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第7回 SmartHR LT大会を開催しました ── 自由研究発表! 初のオンライン開催!

こんにちは!
SmartHRでホーム画面の開発を担当していますmktakuyaです。
普段は神奈川県の自宅からリモートで働いています。

ようやく猛暑が落ち着き、窓を開ければ涼しい風が入ってくるそんな季節になりました。
さて今回は、まだまだ夏真っ盛りな2024年8月16日(金)に開催された「第7回 SmartHR LT大会」の模様についてお届けしていきます!

SmartHR LT大会について

SmartHRでは、定期イベントとして社内LT大会を開催しています!
DevRel主導でプロダクトエンジニア(以下PdE)有志で運営しており、各回11名が登壇しています。

過去のLT大会の様子は下記のリンクからお読みいただけます。筆者も第6回に登壇させていただきました。

LT カテゴリーの記事一覧 - SmartHR Tech Blog

今回のテーマは自由研究発表!そして……

今回のテーマは自由研究発表会。
いつもは「仕事に関係あればなんでもOK」なLT大会が、さらに趣味の話やコンテンツ話などなんでもアリな「自由研究発表会」として特別開催されました!

次回は8月! 特別企画「自由研究発表会」今後は、偶数月のみの隔月開催となりました。 また、次回8月は夏の特別企画として、「自由研究発表会」とします。 いつもとは違って、趣味の話、おもしろかったコンテンツの話など、仕事とは関係のないものもOKです!
弊社SlackワークスペースへのLT発表者募集ポスト

特別回に向けて運営チームで準備を進める中、迫りくる脅威が……。

森住さんのSlackポスト。「今週金曜、台風直撃の可能性ありますね :eyes:」
morizumiさんによるナイスなアラート。次は運営メンバー内で気づきたい……!!!

そう、台風です。
普段はリモートワークなPdE同士が顔を突き合わせて交流する貴重な機会ですが、自然の力には抗えません。
今回のLT大会は、急きょオンライン開催になりました。

本番3日前の意思決定でしたが、運営メンバーで力を合わせて無事開催出来ました。

オンライン開催(Zoom開催)となったLT大会の記念写真。Zoomのビデオ参加者一覧画面のスクリーンショット。
記念写真もZoomのスクショ!

LT 各登壇レポート

というわけで、本題の各登壇のレポートをしていきます!

Emacsと向き合う夏(utakahaさん)

トップバッターはutakahaさんです。

utakahaさんによる「Emacsと向き合う夏」のLT タイトルスライド
utakahaさんによる「Emacsと向き合う夏」のLT タイトルスライド

WEB+DB PRESS総集編』を読む中で出会ったMatzのエッセイ「私を変えたソフトウェア」*1をきっかけに、もっとEmacsに詳しくなりたいと思われたとのこと。

『Emacs実践入門』を読んでインプットをした後、Emacsの良さをもっと活かすためにriコマンドを扱うプラグインを作成されたそうです。

Emacsの良さを活かしきれていない、というお気持ち

トーク内では、実装の際にぶつかった問題や解決法、実際に動いている様子のデモをしていただけました。

自由研究発表会らしいナイスな発表でしたね!自分はJetBrains IDE派ですが、何かプラグインを作ってみたくなりました。

生物と非生物の分水嶺(hotakaさん)

お次はhotakaさんです。「生物と非生物の分水嶺」と、なにやら難しそうなタイトルです。元ネタは『生物と無生物のあいだ』という本とのこと。

hotakaさんによる「生物と非生物の分水嶺」のスライド。書籍『生物と無生物のあいだ』についての紹介
hotakaさんによる「生物と非生物の分水嶺」のスライド

知識の上の生物や架空の生物、生物的な無生物そして人工知能・人工生命など様々な生物について紹介したのち、ウイルスや細菌に話が展開されていき……。

hotakaさんのスライド。「食中毒、Getだぜ!!」

登山の際、とある山小屋で食べたお弁当が原因とのことです。食中毒の概要や対策などについてお話があったあと、スライドは「気をつけよう、食中毒」で締めくくられていました。
気をつけよう……。

「食中毒、気をつけよう!」のスライドと発表者のhotakaさん
「食中毒、気をつけよう!」のスライドと発表者のhotakaさん

VRでDJしてる話(ringoさん)

ringoさんの「VRでDJしてる話」です!
ringoさんは品質保証部のQAエンジニア。このLT大会として初のプロダクトエンジニア以外のご登壇者です!

