフと交流していただく前提で用意していた
    • 結果:自由に移動しにくいドリンクアップ会場だったので、だいぶ余った
  • マグカップ
    • 想定:1回の対戦にかかる時間と、休憩時間などから算出した数を用意していた
    • 結果:人労打バトルが想定より人気で、だいぶ足りなかった

余ったお茶は、最後にRubyKaigiの会場を配って回ったほか、事後勉強会のお土産としてお渡ししました。
マグカップは、最初は「人労打バトルの勝者」という二人に一人はもらえた配布条件を、途中から「人労打バトルの総合トップ奪取」という劇的にハードルが高い配布条件に変更することでしのぎました。人労打バトルの勝者にはそれからしばらくSmartHRのオリジナルウォーターはお渡ししていましたが、それも尽きるとさんぴん茶だけのお渡しになりました。

用意する数、配布する条件の設定、配布の進捗状況の目安や把握など、工夫できる余地がたくさんありそうです。

はじめてのタイムラプス

余談が続きます。
生まれてはじめてタイムラプスに映ったので観てください!

ぜんぶで1,500個のお茶をみんなで袋詰する様子です。
本当はCxOとかVPといった偉そうな人にやらせて、僕らは隣で優雅にコーヒーでも飲みながら「動かすのは口じゃなくて手!」とか言い放ちたかったのですが、残念ながら誰も見当たらなかったので、通りすがりの方々にご協力いただきながら自分たちでがんばりました。

ブースを設営する様子です。
私らしき人もたまに映ってはいるんですが、けっして役に立っていないことがわかります。

トロフィーでつながる ── スケジュールアプリと各施策

閑話休題、本題に戻ります。
今年のスケジュールアプリは、ご参加者の交流を促進するためにチーム機能、フレンド機能、トロフィー機能という新機能を追加しました。 最後に挙げたトロフィー機能は、「スケジュールを10個登録した」「友達が10人できた」「Large Hallに行った」といった達成項目ごとにトロフィーがもらえる機能です。このトロフィーとして「事前勉強会に参加した」「事後勉強会に参加した」「ドリンクアップに参加した」「人労打バトルに参加した」を用意することで、スケジュールアプリと各施策との関連付けを行いました。

なお、今年はトロフィー機能は試験的な位置づけで、上記のような汎用的なトロフィーとSmartHR固有のトロフィーしか用意できませんでしたが、来年など将来的には、RubyKaigiの運営の方とも相談し、各ブースのトロフィーをご用意するなどすれば、スタンプラリー的に楽しんでいただけるものになるかもしれませんね。

事前勉強会のトロフィーには「Meet Up」という文字とルビーが描かれている。事後勉強会のトロフィーにも同じく「Meet Up」という文字とルビーが描かれているが、事前勉強会のトロフィーの色がSmartHRのブルーなのに対し、事後勉強会のトロフィーの色は後夜祭的な夜の紺色。ドリンクアップのトロフィーには「Drink Up」という文字とビールが描かれている。人労打のトロフィーには人労打のロゴが描かれている
左から、事前勉強会、事後勉強会、ドリンクアップ、人労打のトロフィー

スケジュールアプリにトロフィーが表示されている様子

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アロハシャツでつながる ── SmartHRのメンバーどうしの交流にも役立った!

SmartHRからは今回約40人が参加したのですが、みんなでおそろいのアロハシャツを着ました。
このアロハシャツを着ているだけでSmartHRのメンバーだとひと目でわかるので、Rubyistとの交流だけでなく、SmartHRメンバーどうしの交流にも役立ちました。

SmartHRのプロダクトサイドのメンバーはフルリモートワークです。また、急拡大中ですので私も含め入社して日が浅いメンバーが多いです。つまり、実際に会ったことがない人がたくさんいます。

そこで、今回のRubyKaigiがSmartHRのメンバーどうしの新たな交流という観点でどれくらい効果があったのかを聞いてみました。

初めて接点を持てた人の数 回答者
0 0
1〜5 11
6〜10 16
11〜15 7
16〜20 1
21〜25 0
26〜30 1
30〜 0

ご覧のように、全員が、少なくとも1人は新しい人と接点を持てています。 十人近く新しい人と接点を持てた人の割合が一番多いです。 最大では、30人近くの新しい人と接点を持てた人もいます。 今回のRubyKaigiは、SmartHRのメンバーどうしの新たな交流という観点でも貴重な機会だったことがわかります。

シーサーやルビー、沖縄の動植物、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(通称マルフ)に印字されているロゴ、SmartHRのロゴなどがあしらわれている。色はSmartHRのブルー
約40人のSmartHR関係者が着たアロハシャツ

おそろいのアロハシャツを着たSmartHRのメンバー約40人が写っている
みんなで記念撮影

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まとめ

この記事で紹介したSmartHRの取り組みが、Rubyistのみなさまの交流促進の一助となっていましたら幸いです。

本稿の文責は私にありますが、この記事の内容を実現できたのは、そのアイデアも含め、オーナーシップを持った各担当者と、参加したSmartHRメンバーの尽力のおかげです。たとえばブース当番は、SmartHRメンバー全員で交代で行いました。私はただ、思いつきで適当なことを言ったり、洗濯に失敗したり、会場をぷらぷらしたりしていただけです。

また、その多くは後付にもかかわらずまがりなりにもSmartHRとしてのまとまりを持たせることができていたとしたら、それは、ここまでご覧いただいたように一気通貫したデザインの力が大きいです。デザインはすべて、shamoさんが行ってくださいました。

SmartHRと握手!

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少しでも興味を持っていただけたら、カジュアル面談でざっくばらんにお話ししましょう!

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