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Product Management Summit 登壇レポート —— 他講演との接点から見えた、AI時代のプロダクトマネジメントの論点

こんにちは。技術統括本部でアジャイルコーチをしている shooen です。AI時代の開発生産性向上をテーマに、意思決定と学習のプロセス設計に取り組んでいます。

2026年4月28日に、東京・丸の内で開催された「Product Management Summit」に登壇しました! この記事では、登壇内容と、当日聴いた他講演との接点について書きます。

Product Management Summit とは

Product Management Summit は、ファインディ株式会社主催のプロダクトマネジメント領域のカンファレンスです。「AI時代に、顧客価値を継続的に生み続けるプロダクトマネジメントとは何か」をテーマに、Marty Cagan 氏のキーノートをはじめ、海外・国内のPM/プロダクトリーダーが多数登壇しました。

product-management-summit.findy-tools.io

自身の登壇:「速く作れるかではなく、速く学べるか」

私が登壇したのは10分のLT枠で、SmartHR内で進めている「リリース後の学習ループ」を回すパイロットの「途中報告」をしました。きっかけは、リリースは順調にできるが、その後「効いたのか?」を問う仕組みがない、という社内の課題です。そこで、週次の場である「Learningレビュー」と、記録の型である「Decision Log」の2つを「軽量な型」としてプロジェクトに追加し、観測→判断更新のサイクルがチームで回るかを試しています。

パイロットがまだ続いていることを前提に、途中で見えていることと、まだ分かっていないことを正直にお話ししました。

見えてきたのは、型が最初に効いたのは狙っていた「リリース後」ではなく、「企画からリリースまでの過程」だったこと。一方で、リリース後の検証はまだこれからで、当初の仮説の検証自体は手つかずです。

speakerdeck.com

他講演との接点

登壇者として参加して何より興味深かったのは、自分の問題提起が当日の他講演とどう交わっているかでした。3つだけ紹介します。

Marty Cagan 氏「AIが"作る"を民主化する時代、PdMは何で価値を出すのか」

Cagan 氏は、生成AIで Delivery のコストが大幅に下がった結果、プロダクトづくりのボトルネックは「問題選択」と「解の発見」、つまり Strategy と Discovery へと移った、と整理しました。

私が登壇で出した「作る速さではなく、学ぶ速さがボトルネックになる」という問題提起と、重なる問題意識を感じました。ただし Cagan 氏は PdM 個人の Product Sense(顧客・データ・ビジネスへの理解)、自分はチーム単位の意思決定プロセスと、扱うレイヤーは違います。同じ問題意識を別の角度から取り扱っている話として、自分の整理を見直すきっかけになりました。

Alexander Lovell 氏「元BigQueryプロダクト責任者が語る AI時代の体験設計を事業価値に繋げるには」

Lovell 氏は、AIによってプロダクトの定義が壊れ、その中身は「機能」から「成果契約(outcome contract)」へと置き換わった、と整理しました。何を作るかではなく、どんな成果に責任を持つかを事前に定義する、という捉え方です。

この「成果契約」という整理は、自分が登壇で話した「リリース後に何を観測するかをリリース前に決める」という主張と重なる部分があり、Decision Log を「成果に対して事前に契約を結ぶ仕組み」として捉え直す視点をもらいました。

及川 卓也 氏 × 吉羽 龍太郎 氏「AI時代にプロダクトマネージャーは必要か」

最終セッションでは、AIで作れる量が増えたことで「ビルドトラップ」(作ること自体が目的化してしまう罠)が現場で深刻化している、という観察が共有されました。「何を作らないか」「アウトプットからアウトカムへ」といった現場のリアルが語られました。

これもまた、自分が登壇で出した「速く作れるかではなく、速く学べるか」という問題提起と重なる課題意識を持った議論でした。理論寄りの講演から現場の議論まで、似た方向の話が複数出ていたことは、自分の試みの位置づけを考え直す手がかりになりました。

感想

10分という短い時間で、結論の出ていない「途中報告」をすることには、難しさもありました。それでも、進行中の試行錯誤を共有することにも価値があると考え、このスタイルで臨みました。

他講演を聴いて、自分が取り組んでいる領域が、他のPMやプロダクトリーダーの関心とも重なる部分があることが分かりました。一方で、まだ自分が言語化しきれていない論点にも多く気づくことができました。パイロットの次の一手や、社内・社外への発信に活かしていきたいです。

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