VRとDJというふたつの趣味をかけ合わせてVRでDJとのこと。

VRでDJ!

登壇はVR空間上に配置されたテレビから、アバターの姿でされていました。

現実のクラブと同様に、VR空間上のクラブでDJを出来るそうです。
プレイヤーやミキサーなど、DJ機材は現実世界のものを使うようです。

このハードルは、VRゴーグルのスキマから覗き込むという力技!

オンラインならではの登壇でSlack実況スレが大変盛り上がりました!

山と私と妻(tnagatomiさん)

tnagatomi さんのトークです。

tnagatomiさん ご登壇の様子。Zoomの画面共有によるスライドの共有と登壇者のビデオ映像。
tnagatomiさん ご登壇の様子

趣味の登山の話をしていただきました。
山を登るようになったきっかけや、九重連山や白山の御前峰など素敵な写真をスライドに映しつつ……。

LTタイトルの伏線回収もしっかりとしていただけました。
スライドは「登山は恋人どころか配偶者に出会える」という一言で締めくくられていました。

登山は恋人どころか配偶者に出会える
tnagatomiさんの結論スライド

おうちサーバー/インフラをやろう(nekoさん)

nekoさんのトークです。

内容はタイトル通り自宅サーバーについて。
リース落ちの中古サーバーであれば意外と安く手に入ることや電気代、具体的な構成や何を動かしているかといった話をしていただけました。

なぜ自宅サーバーをやるか?

サーバーを置いている部屋にはエアコンがないらしく、それによる各種トラブルや解決方法などもお聞きすることが出来ました。

サーバー群に扇風機の風を当てている
エアコンが無い部屋での冷却ソリューション

自宅サーバーいいですよね。クラウド黎明期に、「ペットから家畜へ」みたいな言い回しが流行りましたが、まさに自宅にペットであるサーバーを置いていろいろ触ってみたくなりました。

放送大学で学んでみた(yurikoさん)

yurikoさんのトークです。タイトルは「放送大学で学んでみた」でした。
学生時代には文系を選択されていたyurikoさん。これから情報工学などを修めた若いメンバーが入ってくることに対する危機感や、知らないことを勉強する好奇心から入学を決意されたそう。

yurikoさん スライドとご登壇の様子

科目履修生として、「情報理論とデジタル表現」「コンピュータの動作と管理」「Rで学ぶ確率・統計」といった授業を履修されたそうです。

試験や課題によってある程度の強制力を持ちつつ、情報学についてのとっかかりを作ることが出来たそうです。

放送大学で学んでみて良かったこと

フルタイムのソフトウェアエンジニアをしながら知らないことを学ぼうという姿勢、そしてそれを可能にする放送大学という仕組み、両方ともとてもステキだなと思いました。

英語の勉強について語ってみる(rockさん)

rockさん。タイトルは「英語の勉強について語ってみる」です。

rockさん スライドとご登壇の様子

中学2年生から高校までオランダに在住されていたrockさん。そんなご経歴からよく聞かれる英語・英語の勉強方法について発表していただけました。

「完璧を目指さずゆるっといく」というマインドや「仕事で使うから」「映画の主人公のように振る舞いたい」といった目的意識を持つと良いという話、そして文化的背景・歴史的背景を知りセットで覚えると行ったコツについて話していただきました。

Wednesdayという単語の覚え方

Wednesdayの語源ははじめて知りました。中学生の頃は丸暗記していましたが、こういった背景と一緒に単語を覚えるというのは楽しんでやれそうです。

5分でわかるSLO(bmfさん)

bmfさんのトークです。「5分でわかるSLO」というタイトル。
SLOとは「信頼性の目標値」のことである、というスライドからはじまり……。

SLOとはなにか

信頼性が高い・低いとはそれぞれどういうことか、そしてSLOの具体例をATMを例に解説いただきました。
その後も信頼性との向き合い方、適切なSLOがもたらすものについての話があり……。

まとめのスライドです。

まとめ

SLOについてもっと知りたい方は、『SLO サービスレベル目標』という書籍がおすすめなとのことでした!

「チームは筋肉である」説について考えてみた(shooenさん)

shooenさんのトークです。タイトルは『「チームは筋肉である」説について考えてみた』です。
SmartHRには「わからないわかる」というSlack絵文字があるのですが、会場(Slack)のリアクションはまさにそのわからないわかるという雰囲気。

「チームは筋肉である」説について研究結果を述べられる

筋トレ3つの原理である、「過負荷の原理」「特異性の原理」「可逆性の原理」について、チームとの関連を下記のようにお話いただきました。

  • 過負荷の原理
    • チームの成長にはコンフォートゾーンから少し出ることが必要である
  • 特異性の原理
    • プロダクトを良くしたいならスプリントレビューを、開発プロセスを良くするならレトロスペクティブを
  • 可逆性の原理
    • スプリントレビューをやめたら人が欲しいものを超えられない*2、一定頻度で継続しよう

ロジック

素晴らしい結論。

素晴らしい結論

#趣味_競馬(sugamasaoさん)

LT大会前日に急遽登壇の決まったsugamasaoさん。タイトルは「#趣味_競馬」です。*3

勢いがあるスライド

競馬の基礎的な話、馬の種類や血統についての入門的な話がありました。現存する世界中の競走馬の父を辿っていくと、すべて「ダーレーアラビアン」「ゴドルフィンアラビアン」「バイアリーターク」の3頭にたどり着き、三大始祖と呼ばれるようです。かっこいい。

三大始祖の解説

競馬話から突然のギアチェンジ。

登壇するときに考えていること

sugamasaoさんは、なにか登壇するときは思いついたトピックに対して「水平に展開してみる」「垂直に展開してみる」というアプローチで望むようです。 今回は競馬から血統をトピックして垂直に深堀るという実例を見せていただけました。

わずか準備期間1日でのLT登壇。ためになる競馬トークだけでなく、どのように登壇内容を作り込んでいったのかまで言及する姿勢に感服です。

プラレールをラジコン化したら子供は喜んでくれるか?(hypermktさん)

最後はhypermktさん。
タイトルは「プラレールをラジコン化したら子供は喜んでくれるか?」で、前回のLT大会*4に引き続きお子様を喜ばせるシリーズ(今名付けました)ですね!

プラレール好きが高じて、「新幹線の運転士になりたい!」というhypermktさん家のお子様。hypermktさんは、「プラレールをラジコン化して運転士を体験してもらおう!」と考えつきました。

素敵な発想

「プラレール ラジコン化 自作」でGoogle検索してみると事例がたくさんあるようで。各事例を参考にしつつ、1ヶ月ほどの作業期間を経てプラレールラジコンが完成しました。

Raspberry Pi Pico Wとモータードライバ、ブレッドボード上に作成された回路などをプラレールに詰め込んである

顧客(お子様)への実演とフィードバックは下記の通りでした。

  • すごい!あそびたい!!
  • フィードバック1: はやすぎる
    • → プログラムのパラメータ調整で解決
  • フィードバック2: トンネルを通れない
    • → 今回はプロトタイプのため縮小化は断念、ブレッドボードをやめてユニバーサル基板による回路小型化が必要

ちなみにhypermktさん、制作過程で躓いたことをQiita記事にしてWeb上から知見を得ていたようです。気になる方はぜひ。

qiita.com

おわりに

以上、第7回にしてはじめてのテーマ自由かつオンライン開催となったLT大会の模様でした。

「自由研究ということで幅広い話題を聞けて刺激がもらえました!」という声や、「人柄を知ることが出来たので次回会うときに話すきっかけとなる話題を得ることが出来た」といった嬉しい声をいただけました。
一方で、「懇親会がないのが残念、そのまま解散は寂しい」といった声、「終了1分前の声掛けが発表と被ってびっくりするので機械的な音があればよさそう」といったオンライン特有の課題も見受けられました。
このあたり、オンラインイベントの知見は社内外に蓄積されていると思うので探っていきたいと思いました。

第8回からはまたオンサイトでの開催に戻る予定ですが、たまにはオンラインのLT会も良いですね!

*1:Vol.90に収録されています

*2:SmartHRの新バリューのうちのひとつ、「偉業: 人が欲しいものを超えよう」に絡んでいます。参考: SmartHRの新しいバリューを公開します。

*3:SmartHRでは、Slackの趣味チャンネルに 趣味_ というprefixをつける文化があります。(例: 趣味_野球観戦、趣味_rubymineなど)

*4:第6回SmartHR LT大会を開催しました! - SmartHR Tech Blog